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白石加代子ら俳優達が演じる歌舞伎作品 藤間勘十郎文芸シリーズ 其の五『其噂妖狐譚』稽古場レポートが公開

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藤間勘十郎文芸シリーズ 其の五『其噂妖狐譚』ーそのうわさだっきものがたりー 稽古場より

2025年2月11日(火・祝)京都芸術劇場 春秋座、2月18日(火)~24日(月・祝)あうるすぽっとにて上演される、藤間勘十郎文芸シリーズ 其の五『其噂妖狐譚』ーそのうわさだっきものがたりー。この度、稽古場レポートが届いたので紹介する。

本作は、インド(天竺)、中国(殷)、日本の三国で美女に化け、権力者を翻弄する金色の妖怪、九尾の狐を主人公にした新作公演。上演台本・演出・振付・音楽は藤間勘十郎が勤め、白石加代子、朝月希和、荒井敦史、沢栁優大、白勢未生、冨岡健翔、舞羽美海、三林京子が出演する。

稽古場レポート

『其噂妖狐譚』の稽古がいよいよスタート

藤間勘十郎が上演台本・演出・音楽・振付を手掛け、文学に古典芸能のエッセンスを取り入れ作劇する本シリーズ、この『其噂妖狐譚』では伝説の九尾の狐や妲己を取り上げ、演劇界のレジェンド達とオリジナル作品を立ち上げる。
1月某日、初日の読み合わせが行われた稽古場レポートをお届けする。
結論から、この作品は当代の名優と元宝塚歌劇団娘役トップスター女優の顔合わせ、若手実力派俳優という、歌舞伎俳優ではなく、現代演劇の俳優達が演じる歌舞伎作品。
とんでもない初日稽古を見学することなった。

稽古場に到着し、まず驚いたのは和楽器の数々だ。
部屋の半分を締め太鼓、大太鼓、ドラ、笛など歌舞伎の下座音楽用の鳴物がズラリと並び、箏、胡弓、三味線など本番の生演奏で使用する和楽器が勢揃い!
本作の演出だけでなく音楽を手掛け、なおかつ三味線も演奏する藤間勘十郎氏を筆頭に奏者チームがスタンバイしていた。相対する机には俳優たちが座り、初日特有の緊張感を感じる。
時間となり、まずは藤間勘十郎さんから本作について『以前から試行錯誤して参りましたテーマの作品です』と想いが語られ稽古がスタートした。

“初日読み合わせ”とは通常、台本の最初から最後までを通して読むことで、キャストが各々の役で読み進め全体を把握する機会となる。が、今回はいわゆる“本読み”だ。
藤間勘十郎さん自身が最初から最後まで読み聞かせを行うという、貴重な形で行われた。
というのも藤間勘十郎さんの手による台本はツケやト書きが含まれ、言い回しや語尾も歌舞伎様式。まずは自らセリフの言い回しや読み方を実演、伝授していく。
さらに振付師でもある藤間勘十郎さん。手振りを入れながら三味線も弾き、阿吽の呼吸で和楽器の数々が鳴り響く。まるで生放送のサウンドシアター歌舞伎を体験している気分だ。
キャスト達は自身のセリフになると、その喋りと合わせて口パク。
細かなニュアンスや独特な抑揚を次々に書き留める。漢字の読みすら現代と違い、この読み聞かせの大切さを実感した。
全幕を終えると、白石加代子氏と三林京子氏が顔を合わせ『こりゃ大変だ(笑)』と一言、ドッと笑いが起き和やかな雰囲気になって休憩となった。

この日の稽古は読み合わせに続き、全シーンのミザンス(立ち位置の確認)も行われ、これもまたハイスピードで進んでいく。“これが歌舞伎の稽古のスピードか”と何度思ったことだろう。
先ほどの物語がどんどん3次元となって立ち上がり、それについて行くキャスト達の並外れた一流の能力、ただただ圧倒された数時間だった。これから舞いや仕掛けも加わり磨かれていく本作を想像するだけで心が躍る。
京都公演は花道・回り舞台・セリなども駆使する。劇場構造に合わせた演出で、東京公演と演出法に多少の違いが生まれるとのこと、これはぜひ両会場で体験して欲しい。

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