【京都】裏寺町にある伊藤若冲ゆかりのお寺「寳蔵寺」
今回は、新京極商店街の西にある裏寺町通りの寳蔵寺を紹介します。錦市場の青物問屋に生まれた画家・伊藤若冲ゆかりの寺院です。カラフルなご朱印に惹かれ、初めてお参りしました。
裏寺町の寳蔵寺へ
三条通から新京極商店街を入り、六角通を東へ。河原町通の手前、少し狭い南北の通りが裏寺町です。
四条通からなら四条河原町の交差点から一筋西の通りになります。四条通側の裏寺町は、小規模の飲食店などが並んだ雑然とした雰囲気ですが、ほんの少し東にある柳小路は先斗町を彷彿とさせる風情ある景色となっています。
私が訪れたのは、午前中の早い時間なのでまだどこのお店も開いていませんでしたが、夕刻から夜にかけてほんのり灯りが灯った路地はさぞ素敵な景色だと思います。
寳蔵寺は、六角通から裏寺町に入って100mほど歩いた先、通りの東側にあります。
新京極とは比べものにならないほどの人通りの少なさ。
日中にどうしてもこのあたりを歩く必要があるとき、私は混雑を避けるために出来るだけ裏寺町を歩いています。
寳蔵寺境内の様子
ほとんどが非公開の裏寺町エリア寺院の中で、寳蔵寺は境内までは入ることができる貴重なお寺です。
正面に見えるのが本堂。
こちらは通常非公開となっています。
門を入ってすぐ左には、花手水。
お地蔵様(?)がちょこんと立っていらっしゃいました。
本堂に向かって右側にあるのが、八臂辨財天(はっぴべんざいてん)と天道大日如来のお社です。
八臂辨財天は8本の腕を持つ弁財天様で、良縁成就・良縁吉祥のご利益があるとされています。
本堂の左前には、伊藤若冲親族のお墓があります。
御朱印は、門を入って左側にある受付所でいただくことができます。
種類がとても多くて悩みましたが、ご本尊の阿弥陀如来様と髑髏図デザインの御朱印をいただきました。
受付所では伊藤若冲ゆかりのグッズなども販売されていましたが、今回は御朱印だけ!
御朱印に書かれている「斗米庵(とべいあん)」とは若冲が名乗った号の1つです。
こちらの御朱印には、緑や紫、青のデザインもありました。
御朱印授与は月曜日を除く10:00~16:00の受付となっています。
寳蔵寺について
最後に寳蔵寺について簡単に紹介しておきます。
寳蔵寺は弘法大師空海が創立したと伝わっていますが、その後衰退しました。
文永6年(1269)に浄土宗の如輪上人により元西壬生号に開基されますが、再び衰退。
天正9年(1581)に玉阿律師により再興された後、天正19年に秀吉の京都改革で現在地に移転しました。
伊藤若冲と寳蔵寺
江戸中後期の画家・伊藤若冲は、錦小路にあった「桝屋(通称桝源:ますげん)」三代目の長男として誕生しました。
父・伊藤源左衛門の死亡に伴い、若冲が四代目源左衛門となります。
しかし、絵画に専念したかった若冲は、弟・宗厳に家督を譲って隠居。
その後は、鹿苑寺(金閣寺)大書院の障壁画を始め、多くの作品を世に生み出しました。
「若冲と応挙」会期延長!(京都・相国寺承天閣美術館)2月25日まで #美術館 #美術館 #アート #日本美術 #伊藤若冲
若冲は、寛延4年(1751)に父母の墓石を、明和2年(1765)には末弟・宗寂の墓石を寳蔵寺に建立します。
これにより、寳蔵寺は伊藤家の菩提寺とされました。
寳蔵寺には、若冲の「髑髏図」や「竹に雄鶏図」をはじめ、若冲派の作品が多く収蔵されています。
これらの作品は毎年伊藤若冲の生誕日(2月8日)前後に開催される寺宝展で見ることができます。
残念ながら今年の寺宝展は終わってしまいましたが、来年はタイミングを合わせて訪れるつもりです。
その時は若冲や彼の弟子たちの作品をじっくりと拝見したいと思います!
寳蔵寺の基本情報
・住所 京都市中京区裏寺町587
・電話 075-221-2076
・境内自由
・開門時間 10:00~16:00
・アクセス 京阪電鉄「三条」徒歩約7分・「祇園四条」徒歩約10分
・HP https://www.houzou-ji.jp/