兵庫県立美術館で10年ぶりに開催「パウル・クレー展――創造をめぐる星座」鑑賞レポ【前編】 神戸市
兵庫県立美術館(神戸市中央区)でいよいよ開幕の「パウル・クレー展――創造をめぐる星座」。パウル・クレーの生涯、そして同時代を生きた画家の奇跡に触れる同展をレポート。鑑賞の楽しみ方も併せてご紹介します!
ゴッホやモネに並び、日本では人気が高く定期的に展示が行われる芸術家 パウル・クレー。同館では10年ぶりに開催されるクレー展の魅了に迫ります。
会場に入るとすぐ、撮影スポットが登場!このクレー風にデザインされたロゴがとってもかわいいですよね。まずはここで記念撮影もよさそうです♪
会場では写真撮影が可能な作品が多く、「撮影禁止マーク」がついているもの以外は写真に撮ってもOK!また出品リストなども自由に手に取れるので、リストを見ながら鑑賞すると見逃しがなくてよさそうです。
さらに、より展示を深く楽しめる「音声ガイド」は展覧会入口にて1台700円で貸出。声優の伊東健人さんにより語りで、展覧会の見どころや作品の魅力を紹介してくれますよ!
「今回は展示のスタイルとしては"オーソドックス"にクレーの生涯を時代順に紹介しています。ただ同時代の芸術家の作品を共に展示するとこで、より深くクレーや彼らが生きた時代について知れるのではと思います」と語ってくれたのは愛知県立美術館の学芸員で、同展企画者の黒田和士さん。
展示室内に入ると画家を志す若き日のクレーが描いた作品や、当時の画家たちがこぞって訪れた北アフリカ・チュニジアで描かれた景色など、初期の作品がずらり。
次の展示室では特に第一次世界大戦の勃発、またさまざまな美術運動が盛んになった激動の20世紀前半を生きたクレーの描く変化に富んだ作品が見られます。
20世紀前半にフランスで巻き起こった"シュルレアリスム(超現実主義)"の技法を用いた作品や、芸術運動「バウハウス」のマイスターとして活躍していた頃の作品は見ごたえたっぷり。
クレーの作品と聞いて思い浮かべることも多い、色とりどりの四角形を並べた「方形画」なども多数見ることができました。
さらに昨年神戸で展示が行われたデ・キリコやパブロ・ピカソなど、他の同年代の画家の作品も展示されているので、クレーの作品と見比べたるのもおもしろそうです!
最後の展示室では、晩年に病を患い自由に体を動かせなくなったクレーによる作品を展示。他の展示よりもさらに「身体」にフォーカスしたものが多く、その痛みや苦しみまでも伝わってくるよう。
そんな中でも"シュルレアリスム"や"身体"の表現を模索する力強さのようなものを感じることができました。
展示室内には座れるスポットも多いため、お気に入りの絵の前でゆったりと座りながら絵画を鑑賞したり、図録でおさらいするのもよさそうです◎
展示を見ながら、まるでその生涯を共に駆け抜けるかのように思いを馳せられる同展。色彩の豊かさや自由な表現の奥に、パウル・クレーの思いや生きてきた時代をひしひしと感じる時間でした。
展示の締めくくりにはもちろん、多彩なオリジナルグッズが揃うショップを偵察!ショップの様子やオススメのグッズなど、詳しくは後日【後編】にてお届けするのでお楽しみに♪
開催期間
2025年3月29日(土)~5月25日(日)
場所
兵庫県立美術館
(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1)
開館時間
10:00~18:00
※入場は閉館の30分前まで
料金
一般 2,000円
大学生 1,500円
高校生以下 無料
70歳以上1,000円
休館日
月曜日
※ただし5月5日(月・祝)開館、5月7日(水)は休館