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今週末(5月30日~) 日本のテレビで観られる「輝かしい受賞歴」韓国映画4選

Danmee

©Danmee

今週末、日本のBS・CSで輝かしい受賞歴を持つ韓国映画が放送される予定だ。

芸術性やクオリティー、社会的・文化的価値など、単純に面白いだけでなく一歩踏み込んで評価された作品は一味異なる面白みを持ち、観る者に深い余韻をプレゼントすることも。

本国はもちろんだが、海外の授賞式で栄誉ある賞を手にしたものの場合、国際的に認められたという点に信頼感を覚える人もいるのではないだろうか。

観客動員数も映画の魅力を計る指標の1つではあるが、受賞の有無はさらにそれを裏付ける。

あなたの好みに合う作品はあるだろうか。今週末に放送を控えている豪華ラインナップのなかから、特に海外での受賞歴が華やかなものを4つピックアップして紹介する。

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オアシス (2002)

『オアシス』は、韓国内の各種映画祭をはじめ、世界三大映画祭の1つである『ヴェネチア国際映画祭』で主演のムン・ソリが新人俳優賞を、イ・チャンドン監督が監督賞に輝いた作品。出所したばかりの青年と、重度の脳性まひを持つ女性が繰り広げる純粋な愛を描いている。

強姦しようとした男とその被害者が恋に落ちる衝撃のストーリーで、本作において社会的に疎外された存在として登場する前科者と障がい者が出会って、互いにオアシスのような存在になる物語が高く評価された。

ショッキングな設定とシーンに主演ムン・ソリが猛反対したそうだが、それでも最後まで一歩も譲らなかったイ・チャンドン監督。彼が伝えたかったものとは、いったいなにか。深いメッセージを持つ作品だ。

●日本放送情報:WOWOW プライム/2025年5月31日(土) 午前2:30
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。

エクストリーム・ジョブ (2019)

『エクストリーム・ジョブ』は、『大鐘賞映画祭』をはじめ『青龍映画祭』など、韓国の権威ある映画祭で複数の賞を受賞した作品で、イタリアで開催された『第2回 ウディネ・ファーイースト映画祭』では、イ・ビョンホン監督が観客賞に輝いた。

解体寸前の危機に瀕した麻薬捜査班が、国際犯罪組織の検挙に乗り出す物語なのだが、その方法が奇想天外。フライドチキン店を偽装営業して、張り込みをすることにする。ところが予想外に大繁盛してしまい、捜査どころではない状態に。斬新かつ独特な展開が、多くの観客を魅了した作品だ。

また捜査班のメンバーがそれぞれ個性豊かで、リュ・スンリョンやイ・ハニなど、役者陣の好演と息の合った掛け合いが笑いを誘う。アクションや彼らのチームワークも見どころだ。

●日本放送情報:KBS World/2025年5月30日(金) 22:00~深夜0:15
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。

シークレット・サンシャイン (2007)

『シークレット・サンシャイン』は、韓国内の映画祭を席巻するだけにとどまらず、『第60回 カンヌ国際映画祭』で、チョン・ドヨンが主演女優賞を手にしたことで知られる。愛する我が子を誘拐・殺害されたシングルマザーの内面にフォーカスしたヒューマン作品だ。

悲しみに暮れるなか、教会で信仰に救いを求めるようになるのだが、その過程で再び思いもよらぬ絶望を味わうことになる主人公の姿が強烈。言葉では表現できないような人間の複雑な感情や心の変化をリアルに描き、観る者に深い余韻を与える。

特に、母親が犯人と対峙するシーンが衝撃的。チョン・ドヨン渾身の演技と相まって多くの観客の記憶に残っている名場面の1つだ。きれいごとではすまされない経験をした時に感じる本質的な苦しみを見事に表現した彼女の熱演は一見の価値あり。

●日本放送情報:WOWOW プライム/2025年5月31日(土) 午前4:45
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。

魚と寝る女 (2000)

『魚と寝る女』は、『第57回ヴェネチア国際映画祭』をはじめ、『第19回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭』、『第20回サンダンス映画祭』、『第23回モスクワ国際映画祭』で栄誉ある賞を受賞するなど、海外で高い評価を受けた作品。

世界と孤立した釣り場で生きるヒロインと、過去の傷を抱いて島にやってきた男の猟奇的かつ破壊的な愛の物語を描いている。

人間の本能や疎外感、孤立感、欲望、苦しみ、コミュニケーションの限界をテーマにしており、それらを象徴するかのような衝撃的なシーンが視覚的にも心理的にも観る者の感情を刺激する。セリフではなく、可視化によって強烈なメッセージを届ける破格的な1作だ。

●日本放送情報:ザ・シネマ/2025年5月30日(金) 深夜 01:15 – 03:15
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。

(ライター/西谷瀬里)

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