<非常識なバイト>娘の初バイトはメイドカフェ!?許可していいのか、親として悩む……【まんが】
私はアカリ45歳。旦那(タケヒコ)46歳と、大学一年生の娘(ユウナ)と3人暮らしです。私と夫は真面目な性格。しかしひとり娘のユウナはわが道を行くタイプで、これまでも振り回されてきました。そんな娘も大学生になり、子育ては一段落したと安堵していたのですが……。娘がバイトをしたいという店を聞いてビックリ。親にとって「よくわからない店」で働こうとする子どもがいたら、みなさんはどうしますか? 反対するか容認するか、悩むところですよね。
ひとり娘のユウナは、どうしたわけか私たち夫婦とはまるでタイプがちがいます。そのため、これまでも娘の行動に振り回されてきました。 「ねえ、ママ。韓国に行きたい! 夏休みなんて待てないよ。今度の日曜に行きたいの」 なんて突然言い出すのです。
「そういうことは、自分でお金を稼げるようになってから」 と嘆く娘を説得しますがなかなか諦めてくれず……。 結局は原宿にあるK-POPストアに行くことで、なんとか納得させました。
と、まあ、思い立ったらすぐ行動したがるというか。自分とは真逆のタイプなので、いろいろ苦労をしました。 そんな感じで、なにを言い出すかわからない娘ですが、受験勉強は頑張り、見事、志望大学に合格。親としての役割は一段落したとホッとしていたのも束の間……今度は「メイドカフェでバイトしたい」と言い出したのです。
真面目な私や夫とは違って、娘はやりたいと思ったことは即行動。 自分とは違うタイプの子どもを理解することは一苦労でした。 そして、娘が大学生になってもまだ続くなんて……。 子どもとの付き合いは、いつになっても気が抜けませんね。 それにしても、メイドカフェで働きたいとは! 今回もビックリしてしまいました。 衣装が可愛いからという理由はわからなくもないですが……。 働かないでほしいと思う私は、古い人間でしょうか? もっと寛容になったほうがいいのか、そんな迷いもあることはあるのですが。
メイドカフェって危険?安全?「自分の目でしっかり確かめよう!」
絶対ダメだって反対したい。でも……頭ごなしに言ってもダメだろうし。 娘との話を切り上げたあと、私はスマホで検索をはじめました。なんとなく危険という偏見はよくないのかも。 本当にそうなのか、それとも違うのか。 メイドカフェに実際に行って、どんな場所かこの目で確かめてこよう。
数日後。私はメイドカフェに向かいました。
メイドカフェに入店したすると「おかえりなさいませ!」と迎えられ、驚きました……。 そのあとすぐ「入店案内」のようなメイドカフェで過ごす際のルールや注意事項などが書かれたパンフレットを渡され、読むように言われました。 入店前に注意喚起をしておくことで、トラブルを未然に防ぐ目的なのでしょうか。
娘から、メイドカフェでバイトをしたいと言われた私。 最初は大反対でしたが、少し気持ちを落ち着けて考えてみることにしました。 頭ごなしに「ダメだ」と言ってもよくないだろう。 そもそも私はメイドカフェに行ったこともない。 それなら調べてみようと、私は勇気を出してひとりでメイドカフェに向かいました。 そこでわかったのは、客に対して注意喚起が徹底されていて、メイドが嫌な思いをしないようにケアされていること。 そして外国人観光客が多く、私が想像していた「いやらしい雰囲気」はなかったのです。
考えた末に決断、バイトOK!が、後ろから「ちょっと待った~!」
「そういうことは全然ないですよ、執事が常に店内をチェックしているんです」 メイドさんの視線の先を見ると、執事の服を着たマネージャーらしき人物が、店内を見回していました。 なんでも、もめごとが起こりそうになると、執事がすぐに駆け付けてくれる仕組みになっているそうです。
「あなたは働いていて楽しい?」と私が聞くと、メイドさんは満面の笑みで 「はい、すっごく!」と答えてくれました。
実際にメイドカフェを訪れてみて、娘の気持ちが少し理解できたような気がしました。 家に帰ったあと、私は考えを巡らせます。 正直、まだ抵抗はある。でも反対したせいで隠れてバイトをされたり、なにか他の危険なバイトをされるよりは……。 そして私は決意。娘にメイドカフェで働くことを許可したのです。 すると娘は「本当? やったーありがとう! バイトしたら、お金、家に入れるね」と大喜び。
2人で盛り上がって話していると……。
実際にメイドカフェに行って、そこでバイトをしている子たちの話を聞いた私。 彼女たちが楽しく、嫌な思いもせず働いていることを知って、娘がここでバイトすることを許可してもよいと思いはじめました。 まだ少しだけ迷いつつも、バイトしてもいいと娘に告げると大喜び。 夫にはタイミングをみて、私から話そうと思っていました。 しかし……そこにはいつの間にか帰宅した夫が立っており、私たちの会話を聞いていたため、さっそく娘がメイドカフェでバイトをすることがバレてしまったのです。
夫は予想通り大反対して、娘と大喧嘩をしたのでした。
夫は激怒!義母からもネチネチ説教され「疲れた……」話し合い再び!
夫は私と同じく真面目な性格ですが、ときどき熱くなる面があります。 夫は怒りながら、書斎に閉じこもってしまいました。そして数十分後、義母から私のスマホに電話がかかってきたのです。 「さっきね、タケヒコから電話がきて、ユウナちゃんのことを聞いたんだけど……」 なんと夫は、義母に話したようなのです、早すぎ!
義母は普段、私たちの子育てに口を挟むことはありません。 しかし、義母にとって夫はひとり息子。娘も唯一の孫なので、とても可愛がっています。 そんな娘がメイドカフェで働こうとしていることを夫から聞いて、いても立ってもいられなくなったのでしょう。
義母の「メイドカフェで働かせるべきではない」という意見を20分ほど聞いたあと、私は娘の部屋に向かいました。 娘はふてくされて、ベッドの上で寝転がっていました。 「そんなにメイドカフェで働きたいの? お母さんも『いいよ』とは言ったものの、できることならそこでバイトしないでほしいっていうのも本音なの。だから怒るお父さんの気持ちもわかるのよ……」 娘はしばらく考えているようでしたが、やがて口を開きました。
娘がメイドカフェでバイトしようとしていることを知って、夫は大激怒。 娘と喧嘩したあと、書斎に閉じこもってしまいます。 すると数十分後、義母から電話が。 夫から事情を聞いて、メイドカフェでなんて働かせるもんじゃないと、私に連絡してきたのです。 夫と義母の反対を受けて、私はもう一度娘と話し合うことに。 すると娘は「やりたいと思ったこと、楽しそうだと思ったことはやりたい」と私に告げます。 娘のまっすぐな考えを聞いて、私の心は揺れるのでした。
娘「やりたいことをやる!」夫を説得できる?わが家が出した結論は
娘の素直な言葉にハッとさせられました。 「やりたいことをやる」って簡単に見えて難しいことなんだよね。
ふと昔のことを思い出します。 私は、高校生のときはチアリーダーに憧れたし、大人バレエをやってみたいと思いつつ、恥ずかしいからとか時間がないからとか、やらない言い訳を考えて挑戦していません。 やりたいことをやるのって、勇気がいるのです。 だからこそ、自分のやりたいことに突き進む娘をまぶしく感じました。
娘には、バイトにはいる時間帯を決めさせたり、勉強も頑張ることを条件としてメイドカフェで働くことを許しました。 翌日、私はあらためて夫と話をすることにしたのです。
「メイドカフェでのバイトだけど、許可することにしたから」 私はこう切り出して、なぜ私が決断に踏み切ったのかを夫に説明しました。
「私は実際にメイドカフェに行ったの。そのうえで、思ったより安全に楽しく働けそうだと思った。そんなに心配ならあなたもメイドカフェに行って自分の目でみてきなさいよ。あなたは実態も知らないくせに、自分の持っているイメージだけで反対してる。でもそれじゃあ説得力がないわ」 渋々ながらですが、夫も了承してくれて、ホッとしました。
「やりたいことをやりたい」 娘の言葉を聞いて、私は自分のことを振り返りました。 これまで、やりたいと思ったけど、諦めたことがいくつもあります。 それは私に勇気がなかったから。 「やりたいことをやる」のは簡単なようで、意外と難しいのかもしれません。 そう感じたとき、自分の道をすすむ娘を応援しようと思いました。 夫も渋々ながら理解してくれてよかった。 周囲からは、ちょっと変と思われたり、親としてどうなの? と思われるかもしれませんが……。 これが私の出した答えです。