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ふたり“らしさ”が表現された“山下大輝×畠中祐”初のコラボソング「Go ahead!」が生まれるまで。制作秘話やマインドの共通点などを聞く/山下大輝さん、畠中祐さんロングインタビュー

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

新しい出会いと旅立ちの季節。そんな門出を後押しするかのように、今春“山下大輝×畠中祐”名義で初のコラボレーション楽曲「Go ahead!」が配信リリースとなった。作詞・作曲をSIRAさん、編曲を松本良喜さんが。さらにイラストをゆりぼうさん、映像編集をえむめろさんが手がけた、新たな門出の季節に寄り添う爽やかなナンバーとなっている。

もともと互いをリスペクトしあっている両者だが、楽曲制作を通じて、さらに絆が深まった様子。山下大輝さん、畠中祐さんに、「Go ahead!」に込めた想いや、互いの音楽への向き合い方、そして5月4日に開催されるコラボライブ「山下大輝 × 畠中祐 LIVE 2025 “Share”」まで、たっぷりと語ってもらった。

【写真】山下大輝×畠中祐のコラボ曲は明るい“だけ”ではない前向きなナンバーに【インタビュー】

まっすぐな気持ちの持ち主じゃないとあの純度は出せない

──9月7日(土)に行われた山下さんのバースデーイベント「Daiki Yamashita 2024 DAIKING Festa Vol.3」に、ゲストとして登壇されていた畠中さん。その時に佐伯ユウスケ (佐伯youthK)さんが手掛けた山下さんの楽曲「Hello」をコラボレーションする一幕もあり、おふたりが一緒に何かをやったら面白いだろうなと勝手に想像を膨らませていたのですが、まさかこのタイミングでコラボレーションが実現するとは思いませんでした。どのような経緯でこの話が進んだのか、山下さんからお聞きしてもよろしいでしょうか?

▼Daiki Yamashita 2024 DAIKING Festa Vol.3レポート

山下大輝さん(以下、山下):自分のイベントは自分が自由にできる場なので、仲の良い人を呼んでいるんです。で、今回の「DAIKING Festa」には、祐に来てもらって。祐は歌も歌えるし、同じようなパッションを感じる部分がすごく多いんですよね。一緒に歌えたら楽しんだろうなと思い、あの場で歌わせてもらった時に、お互いアイコンタクトを取りながら、めちゃくちゃ楽しい空間が生まれたというか……「あ、これだ!」っていう瞬間があったんですよね。

畠中祐さん(以下、畠中):うんうん。

山下:あの時に「もっといろんなことを一緒にやりたい!」って強く思いました。それで、大人のたくさんの力をお借りして(笑)、今回こうしてコラボレーションを実現することができました。

──畠中さんは山下さんからのラブコールを受けて、どのようなお気持ちでしたか?

畠中:いやぁ、嬉しかったですよ。もう「ぜひとも」と。僕はアフレコ現場で山下さんの姿を見ることが多いんです。自分の出番が終わった後も残って見学させてもらっていて。だから、後ろ姿を見ていることが多かったんですよ。中でも某作品で、惚れ惚れした後ろ姿と声があって……「ああ、まさにヒーローだな」と思っていました。

そして、その声に感性の豊かさのようなものをとっても感じていて……。だからこそ、そういう人が音楽をやるとどうなるんだろう? っていうのは、(アーティストとしてデビューする前から)すごく気になっていたし、実際にステージで体感してみたかったんですよね。……で、やっぱりすごいなと。その素直さ、まっすぐさが歌に出ていて。そこにどう僕の声が絡んでいくのか、全然想像がつかなかったんですけども……面白いですよねえ。

やっぱりお互いのアプローチが全然違うんですよね。でも、重なったときに「確かに同じ方向を向いている!」って感じる瞬間があって、それがすごく面白かった。

何よりも、一人だと不安なこともあるんですけど、ふたりだとその不安が「楽しさ」に変わる感覚があって。だから、コラボの話をもらったときは即答でしたね。「ぜひやらせてください」と。実際、今回のコラボレーションについても、まったく不安がなくて。うれしいと楽しいが自分の中で勝っていました。ひとりでやるよりも、不安がない。

──バースデーライブのときにも畠中さんが「山下さんのこの純な歌声、最高!」って言っていたのが印象的でした。

畠中:あの純度はどこから出てくるんだろう?と思うくらい、すごく純で、まっすぐ。でも、やっぱり「好き」っていう気持ちがあるからこそ、そういう純度の高いものが生まれるんだと思います。そうじゃないと、あの純度は出せないだろうなと。

山下:うれしいなあ。

畠中:歌を歌う目的って、人それぞれいろいろとあるじゃないですか。もちろん、“楽しい”でやってる人もいれば、スターとして輝きたいって気持ちを持って挑戦している人もいるし。だからこそ、声を通して伝わってくるものってたくさんあると思うんですけど……でも歌声から最も“好き”ってものがポーン!と伝わってくる。それってすごいことだと思っていて。これは芝居でも同じで、自分が心から好きでやっているからこそ伝わるものがある。だからこそ、自分も心が動かされる。そんな方とご一緒できるのであれば、ぜひぜひと。

──バースデーイベントの日、山下さんも「祐の声、すっごく好きだ!」と絶賛されていました。山下さんは畠中さんの声についてどんな印象をお持ちですか?

山下:お芝居のときと歌のときで、声の印象がすごく変わるというか、キャラが変わる感じが僕はしていて。

畠中:へえ!

山下:なんだろうな。歌になるとすごくソウルフルになるんですよね。

畠中:わ、嬉しい。

山下:なんだか外国っぽい雰囲気を感じるんですよね。彼の音楽を聴いていると「こういう音楽を聴いて育ってきたんだろうな」「こういう人生を歩んできたんだろうな」とすっと伝わってくるんです。そういう、彼自身の生き方がそのまま表れている感じがすごくいいんですよね。嘘偽りなく、まっすぐに音楽に向き合っているのが伝わるというか。

畠中:それ、めちゃくちゃ嬉しいなぁ(笑)。

山下:一緒にお芝居をしたり、歌ったりすると、すごく気持ちがいい空間になるんですよね。さきほどの話にもあった通り、いろいろなタイプのアーティストがいると思うんです。その中で「この場所が好き」「ここでみんなと一緒に楽しいことを作り上げたい」っていうスタンスの人と一緒にやると、そのエネルギーが何倍にも膨らむんですよね。まさにそういうタイプの人なんですよね。彼の声から、その想いがすっごく伝わってくるんです。だからこそ、一緒にやりたいなって思ったし、実際にこうしてコラボが実現して本当に嬉しいです。

畠中:いやいや、こちらこそですよ! 本当にありがたいです。

山下:そういう人と一緒になにかするときって、僕自身も自由に歌うことができるんですよね。とにかく楽しい。だからオファーをさせてもらいました。これからもめちゃくちゃ楽しみです。本当に、今回の声からもまっすぐな気持ちが伝わってくる。ただ、さっきも言った通り、最初はびっくりしたんですよ。あまりにキャラが違うから。「めちゃくちゃカッコいいじゃん!」って(笑)。新しい祐を感じました。ジャズとかブルースとか、そっち系の影響を感じるような歌い方をする時もあって。

畠中:ああ、でもまさにそれ。 小さい頃に聴いていたのがそれだったんです。

山下:やっぱりそうだよね。そういう音楽を聴いて育ってきたんだろうなっていうのが伝わってくる。そこも人間味があって良いなあって思うんですよね。強引に別の自分を見せるのでもなく、「こう歌おう」と無理に作るわけでもなく。「こう歌いたいから歌う」っていうナチュラルさがあるというか。

畠中:うん、それは確かにあるかも。

山下:僕はそれこそ、『ディズニー』がすごく好きで、日本語吹き替え版の音楽を聴いて育ったんですよ。だから、わりとドストレートな歌い方をしてるところはあるんですけども。

畠中:それこそ『ディズニー』っていう意味では、うちの父親(俳優・声優の畠中洋さん)も『ディズニー』の吹き替えをやっていて。だから、小さい頃は父親に怒られていたんですよ。

──えっ、なんでですか?

畠中:「ポップスだったらその歌い方でいいけど、ミュージカルの歌を歌うなら、それは“言葉”なんだから、そういうふうに歌うな!」って(笑)。だから、「じゃあミュージカルの言葉みたいにストレートに伝えないとダメなんだな」って思って、そっちの練習もしていました。だから、今の自分の歌い方には、その2つの影響があるんですよね。

山下:いや、それめっちゃいい話じゃん……! 僕は(畠中洋さん演じる)『ライオン・キング』のプンバァがすっごく印象的で。

畠中:ああ、父親がプンバァをまさにやってて。でも、でも、家で気持ちよく歌っているときにダメ出しされるのって、結構ショックなんですよ(笑)。しかも、ガチトーンで言ってくるんですよ。小学校4年生に対して「ミュージカルでその歌い方はないよ」って。まあ、結果的には感謝してますけどね(笑)。

──お二人はアプローチの仕方は違えど、どちらもまっすぐな歌声という意味では共通されているのかなって。

山下:ああ、そうかもしれないですね。マインドというか、歌を通して気持ちを伝えたい、届けたいっていう部分ではすごく共通してるなって思います。

畠中:うんうん。

──バースデーライブで「Hello」を歌われたあと、山下さんが「祐とはハッピーな曲を歌いたかったんだ」っておっしゃっていたのが印象的だったんですが、今回の「Go ahead!」も前向きな曲という印象があります。「Go ahead!」を歌うにあたって、「こういう曲をやりたいよね」といった話はされていたんですか?

山下:僕は、やっぱり前向きな曲がいいなって思ってましたね。せっかくだし、明るくて、光が見えるような楽曲がいいなと。お互いのスタンスにも合っている曲がいいなと思って。祐はもしかしたら知らなかったかもしれないけれども、実はいろいろと候補を出してもらったんです。

畠中:おお、コンペやったんですか!?

山下:そうそう。実は、5曲くらい候補があったんですよ。いろいろなタイプの曲があって、他の曲も魅力的だったんですけど、その中で一番キャッチーなメロディーを持っていたのが「Go ahead!」だったんです。なんというか、一番等身大の明るさに近かったんですよね。Aメロからサビにかけてのキャッチーな振れ幅がすごくわかりやすくて、何より疾走感があった。それで、「これだ!」って決めました。絶対、僕たちふたりが歌ったら映えるなっていうのが想像できたんです。ちょっとだけ、キーは高かったかもしれないけれども……(と、畠中さんを見る)。

畠中:あっはっはは!

山下:祐はなんでも歌えちゃうから「大丈夫っしょ!」って気持ちが僕の中であって、いけるでしょ!って。そしたら本当に歌えたっていう。

──素晴らしい……! 最初からこの高さだったんです?

山下:実は最初、もうちょい高かったんですよ(笑)。もともとのデモは女性が歌っていて。でも、それだとさすがに歌おうとするとちょっと聴き苦しくなっちゃう可能性があったんですよね。楽しさより一生懸命さが出そうだなと(笑)。

畠中:ちょっと下げてもらって良かった(笑)。

山下:だから、ちょっとキーを下げてもらったんですけど、その結果、めちゃくちゃいいバランスになったんですよね。ライブを想定して歌いやすいキーになったし、Dメロとかもすごく盛り上がる展開になっていて、本当にいい仕上がりになりました。最初のデモはワンコーラスだったんですけど、そこからどんどん膨らんで、最終的に「これは絶対ライブでみんなに歌ってほしいなあ」って思える曲になりましたね。めちゃくちゃ楽しい曲に仕上がったなって、大満足です!

──レコーディングはいかがでしたか。

山下:祐の歌声を想像しながら歌ったんです。でも、その想像を軽く超えてくる素敵な歌声が入ってきて驚きました。もう超ハマっちゃって、ほぼ毎日聴いてるかもしれない(笑)。

畠中:わかるわかる!  俺もめっちゃ聴いてるもん(笑)。いい曲ですよね、本当に。自分の歌った曲って照れくさくてすぐに聴けないってこともあるんですよ。でも、この曲は無条件に「いい曲だな」って思っちゃう。聴いてると励まされる。

シンプルに好きなんですよね。最初に曲を聴かせてもらった時から、理由はうまく言語化できないけど、「これ、好きだわ」ってなったんですよ。そういう曲ってありません?

山下:うん、分かる。

畠中:特にサビのメロディーラインが超好きで。キャッチーで爽やかだし、一発で耳に残るんですよね。それと、すごく前向きな曲でありながら、ただ明るくポジティブな曲ってわけじゃないのも良くて。歌詞の中には、自分を鼓舞するような瞬間もあれば、落ち込んでしまう瞬間もあって、全部ひっくるめて「等身大の自分」が表現されてる感じがする。だからこそ、すごく共感できる曲でした。

──たしかに、「明るさ」だけじゃない何かが詰まっている曲ですよね。

畠中:そう!  そこも人間らしくて好きなんですよね。だって、誰しもずっと「ハッピー!」ってわけじゃないと思うんですよ。時には「なんでだよ!」って思う瞬間もあったり、「どうすんだよ!」って思うこともあったり。でも……「それでも楽しいからやってます!」っていう。そういうリアルな感情が入ってるのがいい。それこそ、山下さんもそういうところがあるんじゃないかなって。

山下:うんうん、そうかも。むしろ、そういう気持ちがあるからこそ、ハッピーな瞬間が際立つんですよね。苦しいことがあるからこそ、それを乗り越えたときの喜びってめちゃくちゃ大きくなるし。例えば、学生時代、部活でライバルに追いつけなかったり、いくら頑張ってもレギュラーになれなかったり……そういう経験って誰しもあると思うんです。

でも、だからこそ誰かの辛い気持ちに共感できたり、人に優しくなれたりするんじゃないかなって。そういう人たちと一緒に掴み取る「何か」って、めちゃくちゃ価値があるものになると思う。それって生きていく中での、心の活力になるものになるんじゃないかなって。そういう意味でも、この曲ってすごく今の時期にぴったりなんじゃないかなと思っています。

──春は出会いと別れの季節ですね。

山下:そうなんですよね。いろんな想いが交錯している今だからこそ、この曲がすごく合うんじゃないかなって思うんです。最近はみんなネットに夢中になりすぎて、大切なことを忘れがちになってる気がするんです。

畠中:うんうん。

山下:でも、こういう曲があることで、「大切なもの」を思い出せるきっかけになったらいいなって思いますね。

音楽に関するふたりのマインド、その共通点

──山下さんが「心の活力になる」とおっしゃっていましたが、畠中さんが「励まされる気持ちになる」と話されていたのも、そういう部分に関係しているのでしょうか?

畠中:そうですね。やっぱり、どんなに頑張っていても、虚勢を張っても、ボロボロになる時ってあるじゃないですか。いろいろと考えすぎてしまって、結局怖くなったり、自分で自分を止めてしまう瞬間っていうのもある。そういう時に「本当は何が好きなの? 何が楽しいの?」って自分自身に問いかけたら、やっぱりそこに向かいたい気持ちがあるんですよね。でも、現実的に物事を考える大人たちから「それはどうなの?」って言われると、不安になったりして……。

──学生時代なんかは、特にそういうことが多いですよね。ただ、もちろん年齢やライフステージに関わらず、その時々にいろいろなことがあって。

山下:うんうん。そう思います。

畠中:だからこそ、〈駄⽬だと思考が⾔っても気にするな 君が横にいれば go ahead !!〉というメッセージがすごく響く。僕もひとりでアーティスト活動をしていると、不安になることが多くて……。

山下:意外!

畠中:めちゃくちゃ不安になりますよ(笑)。どうやったら僕は、ステージでみんなを楽しませることができるのか、どうすればいいのか、すごく考えちゃうんですよ。正直。でも(バースデーライブで)ふたりで歌った時は、その不安がまったくなかったんですよね。なんだろうなあ……「ライブって楽しいよね」って思いながらも、どこかで「でもちょっと怖いかも」っていう気持ちが勝ることもあったんですけど、それが完全になくなって、「楽しい!」が勝る瞬間があったんです。本当に、心が軽やかになる感覚でしたね。

──ひとりじゃなくてふたりというのは、この曲のテーマにも重なりますね。

畠中:そうそう。この歌詞の中には、そういうものが詰まっていて。誰かと何かを共有できるって、すごく励まされることだなって改めて思いましたね。何かを一人で考え込んでしまうことはよくあるんですけど、単純に「楽しい!」って気持ちだけで乗り切れる瞬間って、実はたくさんあるんですよね。この曲の歌詞を歌っていて、そういうことに気づかされました。

──先ほど山下さんから「意外!」が飛び出していましたが、畠中さんは不安を感じることが多いんですね。

畠中:もう常に感じているかもしれないです(笑)。

山下:でも言われてみたら、常に一生懸命で、そういう瞬間があるのかなって。でも、それが良いんですよね。そういうところがあるからこそ、あれだけ全力で歌えるんじゃないかなって思いますね。

畠中:常にそんな感じです。結局、不安だからこそ頑張るし、不安だからこそ「どうしよう」って悩んでしまう。でも、そういう姿をはたから見て「頑張ってるな」って思ってくれる人がいるのは、すごくありがたいなと思いますね。

山下:全力でやれるって、めちゃくちゃ良いこと。素敵なことですよね。そうやって全力で取り組める人って、実はそこまで多くないと思うんです。

畠中:ああ……。

山下:みんな、どこかで「ここまでにしておこう」とか、「これ以上はやらなくてもいいかな」ってセーブしちゃうところがある。でも、畠中くんはそれをしない。これまでの芸歴も長いのに、今でも全力で突き進めるっていうのはやっぱりすごいことだと思います。なんか……「これだぞ?」って言いたい(笑)。

畠中:いやいや、それはもうお互い様ですよね(笑)。だって、山下さんもそうでしょ? どんなに大変でも、ステージに立ったら楽しくなっちゃうし、夢中になって打ち込んでいると、結果的に「まあいっか!」ってなる瞬間って絶対ありますよね?

山下:はい、あります(笑)。もうその瞬間「明日死んでも後悔しないように生きよう!」みたいな気持ち(笑)。全力でやっちゃうんだよね。

畠中:そう、それをはたから見てると(優しい声色で)「大丈夫?」ってなるんですよ(笑)。燃え尽きない!?みたいな気持ちに。

──畠中さんがお母さんのように(笑)。

山下:あはははは。でも、人のことは冷静に見られるけど、自分も……っていう。

畠中:そうそう(笑)。自分もそうなってる瞬間が絶対あるんですよね。でも結局、それがやりがいになってるんだよね。

山下:うんうん。そこがやりがいなんだよね!

畠中:そうなんですよ。結果的に、日常生活で抱えている不安や恐怖なんて、「結果関係ないんだけどね!」ってなるんです。楽しい!って気持ちに浸った瞬間、それまでの悩みとか全部吹っ飛ぶんですよね。

山下:そうだよね。全部、どっかになくなっちゃうもんね。

畠中:で、そういう感覚があるからこそ、何かを作るときの原動力になるし、頭で考えたものなんて結局関係なくなることが多いんですよね。

山下:常にそうありたいなとは思ってやってるところはあるかもしれない。結局、キャラクターだったり作品に僕らって引っ張ってもらってるんですよね。そのおかげだなって思います。

畠中:確かに。

山下:作品やキャラクターに携わっているときは、自分の悩みやうじうじした部分が消えて、「無敵」な気がしちゃう(笑)。お互いに同じような感覚があるんだろうなって思っています。

──“アーティスト・山下大輝”も、同じように曲に向き合っているんでしょうか。

山下:そうですね。シンプルに言うと、「アーティスト・山下大輝」っていう肩書きは、いわば名刺みたいなものだと思ってるんです。「アーティスト・山下大輝です」っていう表現はあくまで外側に見えるもの。でも、やっていること自体は、それほど変わらないんですよね。

僕が演じるキャラクターたちがいるのと同じように、楽曲もまた一つの世界として存在している。キャラクターと同じく、曲にもいろいろな顔があって。だから、歌うときも「この曲にはどんな物語があるんだろう?」って考えながら向き合ってるんです。例えば、どんな時代の話なのか、ファンタジーなのか、現代なのか……そういうことを考えるのって、キャラクターを演じるときと同じ感覚なんです。特にデジタルシングルとして出しているファンタジー系の楽曲は、その世界観を作り込んで歌う意識が強いですね。

だから……「アーティストとしての自分はどうあるべきか?」って悩んだ時期もあったんですけど、最終的には「自分が演じてきたキャラクターたちも、自分自身の一部なんだから、それを生かして歌えばいいじゃん!」って思えるようになって。すごく楽に歌える。

──つまり、「アーティスト・山下大輝」と「人間・山下大輝」は、すごく近い存在なんですね。

山下:うん、それでいいかなと思ってます。結局、僕が一番自然に歌える方法が「キャラクターを演じるように曲と向き合うこと」だったので。自分なりの歌を見つけなきゃいけない! みたいに考えていた時期もあったんですけど、それよりも「この曲のはどんな感じかな?」って考えたほうが、自由に歌えるんですよね。

──そういう向き合い方にたどり着いてからは、迷いがなくなった?

山下:そうですね。迷いがなくなりました。もちろん、技術的にはまだまだ高めたい部分はありますけど、メンタルの部分ではすごく楽になりました。だから、もし僕の歌を聴いて、「山下大輝らしいな」「すごく良い曲だな」って思ってくれたら、それはすごく嬉しいですね。

──歌を通してさまざまな挑戦をされてこられていますが、以前お話を伺ったときよりも、歌もなんだかすごく自然体な印象を受けます。そういうことも関係されているのでしょうか?

山下:ああ、確かにそうかもしれないですね。最近、いろいろな意味でレコーディングにも慣れてきたというのが大きいかもしれません。実は、ずっと“耳中”、つまりはヘッドホンの音量調節が苦手すぎて(笑)。

畠中:そうだったんだ!

山下:そう(笑)。アフレコって基本的に生の声を聞いて演じるので、録音された自分の声をヘッドホンで聴くのが最初はすごく違和感だったんです。どのくらいの音量が一番自然に聞こえるのかもよくわからなくて、いろいろ試してました。

「この音量でいいのかな?」と思って調整しても、なんか違う気がする……とか、「この設定が正解なのか? いや、やっぱり違う!」みたいな感じで(笑)。いろいろな人のアドバイスを試してみたりもしましたけど、結局しっくりこなくて。

──それが最近しっくりくるようになったんですか?

山下:そうなんです! ここ1〜2年くらいかけて、「このくらいのバランスがベストかな」っていうのがようやく見つかったんですよね。もう完全に「このぐらい」っていうのが決まってて、例えば片耳のヘッドホンを少し外すとか、音量を半分くらいにするとか……。だから、ほぼ生音に近い。結局そこに落ち着く。そしたら、すっごく歌いやすくなって。

畠中:わかるわ〜!

──山下さん、ライブのときもよくイヤモニをはずされていますよね。

山下:そう、イヤモニが苦手なんです(笑)。会場が大きすぎる場合はイヤモニをつけていないと難しいので必須なのですが、ころがし(モニタースピーカーのこと)でできるような場所では、それでやりたいなって気持ちがあります。逆の人もいるとは思うんですよね。イヤモニがあったほうがやりやすいって人も。ただ、イヤモニをすると僕は壁ができちゃう気がして……。

──畠中さんが頷かれていますが、共感するところが?

畠中:そうですね。僕も片耳を外すことがあります。もうひとつの耳のほうが半分だけ浮かしたりして、ただ俺の場合は、ダンス・ミュージックだから、完全にはずしてしまうとリズムがずれてしまう危険性があるんですよね。だから基本的にはイヤモニをつけていますね。逆にころがしで歌った経験ってないんですよね。

山下:えーっ! 意外!

畠中:だからころがしで歌ってみたい!

山下:めちゃくちゃ聴いてみたいなあ〜。絶対良いと思う。

畠中:アコースティックで歌うこともほぼないし、ずっとクリックを聴きながら踊って歌ってきたので……だから、実は舞台に立ってるときって冷静なんですよね。

山下:それはすごい、めちゃくちゃ難しいことだもん。それって、歌とはまた違う技術が必要だと思うから。

畠中:改めて気づきました。いわゆる“歌って踊る”世の中のアーティストさんたちが、あんなに軽やかに魅せられるって、めちゃくちゃすごいことだなって。化け物だよ、っていうくらい(笑)。

山下:わかる……!

──おふたりも、それこそ化け物級にめちゃくちゃすごいんですが……(笑)。

畠中:僕はまだまだですよ。アコースティックの話に戻りますが、僕はアコースティックでの山下さんの歌声がすごく好きで。カチカチっと決まっているものより、楽器と一緒に、能動的に泳げる環境で聴きたいなって。感性のまま泳いでいる、その繊細な歌声もたまらないんですよね。

山下:嬉しいなあ。

──今回の曲も、ふたりが目を合わせながら自由に歌っている姿が思い浮かびました。5月4日(日) 山下大輝 × 畠中祐 LIVE 2025 “Share”(東京・LINE CUBE SHIBUYA)も控えています。

山下:まだ細かい部分は詰めている最中なんです。いま言えることとしては「楽しみにしててください!」ということですね(笑)。でもふたりで歌う姿が想像できるというか……早く歌いたい。マジで、Dメロを皆さんに覚えてほしいです。覚えてもらえるかな?(笑) 結構歌詞の量が多いですけど……。

畠中:〈⻩昏 思い出の影 さよならいつか 頂上 ⾒渡してさ〉……結構ちゃんと歌詞ありますね(笑)。

山下:当日、MVを一分出したりしながら、何かしら皆さんが歌いやすいように工夫したいな。そこはあとで相談しようと思います(笑)。

自分が楽しいと思えることを大事にしてほしい

──「Go ahead!」のジャケットやMVのイラストはゆりぼうさんが、動画編集はこれまで山下さんのミュージックビデオを数々手がけてきたえむめろさんが担当されてますね。

山下:もうさすが!な完成度でした。素晴らしいです。で、ジャケットやMVのビジュアルも、楽曲の世界観にしっかり寄り添ったものになってるんですよね。

僕の中にイメージがあったので、それをゆりぼうさんに伝えて、ジャケットやMVの構成についても話し合いました。結果的にほぼそのままの形で具現化してくれて、さらにえむめろさんが素晴らしい形に編集してくださり……。本当に感謝しかないです。“らしさ”全開でありがてぇ!って思いました。特に色の使い方が印象的です。

ジャケットにはいくつか案があったんですけど、最終的に選んだのは「拳を合わせて前に進んでいる2人」というデザインで。ジャケットやMVの色合いも、そうした楽曲のテーマに寄り添ったものになっています。

──歌詞の中にも群青とオレンジという、色が出てきますよね。実際におふたりが好きないろなのでしょうか?

山下:というより、楽曲のイメージですね。今回の曲は、聴いてくれる人それぞれに当てはまってほしいなって思っていて。例えば、僕たちふたりが「陽×陽」だとちょっと強すぎるんですよ(笑)。もちろん本人たちは明るいタイプかもしれないですけど、曲の中の物語としては、お互いの足りない部分を補い合う関係性のほうが、よりドラマチックになると思っていて。やっぱり、全員が全員ポジティブではないと思うんです。みんながみんな、運動部じゃねぇよと(笑)。それで群青とオレンジという色を選択したんです。

でも、もうひとりのタイプも、別にネガティブというわけではなくて……ものすっごくわかりやすくいうと、パッションタイプとインテリタイプというか(笑)。ふたりともそれぞれ自分の世界を持っている。そんなふたりが合わさると、すごく良いパートナー的な存在になる、見えない世界までいける。いろいろな人が「自分のことかもしれない」って思える曲になればいいなと思っています。

──さきほど山下さんもネットに関することに言及されていましたが、SNSが発展した今、人によってはしんどい学生もいると思うんです。楽しいという気持ちを優先してほしいけれど、失敗ができないというか……。

山下:難しい社会ですよね。僕らの時代にはないような悩みもあるだろうなって。逆にそのあたりは、僕は想像しかできないので、どういう悩みがあるのか聞きたいくらいなんですよ。きっと今の世代ならではの悩みがあるだろうなと……。

畠中:あると思いますよ。これだけSNSが発展している世の中ですから。

山下:でも、どんな環境にいても、自分の好きなものだけは見失わないでほしいなって思います。自分が楽しいと思えることを大事にしてほしいですね。

インタビュー・逆井マリ

Music Video情報

「Go ahead!」Music Video
イラスト:ゆりぼう
動画編集:えむめろ

山下大輝 × 畠中祐 配信リリース情報

デジタルシングル「Go ahead!」
作詞・作曲:SIRA
編曲:松本良喜
ジャケットイラスト:ゆりぼう

各プラットフォームで好評配信中!
https://a-sketch-inc.lnk.to/go_ahead

ライブ情報

<山下大輝 × 畠中祐 LIVE 2025 "Share">
日程:2025年5月4日(日) OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京・LINE CUBE SHIBUYA
価格:¥9,500 (税込) ※全席指定
お問い合わせ先:SOGO TOKYO 03-3405-9999

<一般発売>
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/yamashita-hatanaka25/
ローソンチケット:https://l-tike.com/yamashita-hatanaka25/
イープラス:https://eplus.jp/yamashita-hatanaka25/

イベント情報

Daiki Yamashita 2025 DAIKING FanMeating "ソルト&ペッパー"
日程:2025年4月13日(日)
[昼公演] 開場13:00 / 開演14:00
[夜公演] 開場17:00 / 開演18:00
会場:東京:大手町三井ホール
価格:¥8,800 (税込) ※全席指定
お問い合わせ先:SOGO TOKYO 03-3405-9999

HP・SNS

山下大輝 公式HP:https://yamashitadaiki.com/
MEMBER’S CLUB「DAIKING」:https://daiking.yamashitadaiki.com
山下大輝 MUSIC STAFF X:https://x.com/daiking_staff
畠中祐 公式HP:https://www.lantis.jp/artist/hatanakatasuku/
畠中祐 official X:https://x.com/tasuku_kenpro

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