【第12回】水道橋『インド富士子』のポークビンダルーは控えめだけど主張が強い末っ子みたいなカレー
クセのある激ウマカレー「ポークビンダルー」に絶賛ドハマり中の私(サンジュン)は、読者の方からお寄せいただいた情報を元にポークビンダルを食べまくっている。いや、ポークビンダルはマジでウマい。
だがしかし、同じ「ポークビンダルー」であるにもかかわらずお店によって味わいは実に様々。そういう意味で軽く迷宮入りしている私が今回訪れたのは、水道橋の『インド富士子』である。
・ポークビンダルーとは?
まずはざっと「ポークビンダルー」について説明しておきたい。ポークビンダルーとはインドのゴア地方発祥のカレーで、当時の宗主国「ポルトガル」の影響を受けているとされている。
最大の特徴は酢(ワインビネガー)を使用していることで、簡単に言えば “すっぱからいカレー” だ。その味わいはとてつもない中毒性があり、こうして記事を書いている今でも思い出すとヨダレが止まらない。
どうかこの素晴らしきカレーを多くの人に知って欲しい! ポークビンダルーは本当に美味しいから!! もし美味しいポークビンダルーをご存じの方は、ぜひこちらから情報をお寄せください。
・12食目
さて、ここでこれまで食べて来たポークビンダルーを振り返っておこう。
東京駅「エリックサウス」
酸味は弱めでニンニクがガツンとインパクト系。ポークビンダルーはレギュラーメニューではない。
渋谷「ポークビンダルー食べる副大統領」
強めの酸味。ビネガーキレキレ系のポークビンダルー。
高円寺「くじら」
突き抜ける酸味と辛さ。高円寺らしさ全開の尖ったポークビンダルー。
中野「レインボウスパイス」
まろやかな酸味と強い旨味。誰が食べても絶対に美味しいビギナー向きのポークビンダルー。
代々木公園「スパイスポスト」
とてもとても淡い酸味と辛味。まるで聖母のような優しいポークビンダルー。
高円寺「negombo33」
まるでフルーツのような爽やかな酸味。現在のところポークビンダルーのド真ん中的な位置づけ。
末広町「モチヅキカレー」
辛さ控えめ & 主張の強いスパイス。思い出すだけでヨダレが出そうな酸味しっかり系ポークビンダルー。
大塚「カッチャルバッチャル」
信じ難いほど芳醇なスパイス。まるでオーラをまとったかのような甘酸っぱいポークビンダルー(レギュラーメニューではない)。
中野坂上『SpiceCurry FIFTY』
ほど良い酸味に加え、独特のビターな風味が特徴的なポークビンダルー。ダルとの相性も抜群。
西荻窪「カレーショップ フェンネル」
やわらかな酸味とまろやかな口当たり。それでいてメッチャ辛くて肉が美味しいポークビンダルー。
下板橋「八仙花」
強めの酸味と辛味に加えて、クセのあるスパイス。ポークビンダルーの中でも中毒性がすごい。
ポークビンダルーは超メジャーなカレーではないため、情報を入手するのがやや困難。なので上記のお店のいくつかは、訪れたお店の方に「美味しいポークビンダルーのお店を知りませんか?」と伺ったものである。
・水道橋へ
今回訪れた『インド富士子』も西荻窪「フェンネル」の方から教えてもらったお店で、何でも昼はカレーの『インド冨士子』で、夜はお酒が楽しめる『ムンド不二』として営業しているそうだ。
私が訪れたのは平日の13時頃。お店はやや辺ぴな場所にあったが、それでもお客さんは8割ほど埋まっていた。お店はお洒落な造りになっており、女性客が多かったのも印象的であった。
・2種類から
で、注文したのは「2種類」で価格は1300円。ポークビンダルー単体でも注文は不可だったため「ダルカレー(豆のカレー)」とのセットをオーダーした。
待つこと数分でやってきたのは、インドスタイルのカレー。ライスの上のはパパド(薄焼きのせんべい)がのっており、アチャール(付け合わせ)も3種類が並んでいる。
さっそく食べてみると……うむ、ウマい。ド派手というよりは、ジワジワくるタイプの酸味と辛味で、特に辛味の主張はかなり強い。さすが、この日あった4種類のカレーで最辛とされていただけある。
また口当たりはまろやかで、過去のお店だと紹介いただいた「フェンネル」と最も近いのではないだろうか? 食べ続けるうちに辛さが増してくる“時限性”のあるポークビンダルーだ。
ただそれも優しい味わいの「ダルカレー」を挟むことでコントロールが可能。ダルで口をリセットしたら、また新鮮にポークビンダルが食べられる。もちろん混ぜてもウマかった。
・控えめだけど主張も強い
総じて『インド冨士子』のポークビンダルーは、控えめかと思いきや後からジワジワ来る辛さが印象的であった。辛さに関しては激辛まで行かずとも「大辛+」くらいはあるのではないだろうか?
なお、食後にいただいたチャイ(300円)も激ウマだったので、チャイが好きな方にはぜひオススメしたい。非常に雰囲気のいいお店なので、興味がある方はぜひ水道橋までどうぞ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 インド富士子
住所 東京都千代田区神田猿楽町2-7-11 ハマダビルヂング 2F
時間 12:00~14:00(夜のムンド不二は18時から営業)
定休日 月土日祝
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.