詐欺被害防止へ高齢者に呼び掛け 年金支給日に自動車学校で 名張署
三重県警名張署は年金支給日の6月14日、なばり自動車学校(名張市西原町)で開かれた高齢者講習の受講者を対象に、特殊詐欺などの被害防止に向けた啓発活動を実施した。
年金は原則、偶数月の15日に支払われるが、土日や祝日の場合は直前の平日に振り込まれる。これまでは商業施設前などで年金支給日に合わせて啓発活動を実施していたが、高齢者を狙った特殊詐欺の被害額が増加していることを受け、今回は同学校の協力を得て、高齢者が集まる講習の場で実施することにした。
この日、署員2人と名張地区防犯協会の職員1人が訪問。70代と80代の高齢者計9人に、啓発グッズのセットを配布するなどして注意を呼び掛けた。
同署は、サポート詐欺の手口を模擬体験できるパソコンを会場に設置。広告画像をクリックすると、「警告」や「脅威」の表示とともにアラームが鳴り、「サポートに連絡」などと電話をかけるよう誘導する画面が映し出された。実演した署員は「ウイルスもハッカーも、全部でたらめ。信用して大切な財産を取られている人が全国で増えている。驚かず、パソコンの電源を落として」と呼び掛けた。
会場には、同学校が同署の協力・監修で制作した啓発ポスターも登場。架空料金請求詐欺、還付金詐欺、リフォーム詐欺の手口を取り上げ、防止策も紹介している。同学校の高齢者講習は年間約4000人が受講しているといい、今後もポスターなどを通じて受講者に注意を呼び掛けていく。
同署によると、管内では今年に入ってから5月末までに特殊詐欺が7件確認されており、被害額は計約520万円。SNS型投資詐欺とロマンス詐欺は、4月末までに計10件、被害額は約5220万円に上っている。