「予想以上の減速」として危機感を募らせていた「グッチ」がサバト・デ・サルノの退任を発表
「グッチ(GUCCI)」は2月6日、サバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)がクリエイティブ・ディレクターを退任したと発表した。サバト・デ・サルノは39歳で2023年9月のミラノコレクションで華々しいデビューを飾ったものの、結果を残すことができず、2月25日に開催される2025年秋冬コレクションのショーを待たずに退任となった。就任からわずか2年足らずだった。
サバト・デ・サルノは、2005年に「プラダ(PRADA)」でキャリアをスタートして、「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)」や「ヴァレンティノ(Valentino)」といったトップブランドを渡り歩いてきた。アレクサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)の後任として「グッチ」のクリエイティブ・ディレクターに就任すると、これまでの路線とは一線を画す「エレガンス・ラグジュアリー&モダン・クラシック」へとブランドを回帰。
だが、中国における市況の低迷も相まって、ケリング(Kering)の主軸ブランドである「グッチ」は低迷し、2024年12月期の第3四半期決算の売上高は前年同期比で26%減となる16億4100万ユーロ(約6291億円*)と大幅な減収だった。この結果に対して、ケリングは「予想以上の減速」だったとして、危機感を募らせていた。
「グッチ」の新しいアーティスティックディレクターは後日発表するとしているが、「セリーヌ(CELINE)」を退任したエディ・スリマン(Hedi Slimane)や「ディオール(Dior)」を退任したキム・ジョーンズ(Kim Jones)などの名前がすでに取り沙汰されている。新生「グッチ」は今後、どういった路線を歩んでいくのか、大いに注目したい。
*1ユーロ=164円換算(2024年10月24日決算発表時)