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「孤独のグルメ」原作者「久住昌之さん」(三鷹市出身&在住)登場!

TBSラジオ

東京の多摩地域にお住まいの方、出身の方もそれ以外の方にも一緒に楽しもうという番組。
MCは土屋礼央さん(国分寺市出身)&林家つる子さん(八王子市の大学出身)。

今週の放送は、現在映画も大ヒット上映中の「孤独のグルメ」の原作者、「久住昌之さん」(三鷹市出身)。生まれ育ちも、そして現在も三鷹市在住という久住さんは、ご自身がおっしゃるようにまさに“三多摩原人”。今週は

「孤独のグルメ」原作者「久住昌之さん」(三鷹市出身&在住)登場!

土屋:今週のゲストのご紹介です、マンガ家・ミュージシャンの「久住昌之さん」です! よろしくお願いします。

久住さん:どうもよろしくお願いします。

つる子:嬉しい!

土屋:まずはつる子さん、久住さんのプロフィールのご紹介をお願いします。

つる子:はい。久住 昌之さんは1981年にマンガ家としてデビュー。多数の作品を世に送り出し、谷口ジローさんと組んで描いたマンガ「孤独のグルメ」はTVドラマ化もされ、大ヒット。今年1月には、劇場版「孤独のグルメ」が公開されています。また、ミュージシャンとしてご活躍中です。そして、多摩地域の三鷹市出身、かつ現在も三鷹市在住、生粋の「多摩人」、いや、去年、文庫化された自伝的エッセイに寄せて言いますと、『 東京都三多摩原人 』でいらっしゃいます。

土屋:ここにいる林家つる子さんが、「つる孤のグルメ」というYouTubeをやりだして。

久住さん:そうなんですか。

土屋:著作権の関係で・・・

久住さん:いえいえ、全然やってください(笑)。

つる子:いいんですか!?ありがとうございます!!

土屋:いいんですかの前にやり始めているから(笑)。

久住さん:(笑)。

つる子:もう大好きで!

土屋:「孤独のグルメ」の後ろでかかっている音楽も・・・

久住さん:はい、僕らがやっております。もうね、300曲以上も作りましたね。毎シーズン30曲から40曲作っているので。

つる子:あの音楽がまた引き立てるんですよ!

土屋:♪ゴロォ~ の所を、つる子さんはどうしているんだっけ?

つる子:♪つるぅ~

久住さん:そうなんだ(笑)。

「孤独のグルメを描いたのは30年前。広がるのに時間がかかり過ぎだろって(笑)」(久住さん)

土屋:「孤独のグルメ」のことをお伺いしたんですが。実は僕がTBSラジオの他の番組で、松重豊さんが劇場版「孤独のグルメ」の宣伝でゲストに来てくださって。久住さんは劇場版はご覧になりました?

久住さん:もちろん見ました、中のこともやっているので。0号試写から見て。新宿の映画館にもドキドキしながら、お客さん入っているかなって思って(笑)。

土屋:こんな感じで「孤独のグルメ」が広がっていくのはどういうお気持ちですか?

久住さん:僕が最初にマンガを描いたのって30年前なんで、もうあんまりよく覚えてないですよね。広がるって言ったって時間がかかり過ぎだろうって(笑)。まあ、ありがたいことですよ。

現在も三鷹在住の久住さん「都心は何かあって行く所、住む所ではない」

土屋:そんな久住さんですが、三鷹市の出身で、現在も三鷹で。

久住さん:そうです。

土屋:ずっと同じ家ですか?

久住さん:「三鷹」の中で2回、引っ越したかな。今はマンションに住んでます。

土屋:大人になって、仕事とのことを考えてもうちょっと都心に移動してみようかなという思いは無かったですか?

久住さん:都心は無かったですね。都心じゃない方ならありかなと思ったけど。都心は何かあって行く所という感じで、住む所ではないんじゃないかなって。多摩人は、あんな所に住むのが怖いんだよ、火が怖いみたいに(笑)。地下鉄が怖いみたいに、土の中を走ってる~みたいに(笑)。

つる子:(笑)。

土屋:多摩を“都下”って言われると、都下は大江戸線だろ!って憤っていたんですよ。久住さんは23区に対抗心みたいなものは・・・

久住さん:全然無いです。

土屋:僕なんてガキンチョなんで23区に対してキャンキャン言っているんですよ。

久住さん:「西東京市」なんて出来た時は“恥ずかしいなあ~”って思ったもん、やめてよ~って(笑)。

つる子:(笑)。

土屋:新幹線のチケットで、そのまま最寄り駅まで帰れないことに憤りは無かったですか?

久住さん:無いです。え、そんなのあったの!?

土屋:最寄りの「国分寺駅」に帰るのに、「中央線」で西荻窪駅以降に行くときに新幹線の切符で乗り越しの運賃を払わなければならないことが、“同じ東京都民なのに!”って悔しさを感じていたんですよ。

久住さん:まあ、いいじゃない。そこがいい感じ。

つる子:逆に。

久住さん:“新幹線の切符でそのまま降りてやんの、かっこわり~”って(笑)。

土屋:ああ! こういうことだね! これがスマート多摩人だね!

久住さん:そんなことないよ、負け惜しみなんじゃないかな(笑)。

つる子:素敵です(笑)。

「あ、三多摩ってものすごくローカルなんだって」(久住さん)

土屋:自分が多摩に住んでいるんだというのを意識したのは?

久住さん:僕は中学のときにバスケットボールをやっていたんですよ。三多摩大会なんですよね。三多摩大会と、23区の都大会があって、勝った者同士で東京代表になるという。

土屋:今は『東東京大会』『西東京大会』ですけど。

久住さん:それを大学時代に言っても、地方の人は誰もわからない時に、“あ、三多摩ってものすごいローカルな名前なんだ”って。それまでは普通のことだと思っていて。“そういえば、地図に三多摩って書いてないな”って。

土屋:三多摩って言葉は地名に無いんですよね。

久住さん:19歳の時に、はっきりと“三多摩人なんだ”って、無自覚な。無自覚なってところが、“原人”なんですね。

土屋:ああ、なるほど!

久住さん:両方を等角に見ることが出来ない。

つる子:(笑)。

土屋:久住さんの「三多摩原人」という本にも書いてあったんですけど、小学校の授業で学校の先生が<三鷹は東京のベッドタウンです>って・・・

久住さん:そうです、すごい覚えているんです。うちにベッドは無かったけどね(笑)。シャレた言葉を使いやがったなと思いはしましたけど、すごい覚えていて。都心で働いて、三鷹は寝る所なんだって。だから三鷹には新宿のようなデパートが何も無いベッドタウンなんだなって。

土屋:今は「三鷹駅」も南口の方は都会にもなりましたけど。久住さんがお生まれになったのはどの辺ですか?

久住さん:「上連雀」という所で。

土屋:電車が全然走ってないですね。

久住さん:無いです。「三鷹駅」から子供の足で20分くらいの場所で。まだ周りにキャベツ畑がありましたよ。雑木林もあったな。クワガタとかカブトムシを捕りましたね。

土屋:今では信じられないけど田舎の風景みたいな所が、三鷹にはしっかりあったということですね。

久住さん:自分の成長と共にどんどん無くなったという。雑木林のようなものは「井の頭公園」と「神代植物園」に管理されたものしか無くなってしまって。

つる子:ああ。

土屋:高度経済成長期の三鷹ですか?

久住さん:そうですね。

自伝的エッセイ本「三多摩原人」を書くきっかけとなった「仙川」

土屋:「三多摩原人」の本で、仙川のことを“ドブ川”と呼んでいて。

久住さん:はい、仙川は“ドブ川”と呼んでいましたね。仙川という立て看板が立つようになったのが高校生くらいで。それまでは何も書いて無かったんですよ。名も無い川で、ドブ川って呼んでいたんですよ。

つる子:(笑)。

土屋:当時は匂いもすごかったみたいですね?

久住さん:野球をして川にボールを落としたりするじゃないですか。それで誰が取りに行くかみたいになるわけですよ。で、取りに行くと、臭いんですよ!

つる子:(笑)。

土屋:そんな「仙川」のことも書いてある「三多摩原人」という本は、久住さんが多摩地域をいろいろと歩いて。

久住さん:そうですね、とにかくいろいろと歩くという。

土屋:クルマの運転はされないんですよね?

久住さん:免許を持ってないので。

土屋:それで歩いて感じたことを書いて行くという。そのきっかけが、仙川を歩いたことだったという。

久住さん:そうですね。昔、子供時代に歩こうとして歩けなかったというのがあるので。そこを大人の足で歩いてみようと思ってずっと歩いて行ったんですね。とりあえず、そこから始まりましたね

つる子:へえ。

土屋:何日間で歩くとか決めていたんですか?

久住さん:いえ、決めてなくて。締切が・・・(笑)。

つる子:(笑)。

久住さん:だいたいそうなんですよ。

土屋:僕なんて締切の日に歩き出すタイプですよ(笑)。

久住さん:食べ歩きも、<よく食べ歩いているんでしょ?>って言われるんだけど、締切が来ると頑張って店を探すという(笑)。

つる子:(笑)。

久住さん:締切が無かったら近所の同じ店でばかり食べてますよ。

つる子:ああ(笑)。

土屋:「仙川」は上って行ったんですか?

久住さん:上ったんですね。それで面白いのが、今こういう時代だから暗渠が現れて見失ったりするんですね。仙川がどこにあるのかわからないという。

つる子:はいはい。

久住さん:それを調べないで歩いて行って、<あった!>ってなって。

つる子:(笑)。

土屋:普通だったら調べて、仙川が出てくる所に行こうとするのに。こっちの方かな、という感じで歩かれて。そしたらたまたま出会えた、と。

久住さん:おお!って(笑)。でも、その時すごく嬉しいんですよ! “あったという確認”より、“あったという発見”なんで。そこに何も書いて無かったら少し探して、見つけて、ほら~!って(笑)。

つる子:嬉しさが倍増しますね(笑)。

土屋:その喜びが文章に表れていて。仙川沿いを歩かれていて、自分の中で感じた思い出とかありますか?

久住さん:全然違う三多摩を歩いているのに子供の頃のいろんなことを思い出すというのは、今回の一番の収穫でしたね。

土屋:学生時代は仙川に近い所に住んでいらっしゃったんですか

久住さん:いえ、全然そんなことは無いんですよ。仙川を外れて、どんどん違う所を歩いて行きますよね。それでもなぜかいろんなことを思い出すんですよね。

つる子:へえ。

土屋:あの記憶が詳細に本に書かれていて。景色を見てそんなに明確に思い出すものですか?

久住さん:思い出すんですよ、ほんとに。高校生の時に、盲腸で八王子のびょうに入った時のことなんて、ずっとそんなことを思い出さなかったのに。ああ、そういえば病室がコの字型になっていて。その後、調べてみても全然わかんないんだよね、ここじゃないかっていうのはあるんだけど。

土屋:ああ、なるほど。

久住さん:結局、わかんないだけど。その時の、隣にいたちょっと年上のヤツがしょっちゅう電話しているのとか(笑)。まだケータイが無いから。

つる子:ああ。

久住さん:足の骨を折っていて。夜になると彼女に電話しているの(笑)。

つる子:いいですねえ(笑)。

久住さん:どうでもいい話をしていて(笑)。そういうの忘れられないよね。

土屋:それを書こうとして歩くのではなくて歩くと思い出した、みたいな。足で歩くというのが大事なんだなって。

久住さん:そうだね。

久住さん、「ICU」の女の子との思い出

土屋:そして、仙川沿いを歩いた後は国分寺崖線も。かつて、多摩川が流れていた時に出来た崖。

久住さん:あそこはなかなか面白いですよね。今までも部分的には出会った事はあるし。三鷹市だったら大沢とか。国分寺崖線というくらいだから、小金井とか国分寺にあるじゃないですか。今は全部きれいに住宅街になっていて。その上の方がちょっと高そうだなって(笑)。そういう大人の目線が表れて(笑)。

つる子:(笑)。

土屋:そういう崖は、子供の頃は遊んだりしてましたか?

久住さん:遊びました! 今、三鷹にある「国立天文台」とか「ICU」に崖があって。今だったらあぶないだろうというくらい赤土が剥き出しで。そこを降りたりしてましたね。

つる子:(笑)。

久住さん:あれ、10mくらいあるでしょ。

土屋:今だったら絶対ダメだみたいな所を。子供の頃ってよく考えたら危ないことばっかりしてましたよね!

久住さん:危なかったよ~。

土屋:その久住さんの本を読んで驚いたんですけど、その公園がICUのゴルフ場だったとか。すごい敷地ですね。

久住さん:そうですね。牧場も持っていたとかね。

つる子:へえ!

土屋:でも、久住さんはその中に入っているんですよね! なぜですか?

久住さん:高校生の時に仲が良かった女の子のお父さんが、ICU牧場で働いていて。牧場が無くなったからICUの中で働いていて敷地の中に住んでいたんですよね。ICUファミリーとして。その頃はICUはそれほど知られてなくて。帰国子女が多くてね。

つる子:はい。

久住さん:そのあと、村上春樹の小説を読んで、いつ頃フリスビーをやったみたいなことが書いてあって、そんなの後じゃん!って思って(笑)。

つる子:(笑)。

久住さん:なんか、ICUをカッコいいなと思ってんな、コイツ!と思って(笑)。かぶれているなって思って。

土屋:その女性とはけっこう関係が深いみたいな・・・

久住さん:関係が深いといっても高校生だからね。たかがしれたもんだよ(笑)。

つる子:(笑)。

土屋:でも、その後の後日談を読んで、僕は衝撃でしたけどね!

久住さん:そう?

土屋:その女の子とはお別れをするんですよ、その方は結婚されて。その結婚式に久住さんは参列されて。

久住さん:そうだよ、ICUの教会で結婚披露宴をやって。僕ら仲間が呼ばれて。みんなに渡す引き出物を考えてくれって言われて、ええー!?とか思いながら。

土屋:どういうことなんですか?

久住さん:でも全然よかったよ。

つる子:いいんですか(笑)。

土屋:そこは映画「卒業」みたいに教会でガンガンやったりは?

久住さん:やらないよ~(笑)。そうね、そうなったらよかったんだろうね。もっと面白いことができたかもしれないね。全然ダメだったね(笑)。

土屋:この「三多摩原人」には、仙川や国分寺崖線などを歩いて、久住さんのそういう昔のエピソードも書かれていて。

久住さん:そうね、けっこう恥ずかしいことも書いたよね。

「ガイドブックは頭に入らない、歩くと実感がこもって自分の中に入ってくる」(久住さん)

土屋:やっぱり、僕が心を改めないといけないと思ったのが、足を運んで歩くということが温度のある言葉だったりに変わるんですね。

久住さん:なんか、街のありようみたいなのはクルマで行ってもわからないんだよねえ。この前、鈴鹿という町を歩いたんだけど。鈴鹿の町を歩いて、鈴鹿の人の前で、鈴鹿のことを話すという講演があって。

つる子:へえ。

久住さん:だから1日半くらい、鈴鹿の町を歩いて。25キロくらい歩きましたけどね。

つる子:すごい!

久住さん:やっぱり歩くて、お店の感じで<こっちの方は肉が好きだな~>とかね(笑)。名物よりね。

土屋:ああ、はいはい。

久住さん:あと、ちょっと<長屋っぽいのが好きだな>とか(笑)。

つる子:へえ。

久住さん:そういうのが絶対歩くとわかるんですよね。ポイントではわからないというね。

土屋:「三多摩原人」というタイトルの本だから多摩の歴史とかが深く書いてあるのかと思ったら、3行ずつで終わるんですよね。

久住さん:終わるね。

つる子:(笑)。

久住さん:時々ね、歩いていて、ここに昔古墳があったというと、昔の偉い人はここに来るかもしれないな、この辺やるかもみたいな感じがわかったような気がして。それは歩いたからだと思いますね。

つる子:そうですね。

土屋:そうやって歩いて、石碑みたいなのがあって・・・

久住さん:そこに書いてあったりするのを見て、<お、そうなんだ>というのが実感がこもって自分の中に入ってくるので。ガイドブックを読んでも頭にはどうしても入らないんだよね。

つる子:はい。

土屋:だから、三多摩人だから多摩を歩こうではなく、フラットに全国平等に多摩を見ていらっしゃる方なんだなと思って。

久住さん:多摩歩きのやり方で鈴鹿なども歩いているんですよ(笑)。

土屋:だから私にとっては憧れの方です! 僕なんて多摩を贔屓にしか見てないから!

つる子:(笑)。

久住さん:歩いていて、ものすごくトイレに行きたくて公衆トイレに行ったら和式しか無くて。もう・・・ムリ!って思って、歳を感じてね(笑)。

つる子:(笑)。

土屋:本にはそういう写真も載っていて。でも、久住さんの本を読んで、その目線で歩いてみよう、ここのごはんを食べてみたいになりますよね。

つる子:マネしたくなります!

土屋:今週の

久住さん:よろしくお願いします!

つる子:(笑)。

(TBSラジオ『東京042~多摩もりあげ宣言~』より抜粋)

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