【医師監修】朝食べれない子に悩む親必見! 「バナナと水分で朝から対策」Jクラブドクターが教える熱中症予防法
猛暑の夏、毎日のようにサッカーをする子どもの保護者や指導者にとっては、熱中症への心配が絶えませんよね。
今回は、サカイクキャンプで行なっている熱中症対策の中でも特に気を配っている「朝食」についてスポーツドクターに相談。
JリーグいわきFCチームドクターで、東京およびパリオリンピックのサッカー日本代表チームにも帯同経験がある福島理文先生に「熱中症予防のための朝食」を聞いてみました。
(取材:サカイク編集部、菊池健太サカイクキャンプヘッドコーチ、構成:小林博子)
(サカイクキャンプ)
<<Jクラブチームドクターが全項目「正しい」と評価! 夏の熱中症対策の現場実践例
■医師からの「夏の朝食のアドバイス」
(熱中症対策には、まずエネルギー補給が大事。どうしても食べられない子はバナナと水分だけでも)
菊池コーチが福島先生に相談したことは他にもあります。
特に知りたかったのは、夏の朝食についてでした。暑い日、しかも朝となると、朝食が喉を通らない子どもがいるのが夏のキャンプでの悩みだったとか。熱中症対策には朝食をしっかり食べることが重要なだけに、できる限りのことをしてあげたいと考えているそうです。
「これだけ食べればとりあえずOKというものはありますか?」という質問への福島先生の答えは「炭水化物」でした。
その理由は糖質、つまりエネルギー源だから。熱中症対策にフォーカスすると水分や塩分のことを考えがちですが、まずはエネルギーというのが福島先生の見解です。
「昔から良いと言われているバナナは、スポーツ前にはおすすめの食材です。糖質はもちろん、水分とカリウムも摂れるので、筋肉の動きもよくなりますよ。バナナとオレンジジュースの組み合わせもおすすめです。さっぱりと食べられるので夏の朝食にぜひ取り入れてください」
■食材以外の工夫として「時間」も
(サカイクキャンプの食事風景)
そしてもう1つ、「食事時間を長めに取ってあげる」「リラックスして過ごせる環境にしてあげる」ことも有効とのこと。
いつもと違うキャンプの雰囲気やみんなと食べる食堂というだけで、食が進まなくなる子もいるはず。
食べる環境を変えてあげることで、食べられるようになる子もいるかもしれない、とアドバイスをくださいました。
「食事にはエネルギー補給と水分や栄養の摂取のほかにリカバリーの役割も。さらに小学生年代には成長のための栄養摂取という側面もあるからなおさら大事です」と話す福島先生。
加えて睡眠も大切とのこと。暑さ対策で早朝から練習をする場合は、早く就寝できる工夫もしたいところですね。
体は食べたものでできています。当たり前のことですが、栄養補給ができなければ元気も出ないし、熱中症のリスクも高まってしまいます。
大人は環境を整えたり、食事のメニューを工夫することができますが、子ども自身も自分の体への意識を持つことが大事なのです。
■プロチームであるいわきFCの熱中症対策は?
福島先生がみている、いわきFCのトップチームが行なっている熱中症対策の一部も教えてもらいました。
熱中症にならないことはもちろん、パフォーマンスを低下させないために行なっているそうで、大きく分けると「水分補給」「体の冷やし方」があるとのことです。
(写真はイメージです)
水分補給
・水分だけでなく、塩分やカリウム、マグネシウムを摂る
・練習・試合前後で体重測定をして脱水予防
体の冷やし方
・冷たい飲み物で体を内側から冷やす
・サーキュレーターで体に風をかける
・氷嚢や冷たいタオルを配る
・手掌冷却
・全身をアイスバスに入れることも
・ユニフォームや練習着は濡れたら着替えて通気性を確保
■入念な対策で、元気に楽しく最高の夏を過ごそう!
(サカイクキャンプ)
猛暑・酷暑に大人はうんざり気味ですが、子どもたちにとってはワクワクすることが多い夏。健康な体で楽しく過ごせるよう、私たち大人もサポートの頑張りどきです。
サカイクキャンプでは対策をしっかり行い、お子さんたちを安心して預けていただける環境づくりにも力を入れています。