9月10日下水道の日 環境と街守る下水道 茅ヶ崎市「できることを着実に」
下水道には、生活排水や汚水だけでなく、雨水も含まれ、市民の生活環境を守っている。9月10日の「下水道の日」を前に、その役割や茅ヶ崎市の取り組みを、市下水道河川部の担当課に聞いた。
下水道の役割は大きく分けて【1】水洗トイレが使え、街が清潔になるなど衛生的で快適な生活環境を支える【2】生活排水を下水道を通して処理施設に集め、きれいな水にしてから海や川に返すことで水環境を守る【3】雨水を集めて海や川へ流すことで街が水につかるのを防ぐ-の3つとなる。
生活排水と汚水は、公共下水道管を通って柳島の水再生センター(下水処理場)へと集められる。下水の汚物を取り除き、微生物などを活用して目に見えない汚れも分解。最先端の科学技術でさまざまな処理を行って、きれいになった水を海へと放流している。
雨水については、台風や線状降水帯などの大雨による内水氾濫や冠水被害等を防ぐため、前述の下水管とは別に雨水だけを流す「雨水管」が市内に張り巡らされている。
浸水対策いつの時代も
茅ヶ崎市内ではたびたび浸水・冠水などの被害を受けてきた。その対策として、古くは1927(昭和2)年、松尾川の水位調整を図るため、「柳島閘門(こうもん)」=写真左下=という施設が造られた。通常時は扉を開いて水を流し、逆流した際には閉じることで、田畑が水浸しになるのを防ぐために堤防と一緒に築いたものだ。
今では柳島ポンプ場が整備され、最大毎分約1170立方メートルの排出能力を備えた5基のポンプが設置されている。毎分25メートルプール約2杯分の雨水を排出できる換算になる。
大雨による小出川の水位上昇により冠水被害にあってきた小出川右岸沿いの今宿地区と萩園地区の低地部でも、今宿ポンプ場を設置し、雨水を小出川に排出することで、浸水の危険性を減らしている。
本村地区では千ノ川流域で浸水被害が頻発していたことから、上ノ田公園下に雨水調整池を整備。1時間に51ミリの雨が降っても家屋への被害を最小限に防ぐことができる容量の雨水を一時貯留し、ポンプで菱沼雨水幹線に排水する。市担当者は「想定を超える大雨に備え、できることを着実に進めている。下水道管は万能ではないため、油やゴミを流さないで」と呼び掛けている。
楽しみ学べる体験イベントも
神奈川県と(公財)神奈川県下水道公社の共催で、下水道ふれあいまつりが10月19日(土)、柳島しおさい公園で開催される。午前10時〜午後3時。無料。
普段は見ることのできない下水処理場の見学や微生物の観察などの体験ができる。また、ステージイベントやゲーム、飲食ブースの出店もある。
イベントに関する問い合わせは同公社【電話】0463・55・7438へ。
【編集室より】今号から4週にわたって、茅ヶ崎市の「みんなの下水道」を掲載します。