これで完璧!カラッとジューシーな「2度揚げ唐揚げの作り方」とQ&A大全
2度揚げとは二度の工程に分けて食材を揚げること
二度揚げとは、食材を一度揚げて休ませ、少し時間を置いてからもう一度揚げる調理方法です。鶏肉は火が通りにくく、食中毒防止のためによく加熱する必要がありますが、長時間加熱するとパサついてします。
二度揚げは短時間の加熱を繰り返すことで、生焼けやパサつきを防げるのがメリットです。ただし、火の通りやすい小さい薄い食材やえび、いかなどは二度揚げ不要ですよ。
2度揚げでカラッとジューシー。唐揚げ
調理時間:40分
しょうゆ味のシンプルな唐揚げレシピです。二度に分けて揚げることで、じっくり火が通って中はジューシーに、表面はカラッと食感よく仕上がります。下味や衣のつけ方、揚げる際の温度や加熱時間がポイントです。冷めてもしっとりやわらかく、お弁当にもおすすめですよ。
材料(2~3人分)
鶏もも肉:1枚(320~350g)
しょうゆ:大さじ1杯
酒:大さじ1杯
しょうが(すりおろし):大さじ1/2杯
片栗粉:大さじ3杯
薄力粉:大さじ3杯
カラッとジューシー。2度揚げ唐揚げのコツ
火が均一に入るよう、鶏もも肉を同じくらいの大きさに切りそろえる
下味をもみ込んでから15分ほど置き、しっかり味を含ませる
汁気を拭いてから粉をまぶし、衣が重くなるのを防ぐ
一度目は160~170で3~4分うすく色づくまで揚げる
二度目は180~190℃で2分前後こんがり色づくまで揚げる
下味は何分?揚げ温度は何度で何分?唐揚げのタイムテーブル
工程 / 時間
漬け込む(下味) / 15分
一度目の揚げ(160~170℃) / 3~4分
休ませる / 約6分
二度目の揚げ(180~190℃) / 約2分
下ごしらえ
鶏もも肉を約5cm角程度に切りそろえます。鶏もも肉(320~350g)で9~10等分、各30~40gが目安です。
※大きさをそろえると火の通りが均一になり、生焼けや揚げすぎによるパサつきを防げます。
作り方
下味をつけ、衣を用意する
鶏もも肉に酒をやさしくもみ込んで汁気がなくなったら、しょうゆとしょうが(すりおろし)を絞って汁だけを加えます。かるくもみ込み、そのまま15分ほど置きます。
※やさしくもみ込むことで水分が鶏もも肉に入っていき、しばらく置くことで味が全体になじみます。漬けすぎると鶏もも肉の水分が抜けてパサつくのでご注意ください。
薄力粉と片栗粉を泡だて器でよく混ぜます。衣の分量は作業しやすいようやや多めで、少し余ります。
衣をつける
鶏もも肉をキッチンペーパーに並べ、上からもう1枚のキッチンペーパーをのせ、やさしく押さえて汁気を拭きます。
※汁気が多いと衣が調味料を吸って焦げやすくなったり、カリカリに仕上がりにくくなります。
衣を表面全体にしっかりまぶし、余分な粉は落とします。
※鶏皮がある場合は広げて身を包むようにするときれいな形に整い、食感よく仕上がります。余分な粉を落とすことで、かるいサクサクの衣になります。
一度目の揚げ
揚げ油を160~170℃に熱し、鶏もも肉を2~3回に分けて少量ずつ入れます。揚げるたびに網じゃくしで油の汚れをすくっておくときれいな揚げ色になります。
※160~170℃の油は、菜箸を水で濡らしてよく拭き、油鍋に入れたときやや大きめの泡が静かに出てくるのが目安です。低めの温度で火をじっくり通すことで、肉汁を逃がさずジューシーに調理できます。低温すぎると衣がはがれるため、油の温度が下がらないよう鶏もも肉を少しずつ揚げるのがポイントです。
1分半経ったら返し、計3~4分揚げます。衣全体が薄いきつね色になるのが目安です。
※衣がかたまる前に触ると衣がはがれます。1分半経つまで触らず、1分半経ったら底面を菜箸で触って乾いた感触になっていれば返します。
休ませる
網やザルに揚げて6分前後休ませます。
※休ませている間に余熱でしっとり火が通ります。休ませている間に残りを揚げておきましょう。揚げた順番が分かるように分けて並べておくと、二度揚げがスムーズにできます。
二度揚げ
揚げ油を180~190℃に熱し、唐揚げを戻し入れ、表面がこんがり色づくまで2分前後揚げます。揚げている途中で唐揚げを持ち上げて空気に触れさせると表面の水分が飛んでカリッと揚がります。
※180~190℃の油は、菜箸を水で濡らしてよく拭き、油鍋に入れたとき泡が勢いよく出てくるのが目安です。高めの温度で揚げることで、表面の水分を飛ばしてカリッと食感に仕上げます。
油を切る
揚げる音が高くなり、菜箸で持ち上げたときにジジジと振動が伝わってきたら、唐揚げを網やザルに間隔をあけて並べます。粗熱がとれたら皿に盛り付けて完成です。立てるように油を切ると表面が蒸れにくいです。
※唐揚げが熱いうちに重ねたり皿に並べたりすると、蒸気で唐揚げの表面がべちゃっと蒸れてしまいます。間隔をあけてザルや網に並べた状態で熱が落ち着くのを待ちましょう。食べる前にいちばん大きい唐揚げを半分に切り、断面にピンク色や赤色の部分がないか確認してください。
【材料や下ごしらえ】唐揚げのよくある質問
鶏むね肉と鶏もも肉どちらが唐揚げにおすすめですか?
脂っこさのないあっさり味がお好みであれば鶏むね肉、肉汁たっぷりのジューシーな味わいがお好みであれば鶏もも肉がおすすめです。
鶏肉はどのくらいの大きさに切りますか?/1個は何グラムですか?
鶏肉は約5cm角に切ります。鶏もも肉(320~350g)で9~10等分、1個30~40gが目安です。
鶏肉の皮はどうすればよいですか?
皮ありだとよりジューシーに、皮なしだとあっさり仕上がります。脂っこさや鶏皮のぐにゃっとした食感が苦手な場合は、身からはずして調理してください。
ドリップが出ている鶏肉は洗った方がよいですか?
洗わず、キッチンペーパーで両面を挟んで拭いてください。水洗いすると周辺に汁が飛び散って食中毒のリスクを高めるため危険です。
下味にはどんな調味料を使うとよいですか?
基本の調味料のほか、風味を足したい場合はにんにくやごま油、コクを足してやわらかさをアップしたい場合はマヨネーズ、旨味を足したい場合は鶏ガラスープの素がおすすめです。
下味をつけるときはもみ込んだ方がよいですか?
もみ込むことで調味料が鶏肉に入っていきます。短い漬け時間でも味がしっかりなじみますよ。
下味をつけたらどのくらいおけばよいですか?
しょうゆと酒がメインの味付けは15分が目安です。マヨネーズやごま油を入れる場合は30分から1時間、塩麹やしょうゆ麹を使う場合はひと晩漬けましょう。しょうゆと酒メインの味付けの場合、長く漬けると鶏肉の身が締まって食感がかたくなるのでご注意ください。
【衣づけ】唐揚げのよくある質問
衣にする粉は小麦粉、片栗粉、米粉、どれを使うのがよいですか?
お好みの食感と食べるタイミングで選びましょう。小麦粉を使うとしっとり食感で冷めてもやわらかく、片栗粉を使うと揚げたてはサクサク食感になりますが冷めるとべちゃっと油っぽくなります。米粉を使うと薄衣でかるく、冷めてもカリッと食感が味わえますよ。小麦粉と片栗粉のいいとこどりをしたい場合は、ブレンドして使うのがおすすめです。
粉はしっかりまぶした方がよいですか?
粉をしっかりまぶすと存在感のある重たい衣に、余分な粉を払っておくとサクッとかるい薄衣に仕上がります。お好みで粉の量は調整してください。
粉をまぶしたらすぐ揚げた方がよいですか?
お好みの衣によります。まぶしてすぐに揚げると均一な薄衣に、10分ほど置いてから揚げると鶏肉の旨味がなじんで一体感のある厚めの衣に仕上がります。
衣がはがれないようにするにはどうすればよいですか?
低温で揚げると衣がはがれやすいです。揚げ油の温度が下がらないよう鶏肉を一度にたくさん入れない、揚げている間は箸で触りすぎない、などを意識してみましょう。それでもはがれる場合は、粉をまぶしてから10分ほど置き、衣をなじませてから揚げる方法をお試しください。
【油の準備】唐揚げのよくある質問
どんな油を使うとよいですか?
クセの少ないサラダ油や米油がおすすめです。
揚げるのに必要な油の量はどのくらいですか?
鍋底から2.5cm以上の油が目安です。
最適な揚げ油の温度はどのくらいですか?
一度目は160~170℃で3~4分、二度目は180~190℃で1分から1分半揚げると、身はジューシーで衣はサクッと揚がります。
揚げ油の温度はどのように確認すればよいですか?
菜箸の先を水でさっと濡らしてしっかり水気を拭き、油鍋に入れて細かい泡がゆっくり出てくるのが150~160℃、少し大きめの泡が出てくるのが160~170℃、勢いよく泡がたくさん出てくるのが180~190℃の目安です。
【揚げ方】唐揚げのよくある質問
どんな鍋を選んだらよいですか?
深さ10cm程度ある直径16~24cm前後の鍋で、ステンレス、鉄、ホーロー製のものがおすすめです。
揚げるときにフライパンを使ってもよいですか?
フライパンは使用NGです。深さがないフライパンで揚げ物をすると、火が揚げ油に引火するおそれがあります。
一度にどのくらいの量まで揚げてよいですか?
油鍋の大きさによって異なります。鶏肉どうしがくっつかず、すき間ができる量を目安にしてください。直径16cmの鍋では3個が目安です。
油はねしないためにはどうすればよいですか?
粉類で鶏肉をコーティングするように衣をつけましょう。鶏肉の汁気を拭いてから衣をまんべんなくまぶすことで、油はねを最小限にできます。
揚げるときは菜箸で頻繁に動かした方がよいですか?
衣がかたまるまでは動かさずに揚げてください。衣がはがれて油っぽく仕上がるため、揚げ色を確認するとき以外はなるべく触らないようにしましょう。
カラッとした食感にするにはどうすればよいですか?
鶏肉の汁気を拭く、衣を均一にまぶす、揚げ油の温度に気を付けて二度揚げする、などのポイントを意識するとカラッと揚げられます。
揚げ上がりの目安は?/火が通ったの見分け方は?
揚げているときに油の音が高くなる、唐揚げを持ち上げたときに菜箸にジリジリと小さい振動が伝わる、などのサインがあれば火が通っています。食べる前にいちばん大きい唐揚げを半分に切って、断面にピンク色や赤色の部分がないか目で見て確認しましょう。
揚がった後の油の切り方は?
すぐに皿にのせず、網やザルに重ならないように並べて油を切ります。すぐに皿にのせると底が蒸気で蒸れます。
中が生の状態だったらどうすればよいですか?
耐熱皿にのせてラップをかけ、電子レンジ500~600Wで30秒ずつ様子を見ながら加熱してください。
食べる直前に二度揚げしてもいいですか?
時間を置かずに一気に揚げてください。一度目は中まで完全に火を通していないため、生焼けのまま唐揚げを放置することになり危険です。熱々を食べたい場合は二度揚げまで一気にすませ、食べる直前にトースターで温めるのがおすすめです。
二度揚げは必ずした方がよいですか?/なぜ二度揚げするのですか?
必ずしもする必要はありませんが、二度揚げすることで、簡単にジューシーでサクッとこうばしい唐揚げが作れます。
一度目と二度目は何度で何分揚げますか?
一度目は160~170℃で3~4分、二度目は180~190℃で約2分揚げます。
取り出さずに揚げる場合はどうしますか?
鶏肉を油鍋に入れたまま火力を上げて揚げてください。揚げ時間は二度揚げと同じくらいです。
【調理後】唐揚げのよくある質問
作り置きできますか?
冷蔵で2~3日、冷凍で3~4週間保存できます。冷凍する場合は唐揚げが完全に冷めてから、1食分ずつに分けてラップでぴったり包み、フリーザーバッグに入れて凍らせてください。
解凍時はラップを取って耐熱皿にのせ、電子レンジ500~600Wで30秒ずつ様子を見ながら加熱します。カラッと食感を復活させたい場合は、電子レンジで加熱したあと、トースター1000Wか200~230℃で3分ほど加熱しましょう。
時間がたって冷めてしまった唐揚げをおいしく温め直したいです
唐揚げの余分な油をキッチンペーパーでやさしく拭き、アルミホイルをくしゃくしゃに丸めて広げて唐揚げをのせます。トースター180℃、もしくは500Wで1分ほど予熱し、唐揚げを入れて2分ほど温めましょう。
二度揚げでカラッとジューシーな唐揚げを作りましょう
箸で唐揚げの表面を触ると、カラッと乾いた感触です。食べてみるとサクッと薄い衣の食感が心地よく、中からじゅわっと肉汁が出てきました。油っぽくないため、パクパク食べ進めてしまいそうになります。
しょうゆの香ばしさと塩味も絶妙です。衣は薄めでカラッとかたまっていて、鶏もも肉のおいしさを閉じ込めています。揚げたてはもちろん、冷めてもべちゃっとせずしっとりおいしいままでした。お弁当にもおすすめですよ。
※電子レンジはお使いの機種によって加熱時間が異なります。様子を見ながら加熱時間を調整してください。
ライター:Uli(フードコーディネーター/パンシェルジュ/薬膳アドバイザー/レシピライター)