南足柄市 薬剤師会と薬品供給協定 災害時市内4薬局が協力
大規模災害発生時に市民の医療救護活動等を円滑に進めるため、南足柄市は3月21日、南足柄市役所で公益社団法人小田原薬剤師会(渡邊千括会長)と「災害用医薬品の確保及び拠出に関する協定」を締結した。
県西地区2市8町の119薬局が加盟する「小田原薬剤師会」。協定では、災害発生時に市が開設する救護所に、必要な医薬品を小田原薬剤師会に加盟(南足柄市は12)し、協定に協力する4薬局から迅速に供給されることが確認された。
供給される薬品は、行政が保管すると消費期限などが問題になり、廃棄になるリスクがあるが、今回の協定は平常時の薬局の在庫品と合わせて管理されるため、備蓄の充実を図りながら、廃棄ロスを大幅に削減できるメリットもある。
協定式で、加藤修平市長は「災害への日頃からの備えがとても大切になります。災害時、医薬品を提供いただく協定は有意義なもの」と謝辞を述べ、渡邊会長は「けがや病気、慢性疾患を抱えているかなど、それぞれ必要な薬が違ってくるので、現場で有効に投薬する必要があります。今後、関係機関とも相談して詳細をきめていきたい」と話した。
同会は小田原市と2016年3月に同様の協定を締結している。開成町(10薬局)とも現在、協定に向けての話し合いが進んでいる。渡邊会長によると、協定にはある程度の医薬品の在庫が必要となるため、加盟薬局が少ない町との提携は難しい側面もあるという。「加盟店舗が少ない地域は、他の市町からの供給も考慮し、協力体制を築きたい」と話した。