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2月終了桑都ペイ 利用実態を解明へ 中央大が市と共同研究〈八王子市〉

タウンニュース

市の担当課と打ち合わせをする熊倉教授(右)

昨年10月から今年2月まで市内で実施されていた八王子市のデジタル地域通貨「桑都ペイ」について、中央大学と市が利用実態の共同研究を開始した。期間中、同ペイに現金をチャージした人数は約15万8000人。この取引内容や利用傾向など「ビッグデータ」を活用・究明することで、今後の活用方法の検討に生かしていく狙いだ。

専用アプリをダウンロードし現金をチャージすると、1ポイント1円として登録店舗で買い物ができるデジタル地域通貨「桑都ペイ」。八王子市は5カ月間の第1弾実施期間を終えたことから、利用の実態を今後の活用に生かすため、3月29日に中央大学企業研究所と共同研究に関する協定を締結した。

同研究所は商学部が配置されている同大多摩キャンパス(東中野)内にある。両者は2017年から包括連携協定を結んでおり、今までに市立図書館の利用状況分析などを請け負ってきた。両者によると、今回の共同研究を持ちかけたのは中央大側からという。

研究を手がけるのは、同研究所の所長で同大商学部教授の熊倉広志氏と、同研究所客員研究員でニューヨーク大学准教授でもある石原昌和氏。

両氏は今回の実施期間で得られたビッグデータから、利用実態や利用者属性などを分析。地域経済の発展や課題解決に寄与すると共に、学術的見地から地域間での違いにも着目したいとしている。研究期間は25年3月末まで。

ポイント譲渡の背景は

チャージしたポイントは原則、譲渡や交換ができなかった今回の桑都ペイ。しかし、市が指定した特定の地域イベントに参加するとポイントが付与され、それに関しては利用者同士の譲渡が可能だった。

例えば昨年10月に西放射線ユーロードなどで行われた第9回八王子フードフェスティバルに参加すると500円分のポイントが付与された。熊倉所長によると、この譲渡可能なポイントの利用実態を分析することで「桑都ペイが地域コミュニティにどんな風に貢献するのかがわかるのではないか」と経済効果だけではない桑都ペイの発展の可能性に期待を寄せる。

現時点でわかっている利用状況は、利用総額58億1037万6438円。使われず失効したポイントは約1143万円分だった。

約2千店で利用できた桑都ペイ

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