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【東京都内】立ち食いそば店の極上冷やしたぬき5選。猛暑を吹き飛ばすひんやりツルツルの快楽!

さんたつ

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食欲の落ちる暑い夏に、ぜひおすすめしたいのが冷やしたぬきそばだ。立ち食いそばだからとあなどるなかれ。麺、ツユ、具材に工夫をこらし、丁寧に作られた冷やしたぬきが食べられる都内の厳選5店紹介しよう。

大橋や

香りよく喉越し良いそばが楽しめる『池尻蕎麦』

冷やしたぬきそば530円。

東急田園都市線の池尻大橋駅から地上に出て徒歩30秒。通りからちょっと奥まったところにあるため入りにくいが、ここのそばを食べずに通り過ぎるのはもったいない。『池尻蕎麦』はもともと、近くにある製麺会社の宝録堂食品工業が経営していた立ち食いそば店「ホーチャン2号店」。そこがいったん閉店して『池尻蕎麦』として生まれ変わった経緯がある。製麺会社が関わっているだけあって、そばのうまさは折り紙付きだ。

夏限定の生ひやむぎ700円もおすすめ。

細めな江戸風のそばは香りよく喉越しも抜群。バランスの良いツユとサクサクたぬきが絡んだそばをズズッとすすれば、うっとうしい暑さも途端に吹き飛ぶ。麺量も多めなのもうれしい。お酒も飲めるので、軽く飲んでそばで締めるというのもアリだ。

『池尻蕎麦』店舗詳細

池尻蕎麦
住所:東京都世田谷区池尻3-2-3/営業時間:7:45~23:00(変更の場合あり)/定休日:土・日・祝(変更の場合あり)/アクセス:東急電鉄田園都市線池尻大橋駅から徒歩30秒

大久保『長寿庵』のゆで麺とは思えないうまさのそばとコク深いツユ

冷やしたぬき320円。

JR大久保駅の南口から小滝橋通りへと続く飲み屋通りにある『長寿庵』は、とにかく安い。この物価高のご時世に、なんと冷やしたぬきが320円で食べられるのだ。2024年9月1日から20円の値上げとなるが、それでも安い。

しかし、安いからといって手抜きは一切なし。そばはゆで麺だが、製麺所に特注しているだけあってコシがあって、冷やしで食べると存在感を増す。ツユもダシの旨味がしっかり。濃いめでありつつまろやかさもかえしと合わさって、力強いうまさだ。小エビの入ったたぬきもサクサクで、これがこの値段で食べられることが信じられない。

こぢんまりとした店だが、昼どきは近隣の学生やサラリーマンで行列ができることも。安くておいしい。『長寿庵』は立ち食いそばの真髄を体現した名店なのだ。

『長寿庵』店舗詳細

長寿庵
住所:東京都新宿区百人町1-24-8/営業時間:7:30~16:30(日・祝は9:00~16:30)/定休日:土/アクセス:JR大久保駅から徒歩2分

富士見台『盛盛』赤たぬきそばのジャンクなうまさで夏の暑さに立ち向かう

冷やし赤たぬきそば600円。カリカリ赤たぬきがクセになる味わい。

西武池袋線の富士見台駅近くにある『盛盛(もりもり)』は肉そば推しだが、たぬき系も頑張っている。中でもイチオシなのが、紅しょうがとあおさで作ったたぬきをのせた、赤たぬきそばだ。ゴロゴロと大粒の赤たぬきはジャンクなうまさがあり、これがなかなかクセになる。パンチがあってそばやツユが負けてしまいそうだが、そこは心配ない。そばはガッチリとした太麺。ツユは生かえしでしょうゆの香りがキュンときいていて、どちらも赤たぬきをしっかりと受け止める。爽やかさはあまりないが力強いうまさでグイグイ食べさせるパワー系のそばで、食べているとなんだかテンションが上がってくるのだ。

ノーマルのねこそば550円も手堅くうまい。

そしてもうひとつの名物はねこ。聞き慣れないメニューだが、きつねとたぬきののった、いわゆるむじなだ。赤たぬきに比べると、あっさりした味わいでツユのうまさが存分に楽しめる、こちらもなかなかの一品だ。

『盛盛』店舗詳細

盛盛(もりもり)
住所:東京都練馬区貫井3-6-3/営業時間:6:00~20:00(土・祝は6:00~15:00)※営業時間は変わる可能性あり。インスタグラム「tachigui_morimori」を要確認。/定休日:日/アクセス:西武鉄道池袋線富士見台駅から徒歩1分

新小岩『うどん鈴木鰹節店』カツオ香る極上のツユをまとったうどんをすする幸せ

冷がけうどん400円にたぬきは無料。

当たり前だが、冷やしたぬきはそばだけのものではない。うどんでおすすめしたいのが、新小岩にある『うどん鈴木鰹節店』だ。こちらの経営は、千葉県鴨川市にある店と同名の鰹節問屋『鈴木鰹節店』。それだけに、ダシに使う鰹節はかなりおごっている。

うどんをすすると、ぶわっとカツオの香りが立ちあがり、旨味が口中に広がっていく。とはいえ、カツオだけ立っているわけではなく、煮干しや昆布の旨味もバランスよく味をフォロー。とにかくうまい。こちらには冷やしたぬきというメニューはないのだが、無料トッピングのたぬきがあるので、夏季限定の冷がけにそれをのせれば良い。自家製麺のうどんはツルモチ食感で噛むのも楽しく、あおさ入りのたぬきもサクサクで香りよしと、とにかく完成度が高い。冷がけは10月ぐらいまで食べられるそうだが、できれば年間やってほしい!

『うどん鈴木鰹節店』店舗詳細

うどん鈴木鰹節店
住所:東京都葛飾区新小岩1-28-8/営業時間:10:00~15:00(麺がなくなり次第終了)/定休日:月~木/アクセス:JR総武線新小岩駅から徒歩2分

そばはツルッとツユはキリッと。西新宿『大橋や』の美しい冷やしたぬき

西新宿の青梅街道沿いにある『大橋や』は、昼どきになると近隣のサラリーマンで長い行列ができる大人気店だ。こちらの冷やしたぬきはとにかく丹精で美しい。たぬき、わかめ、ねぎに大根おろしが配された姿はバランスよく整えられている。

細めのそばはしっかり締められ喉越し良く、食べているだけでなんとなく背筋が伸びてくる。ツユもまた、旨味をたたえながらキリッとしていて上品で、これが500円というのが信じられない。まさに、並んででも食べたいそばなのだ。店は先代の娘夫婦が主に切り盛りしている。店内も2019年にリニューアル。この先も、長くこのそばを食べられそうだ。

『大橋や』店舗詳細

大橋や
住所:東京都新宿区西新宿8-15-3/営業時間:7:00~18:00/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄丸ノ内線西新宿駅から徒歩3分

取材・撮影・文=本橋隆司

本橋隆司
大衆食ライター
1971年東京生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て2008年にフリーへ。ニュースサイトの編集をしながら、主に立ち食いそば、町パンなど、戦後大衆食の研究、執筆を続けている。

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