立てかけていたタックルが突然海中に「ドボン!」 落下事故の原因と対策とは?
釣り場に持ち込むロッドの本数は、スタイルやターゲットによって異なるが、必要以上に多くなるとトラブルの原因になることもある。筆者もかつて、ロッドの複数持ち込みが思わぬ悲劇を引き起こした経験が…。今回はそんな体験を記したい
釣り場に持ち込むロッドは何本ですか?
私は通常、釣り場に持ち込むロッドはエリアトラウト以外では最大2本程度にしている。エリアトラウトの試合の場合はレギュレーションで6本であることが多く、普段は3本で済ませている。
アジングに行く場合は1本、状況が分からない場合は2本としている。そんなロッドの複数持ち込みが悲劇を生んだ事がある。その発生状況と反省点をまとめていきたい。
事件の発生状況
事件の発生当時、筆者は和歌山県に住んでいた。はじめての一人暮らしで、毎日仕事が終われば自由時間。自宅から約10分程度の場所にアジングポイントが存在しており、最悪自転車でも毎日通える場所であった。
ある秋の日の夜。いつも通り仕事が終わり、夕食を摂った後にポイントへ出勤(笑)。ジグ単ロッド以外にも、最近は釣れる場所が遠い事もありキャロ用のロッドも用意していた。ポイントに到着。ポイントは水道エリアの場所で、浅場ではあるが常夜灯の明かりが効いており良く通っているポイントだ。
メインはジグ単なのでキャロ用のタックルはポイントの壁に立てかけておいた。ポツポツとアジが釣れてウキウキしていると、キャスト時にラインの垂らしが少し長かったが気にせずにキャスト。その時、妙な重量感と共にブチッとラインが切れた。その瞬間にドボンという音と共に、立て掛けていたキャロ用ロッドがブクブクと沈んでいくではないか!
一瞬何が起こっているのか良くわからなかった…。ふと我に返った瞬間、全てを察した!長かった垂らしがキャロ用ロッドのラインを拾ってしまい、一緒に引きずり込まれてしまったのだ。
ジギングで救出開始
こうなったらアジングどころではない!偶然積んでいたショアジギング用のタックルにメタルジグを結び、ジグのフロントにアシストフック、リアにトリプルフックを装備。落ちた場所でロッド救出のためのショアジギングを開始。
幸いな事にさほど水深はないので繰り返し落としては引き上げを繰り返せる。何度も何度も上げ下げをして1時間くらいしただろうか。グッと重くなり何か浮かんで来るのがロッドを通して伝わって来た。
ゆっくりと巻き上げ、手繰り寄せると見事にバットガイドにトリプルフックがフッキングしていた(笑)。無事に救出完了!とりあえず最悪の事態は逃れた。
あらかた水を切り、もうアジングどころではなくなっているので帰宅。ロッドは清掃でもとに戻ったが、問題はリールであった。長い間使用して来たツインパワーでは塩水が入り、分解清掃しても元に戻る事は無かった。
落下事故を防ぐには
今回のこの事故の反省点は2つある。1つ目はロッドスタンドを使用していなかった事だ。単に立て掛けておいただけでは不安定さもあり、倒れてロッドやリールが破損する可能性がある。2本以上持ち込む時は必ずロッドスタンドを使用するに越した事はないし、安定した場所におけば倒れる事も少ない。
2つ目はキャストする手と反対側に置くという事だ。筆者の場合、右投げ左巻きなので左側に置けば垂らしのラインがほかのロッドのラインを拾う事もない。
現在、特にエリアトラウトの時は左側にロッドスタンドを、右の後ろにバッカンを配置するようなスタイルにしている。この事件以降、ロッドを海に落とすという事件は起こしていないが今後も釣行時には注意したい。
<福岡崇史/TSURINEWSライター>