脳科学者・中野信子「トランプ氏は嫌なことをとてもよく覚えているタイプ」
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時)3月19日の放送は、脳科学者の中野信子氏が出演し、ドナルド・トランプ氏を脳科学者はどう見ているか?について話した。
野村邦丸(パーソナリティ)「第2期トランプ政権になって、トランプさんは第1期にできなかったことを俺は全部やってるんだと言ってますよね」
中野「すごい数の大統領令を出してますよね」
邦丸「脳科学者の中野信子さんから見て、トランプさんはどう見えてますか?」
中野「本来はお会いしたことのない方について、話すのは倫理的に認められてないことではあるのですが、それにしてもその禁を破って、アメリカの心理学者や精神科医などが、こぞってオムニバス方式で彼について本を出してるんですね。ちょっとこの人は警戒した方がいいんじゃないかという内容のものです。こういうことが起きるのはよっぽどのことなんです。トランプさんは普通のセンスを持った人ではないだろうと思います。弱者に共感したり、同じように痛みを感じたりとか、多分この人はしない人だろうということで、この学者たちの本の中にはけっこう厳しい言葉が連ねられています」
邦丸「明らかに今出してる大統領令見ててもそうですよね」
中野「象徴的なのが、アンチDEI(多様性・公平性・包摂性)ですよね。多様性を感じさせるような写真やアイコンをすべて根絶しようという流れがあって、それが行き過ぎると差別の揺り戻しにつながるんじゃないかと警戒してる人は多いですね」
邦丸「元外交官で作家の佐藤優さんが安倍晋三元総理から聞いたのは、“トランプさんは落としちゃいけないんだ。上から目線でものを言ったり、馬鹿にするとお冠になっちゃう。そういうような基準で動いてることが多々あるから、大変なんだよ”ということでした。それって怖いですよね」
中野「プライドが傷つけられることは、どなたも嫌だと思うんですけど、それに対して感受性が高すぎる方とそうでない方はおいでになる。比較的性差もあって、男性の方のほうが苦手ですね。ご自身は、他の方のことを結構上から言ったり、茶化したりするんですけど、自分がちょっとでもジョークでも上から言われると許しませんっていう方、しばしば見かけます。特にエリートほど多いような。日本人でもそうですよ。私は近寄らないことにしてますけど(笑)」
邦丸「オバマさんが大嫌いみたいですね。昔、オバマさんが大統領のときにちょっと揶揄されたっていう記憶がトランプさんにはあって、それをやっぱりいまだに覚えてる」
中野「忘れないんですよね。こういう人はね。共感力は発揮しないんだけど、自分がされた嫌なことは覚えてるっていうね」
邦丸「この先まだ4年弱ありますからね」
中野「でも、選んじゃったからしょうがないんじゃないですか」