日立沖の浅場狙う根魚五目釣りでメバルにムラソイ【宮田丸】根掛かり対策術とは?
日立沖初夏限定の釣り物・根魚五目釣りに挑戦してきました。ターゲットフィッシュは日立沖に浮かぶ、魅惑の沖堤際に潜むクロメバル・ムラソイを中心とした根魚。当日は狙い通り、種類豊富で良型揃いの釣果をあげることに成功!釣行をレポートします。
日立沖の根魚五目釣り
例年GW明けに開幕し、梅雨時期にハイシーズンをむかえる、知る人ぞ知る日立沖の釣り物。水深20m以浅(最浅は5m)を狙うとあって軽量タックルを使用しますが、「お手軽な釣り物」かと言うとそうでもありません。
底を攻めないと釣れず、かといってその底は荒い根。船の動き、潮の流れ等を計算して根の中を攻めるテクニックがこの釣りには必要となります。また、シーズンが梅雨時期ということもあり、悪天によって出船が阻まれやすい点も別の意味でお手軽とはいえず。
そんな根魚釣りに梅雨入り直前の6月8日、オモリを8個持参し、2年ぶりに出かけてきました。
クロメバルとムラソイを狙う
5時に日立久慈港を出船した船は、20分走ってこの日のポイント・通称「日立沖スーパー堤防」に到着。この日は仕立て船ということもあり、船長、特に釣り方を説明せず投入の合図。
皆、早速クロメバルとムラソイの二種を本命とし、恐る恐る仕掛けを下ろします。因みにクロメバルとムラソイ、釣り方は真逆。大まかに分けると前者は根の上、後者は危険と隣り合わせの……根の中。これを同じ仕掛けで狙います。
クロメバルのアタリ
根の上に群れているクロメバルのアタリはグイグイ引っ張るわかりやすい引きが特徴。アタったら根掛りを避けるために少し棚を切り、多点掛けを狙います。
ムラソイのアタリ
逆に根の中に潜んでいるムラソイは、コツコツとかガガガッといった小さめのアタリが特徴。躊躇してしまうと根に潜られるので「アタッた」と思ったら聞きアワセを入れ、しっかりフッキングさせるとともに、根からしっかり離してから巻き上げます。
根掛かりは必至
かたやアタッたら待って多点掛けを狙う、かたやアタッたらアワセを入れ1匹ずつ確実に仕留める。しかも双方根掛り必至。少々難易度高の釣り物ですが、それが故にファンを魅了する釣り物でもあります。
クロメバルが単発ヒット
根が荒い釣り場ということで、竿は8:2を選択。釣り方は違うのですが、アワセが必要なムラソイは無論のこと、浅いポイントということもありクロメバルも水面まで浮袋を吐かず縦横無尽に泳ぎまわるので、双方とも相手に主導権を与えない「硬めの竿」が必須。
ハリス3号の3本針胴突き仕掛けの一番下にイワシ、その他の針にサバ短をつけ、丁寧に底(根の中)を探りつつアタリを待ちます。ポイントは堤防から沖に向かって5mの「かけ下がり」となっていているので、終始丁寧な底取りが必須。
船と堤防の位置関係を参考に、慎重に糸を出し入れします。すると竿先がグイグイ!勢いの良いクロメバルのアタリ発生!単発でしたが、とりあえず無事坊主回避ということでホッと一息。その後も活性が低く魚が浮いていないのか、アタッて待つも多点掛けはせず、単発で数を重ねる。
大アジの回遊も
そして時々アジの群れがまわってくるようで、バタバタと尺上の大アジが上がる時間帯も多々。後になって知ったのですが、上の針にエサのサバ短を小さくカットして付けておくと、アジが釣れる確率が上がるとのことでした。
中盤以降はムラソイも登場
潮が下げ止まりの時間帯に近づき、クロメバルのアタリが少なくなってきた頃、反対側の釣り座で歓声が上がる。ようやく船中1匹目のムラソイが上がったようです。この時既に4つのオモリを失い「守りの根の上の釣り」にシフトしていた筆者は、これに勇気をもらう形で再び「根の中を攻める攻撃型」に転じます。
すると、これが功を奏しコツコツとそれらしいアタリ発生! 一度は根に潜られ「万事休す」と思うも、幾度か緩急をつけて引っ張ると、再び糸の先に生体反応が復活。無事、ムラソイの確保に成功しました。
大物はタモアミを使って!
最終結果
クロメバル7匹、ムラソイ2匹、カサゴ1匹。トップはクロメバル22匹、ムラソイ3匹(オウゴンムラソイ含む)とのことでした。因みにロストしたオモリは8個、仕掛け5組。ムラソイの竿頭は、オモリ10個位ロストしたそうです。
根掛り対策
根掛りが続くと集中力が欠けてしまうどころか、戦意喪失してしまうことにも繋がってしまいます。船長はこの釣りで「根掛りばかりで心が折れて早々に道具を片付けてしまう人を何人も見てきた」と言っていました。(予備のオモリと仕掛けは船に積んであるそうです)
更に船長「この釣りはオモリ1個で魚1匹」とのことなので、慣れている人でもある程度のオモリロストは避けられません。しかし、確率を下げることは可能だと思います。対策を並べます。
・置き竿にしない(大前提!)
・船の移動時(道糸が斜めになる時)、周りで根掛りが頻発している時はむやみに底を攻めない
・根掛りしてしまったら、すぐに思いっきり引っ張らず、一度緩めてみる
その他、オモリと仕掛けの間に輪ゴムを介することで「オモリのみ失う」といった作戦も有効。ご参考まで。
<尾崎大祐/TSURINEWSライター>