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劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』レビュー・感想|大人の渋さ×重厚サスペンス、アクションシーンも満載で最後までドキドキが止まらなかった

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年4月18日(金)より公開中の映画『名探偵コナン 隻眼の残像(せきがんのフラッシュバック)』。

2023年公開の『黒鉄の魚影』、2024年公開の『100万ドルの五稜星』に続き、3作品連続で100億円突破という快挙を成し遂げている本作。

長野県警の渋い面々、眠らない小五郎、国立天文台野辺山の巨大パラボラアンテナ…かっこいいものづくしの本作は本当に見ごたえ抜群でした!

本稿では勢いの止まらないコナン映画最新作『名探偵コナン 隻眼の残像』の感想を綴っていきたいと思います。

※本稿には劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』の多少のネタバレが含まれております。完全初見で楽しみたい方は本作をご覧になったあとに本記事をご覧ください。

本作はかなり大人向けな内容

まず本作はシリアス要素が多めの作品です。コナンはもちろんのこと少年探偵団も活躍しますが、メインは長野県警と小五郎。大人たちのシリアスな展開は、さながらサスペンスドラマを観ているかのような印象を受けました。

そして本作の重要なキーワード「司法取引」。司法取引や証人保護プログラムに関連する改正刑事訴訟法が犯人の動機に繋がるのですが、正直観ている最中は「司法取引、証人保護プログラム、刑事訴訟法」というものをきちんと理解できていませんでした。

映画の中でも説明はありましたが、改めて用語を知ってから観に行くとさらに理解度を増すことができると思い、調べましたので用語の解説も載せておきます。

司法取引

司法取引とは、特定の犯罪において、被疑者や被告人が、共犯者などについての情報や証拠を提供することで、自身の刑事責任の減免を補償してもらう制度です。日本では、2018年6月に刑事訴訟法の改正によって導入されました。

対象となるのは、主に経済犯罪や薬物・銃器犯罪などの重大な犯罪に限定されています。

証人保護プログラム

アメリカ合衆国の法廷またはアメリカ合衆国議会における証言者を、暗殺などの報復措置(いわゆる「お礼参り」)から身辺を保護するための制度です。

この証人保護プログラムという言葉は、”黒ずくめの組織”に追われている灰原哀がFBI捜査官のジョディから受けないかと勧められ、別人として生きなくてはならないこともあって逃げたくないと断ったときにも出てきています。

なお、現在日本では法的な証人保護プログラムはありません。

刑事訴訟法

刑事事件の捜査、起訴、裁判など、刑事裁判の手続きを定めた法律です。簡単に言えば、犯罪の捜査から裁判、刑罰の適用までのルールブックのようなものです。

なかなかに難しいワードばかりなので、お子様には事件背景などはわかりづらいと思いますが、大人になって改めて観たときに面白いと思えるはず。何年たっても楽しめるのがコナンのいいところだとも思っています。

サスペンスものが大好きな私は今回のコナンにドハマりしました! 

警察官たちがかっこいい!

今作は警察が大活躍。メインはもちろん長野県警ですが、長野県では高木刑事と佐藤刑事が、本庁では黒田管理官・目暮警部・白鳥警部・千葉刑事が事件を追います。

そして更には公安・内閣情報調査室までもが秘密裏に動いています。ちなみに非常にかっこいいシーンが続く中、コナンにこき使われる風見警部補にはクスッとさせれました(笑)

特に今回かっこよかったのは、高木刑事と佐藤刑事が警察官の職務倫理を唱えるシーン。

「誇りと使命感を持ち国家と国民に奉仕し、恐れや憎しみにとらわれずに、いかなる場合でも人権を尊重し公正に警察職務を執行せよ」

これは、情報提供により刑が軽減される司法取引に怒りを覚えた身勝手な犯人への戒めの言葉です。この職務倫理はアニメ304話「揺れる警視庁 1200万人の人質」や警察学校編「CASE.松田陣平」にも登場していますよね。

警察官の正義や信念が非常にかっこよく描かれていてグッときてしまいました。

蘭の空手やド派手なアクションシーンあり! 

今作もちゃんとあります、アクションシーン! 銃撃戦や雪崩、カーチェイス、子どもたちを空手で助ける蘭など派手なアクションシーンが多く、これぞコナンという感じがしました。

ストーリー自体は社会派で難しめですが、適度にアクションシーンがあることでバランスが取れており、お子様もちゃんと楽しめるようになっていると思います! そして、映画序盤はスケボーで、終盤はスノボー(正確にはボードではないですが……)で締めるという演出も個人的に非常に良かったなと思いました。

今作は登場人物全員に見せ場があって、そこもよかった点の1つです。

おわりに

毎年恒例のGWのコナン映画。今作は何度も言うように「大人向け」そして「大人たちがかっこいい」内容でした。長野県警の3人、公安、そして眠らない小五郎は本当にかっこよかったです! 小五郎活躍回にハズレ無しです。

普段コナンをあまり観ない方でもストーリーがしっかりしているので、最後まで楽しめると思いますが、事前に「風林火山」シリーズを観ていると長野県警の3人の原点がわかるのでより楽しめると思います。

大和敢助と上原由衣の関係性や諸伏高明のかっこよさも伝えたいところではありますが、書ききれなくなりそうなので本稿では割愛させていただきます(笑)

5月30日(金)からは3面スクリーンの上映システムであるScreenXと、4DXとScreenXが融合したULTRA 4DXでの上映などが始まり、さらには次回作の第29弾にまつわる後付け映像の追加が決定しています。

一人でも友達とでも家族とでも、みんなで楽しめる『名探偵コナン 隻眼の残像』を是非劇場でご覧ください!

[文/五反田ちさと]

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