「幸福度が低い人」が言いがちな受け答え“3つの特徴”
会話をしていて心地よいと感じる人と、負担に感じてしまう人には、どのような違いがあると思いますか? 会話の中で無意識に発している言葉を振り返ってみると、そのヒントが見えてくるかもしれません。心理学や脳科学に詳しいマインドトレーナー田中よしこさんに「幸福度が低い人の受け答えの特徴」について教えていただきました。
教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
幸福度が低い人の受け答え「3つの特徴」
「話す内容に自信がもてない」「相手の反応を過度に気にしてしまう」ことはありませんか?
私たちは日常生活や仕事でのプレッシャーに応えようとするあまり、心の余裕を失ってしまいがちです。何気ない会話でさえも相手の反応が気になり、後悔してしまうこともあるでしょう。これは、幸福度が低いときによく見られるコミュニケーションパターンの一例です。
今回は、幸福度が低い人の受け答えの特徴を3つ解説します。
1.「共感」を過度に求める
自信がない人は、自分の意見や感情に対して、相手の共感を過度に求める傾向があります。
「そうだよね?」「わかるよね?」「合ってるよね?」といった確認の言葉が増えるのは、自信のなさの表れ。自己肯定感が低下していると、自分の意見や感情が正しいと信じることができず、他者の承認を必要としてしまうのです。
このような会話が続くと、相手にとって会話が負担になることも。その結果、孤独感が増してしまう場合があります。無意識のうちに相手に共感を求めてすぎていないか、自分の言動パターンを確認してみましょう。
2.「自分の話」ばかりしてしまう
幸福度が低い人は、自分の話ばかりにフォーカスしがちです。
聞かれてもいない武勇伝を延々とする人や、会話のキャッチボールをせずに話し続けることが多い人は、他人の話を聞く余裕がない傾向があります。
「私を理解してほしい」という思いが強いがあまり、時には相手の話までさえぎってしまうことも。相手が話題を変えようとしても、自分の心配事に話が逆戻りしまうことがあるのです。
常に自分の不安や悩みばかりを話す人は、精神的な余裕がなくなっているサインかもしれません。このようになってしまうのは、脳が不安な情報を優先的に処理するためで、ほかの話題に興味を持ちづらくなってしまうからです。
私たちは、人と理解し合えていると感じたときに幸福度が上がるため、一方的なコミュニケーションでは孤独を感じやすくなってしまいます。会話の中で「あなたはどう思う?」「あなたの話も聞かせて」と、相手の話にも耳を傾けるようになると素晴らしいですね。
3. 「自分を責める言葉」が多い
会話の中で自分を責める言葉が多いのも、幸福度が低い人の特徴のひとつです。
「私が悪いから」「私がもっと頑張らないと」「どうせ無理だ」といった言葉が頻繁に出る場合、自己批判が過度におこなわれていることを意味します。自己批判はストレスホルモンの分泌を促進し、脳の快感を感じる部分を抑制します。自分が発する言葉で幸福を低下させるのはとてももったいないことであり、相手にとっても心地よくありません。
自己批判的な言葉を使う人ほど、うつ症状を感じやすくなることがハーバード大学の研究でも明らかになっています。自分がどのような言葉を選んで使っていきたいのか、改めて考えてみましょう。
「自分自身を癒す言葉」を使ってみよう
会話中に無意識に出る言葉や反応が、実は自分の幸福度を示していることがあります。これらの特徴に気づいて少しずつ改善していくことで、日常生活での心地よさを取り戻すことができるかもしれません。
マザー・テレサの言葉「言葉は人々を傷つけることもあれば、癒すこともできる」を心に留め、まずは自分自身を癒す言葉を使ってみてください。自分を肯定し、他人とのコミュニケーションをより豊かなものにできる人が増えることを願っています。
shukana/webライター