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長後音頭、令和によみがえる 10月19日、ふるさとまつりで披露

タウンニュース

輪になって長後音頭を練習する民踊協会長後地区のメンバー

1935年に誕生し、地域に親しまれていたものの、人々の記憶から忘れ去られてしまった「長後音頭」があす19日(土)、「長後地区ふるさとまつり」で復活する。長後歴史散策の会が発見した資料をもとに、藤沢市民踊協会長後地区の面々が振り付けを再現する。

事の発端となったのは昨夏、郷土資料が多数収められている羽根澤屋資料館から見つかった1本のテープ。同館を運営する歴史散策の会のメンバーが2階を整理していたところ、偶然発見した。添え書きや資料から、長後地区に製糸工場が立ち並んでいた時代、当時の商工会が町おこし目的で作成した曲だということが分かった。

昨年の同まつりで長後音頭を流していた同会のブースを通りがかったのが、民踊サークルの藤沢市民踊協会長後地区で指導にあたる岩田すみ江さん(82)=人物風土記で紹介=とメンバーだった。同会が踊りの再現を依頼したところ、岩田さんは「絵図(文章と写真で振り付けを表したもの)があるなら」と快諾。長後音頭復活への道筋が開けた。

早速絵図の読み解きに取り掛かった岩田さんだったが、失われた踊りの再現は一筋縄ではいかなかった。曲の序盤、絵図に示された動きと実際の音が噛み合わず、再現に難航。分かりづらい部分はオリジナルの振りを付けることで、ようやく再現版を完成させた。

今年7月ごろからサークルメンバーと練習を始めると、今度は慣れない曲調に苦しめられた。「ゆっくりしたテンポなので、皆でタイミングをそろえるのが大変」。何度も繰り返し練習を重ね、体に覚えこませた。

戦時下にレコードに収められ、令和に発見され、踊り手につながるという偶然が重なり叶った今回の復活劇。「ただ披露するだけではまた失われてしまう」と岩田さん。「地域で盆踊りなどに使われながら浸透すれば」と、この先に思いを馳せる。よみがえった伝統がどう受け継がれていくのか注目だ。

ふるさとまつりについては長後公民館【電話】0466・46・7373。

絵図を読み解き、振りを復活させた

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