全国高校サッカー選手権静岡県大会いよいよ準決勝!「浜松開誠館vs藤枝明誠」鍵握る両チームのFWをピックアップ!
第103回全国高校サッカー選手権静岡県大会は11月9日、エコパスタジアムで準決勝が行われる。シズサカ編集部は「浜松開誠館vs藤枝明誠」をピックアップ。両チームのFW、浜松開誠館の安藤則斗(グローブス出身)と藤枝明誠の水上大和(Honda FC出身)を紹介する。
2人は同じ1トップ。タイプこそ違うが、ともに裏方に回ることができるフォワードだ。献身的な姿勢でチームをファイナルに導くのはどちらか。
ちなみに両校は今季公式戦でこれまで3度対戦し、浜松開誠館が2勝1敗で勝ち越している。1月の県新人戦準々決勝は浜松開誠館が1−0で勝利。プリンスリーグ前期(4月)で藤枝明誠が1−0でリベンジしたが、後期(7月)は浜松開誠館が2−1で逆転勝ちしている。
両校が選手権予選で戦うのは6年ぶり。過去4度対戦し、藤枝明誠が3勝1敗。
浜松開誠館 FW安藤則斗(グローブス出身)
これまではサイドハーフやトップ下などを務めてきたが、FWにけが人が増えた最近のチーム事情で1トップの位置に収まった。166センチの小柄な体をフル回転させ、縦横無尽に走り回って相手を混乱に陥れる。
50メートルは6秒6と決して速くはないが、初速と駆け引き、タイミングの良い動き出しで裏を取っていくスタイルだ。元日本代表の小林悠(川崎フロンターレ)のオフザボールの動きを参考にしているという。
身をかがめて相手の懐に潜り込んでいくドリブルは、藤枝明誠の長身DF陣にとっては体を寄せるとPKを与えてしまうリスクもあり、やっかいだろう。
今大会は初戦の浜松湖北戦で2得点1アシスト。プリンスリーグでは現在3得点にとどまっているが、数字には表れない「おとり」になるプレーも見逃せない。
愛知県東郷町のグローブスFC出身。中学時代に浜松開誠館の練習に参加し、「走力を評価してくれて自分のプレースタイルに合っている」と入学を決めた。
昨年は第五中足骨のケガで4カ月、戦列を離れた。安藤は「周りの人たちに支えられて、ここまで来ることができた」と感謝の気持ちを忘れない。元Jリーガーの青嶋文明監督は「努力もできるし、みんなから好かれる性格。この大会で名前を上げてほしい」と期待する。
「県大会の優勝はマスト。一喜一憂せずに戦っていきたい」。目標の国立競技場にたどり着くまで、小さなエースは走り続けるつもりだ。
藤枝明誠 FW水上大和(Honda FC出身)
元浦和レッズのFWだった松本安司監督が「1、2年の頃はまだ幼かったが、ようやくエースらしくなってきた。最近は何も言うことがない」と認める点取り屋だ。積極的に足を振り、プリンスリーグでは現在16試合で10得点。春先からコンスタントに結果を残してきた。
藤枝明誠の中盤は平井大都(SALFUS oRs出身)やキング栄志(Honda FC)ら小技をきかせるテクニシャンぞろい。頼もしい仲間たちを従え、最前線で体を張るのがパワーを前面に押し出す水上の役目だ。
再試合となった準々決勝の浜名戦では、左から流れてきた球を落ち着いて足元に収め、左足で豪快に決勝点をマークした。「力まずに、キーパーの動きを見て決めきるだけでした」。ゴール前での落ち着きが光るプレーだった。
浜松市で生まれ育ち、小学時代は「さなるSSS」、中学時代はHonda FCに所属。松本監督の熱い人柄に惹かれ「ここで全国を目指す」と藤枝明誠の門をたたいた。
今季は週3回、自主的に筋トレルームにこもり、パワーアップ。「もっと自分を出せ」と監督から求められ続け、ストライカーとしての積極性も備わってきた。
準決勝に向け、「どちらが勝ちたい気持ちが強いかだと思う。個ではなくチームで戦いたい。相手は球際が強いので、食われないようにタッチ数をどれだけ少なくできるか」と戦いのイメージを膨らませる。浜松開誠館の守備網を、自慢のフィジカルで突き破れるか。