「糖尿病」予防に逆効果かも…。意外と知らない“実はNGな食事法と運動法”
「糖尿病」は中年から高齢者に多い病気ですが、近年では若年層や子どもにも増えていると言われています。そのため、予防法を知ることが大切です。よかれと思ってやっていたことが、実はNGなことも……。今回は、医療法人社団 筑三会 筑波胃腸病院 理事長・副院長の鈴木 隆二先生に「食事と運動で気をつけるべきポイント」について教えていただきました。
教えてくれたのは……鈴木 隆二先生
医療法人社団 筑三会 筑波胃腸病院 理事長・副院長。「予防医学」と末期がんや認知症に対する「終末期医療」に特に力を入れ、患者とその家族に寄り添った医療を追求している。
日本消化器内視鏡学会専門医、日本外科学会専門医、茨城ヘルニア研究会世話人、麻酔科標榜医、産業医、難病指定医。
糖尿病予防に大切な「3つの生活習慣」
前回の記事では、「糖尿病になると起こりうるリスクや治療法」について伺いました。
鈴木先生によると、生活習慣を整えることで糖尿病を予防することができるとのこと。3つのポイントがあるのだそうです。
1. 「食事の管理」:糖質と脂質を控え、食物繊維を多く含む野菜や全粒穀物、豆類などを意識して取り入れましょう。
2. 「規則正しい生活」:ストレスを減らし、十分な睡眠を取ることが大切です。
3. 「運動の習慣化」:無理のない範囲で、週150分以上の中強度の運動(ウォーキング、軽いジョギング)を目標にしましょう。
意外と見落としがちな「実はNGな食事法」
1つ目のポイントになるのが「食事の管理」。一見ヘルシーに見えても、気をつけるべき食事法があるのだと鈴木先生は言います。以下の3つの食品を摂る習慣がある方は、選び方や食べ方のポイントを押さえておきましょう。
ジュースやスムージー
果物を使ったジュースやスムージーはビタミン豊富ですが、意外に糖分が多く、血糖値が急上昇しやすい可能性があります。そのため、食事と一緒に摂るときには、無糖のものを選ぶ工夫が必要です。
ヨーグルト
ヨーグルトは腸内環境を整えるのに効果的ですが、加糖タイプのものは糖分が多く含まれます。無糖のものやプレーンを選びましょう。
ナッツ類
体に良い脂質が含まれていますが、カロリーが高いため食べ過ぎはNGです。1日にひと握りを目安に摂取しましょう。
運動のやり方、運動後の食事にも要注意
食事だけではなく、運動をする際にも気をつけるべきポイントがあり、やり過ぎや間違った方法では逆効果になることがあるのだと、鈴木先生。以下の2点を意識し、効果的に運動を取り入れることが大切なのだそうです。
長時間の運動よりも、「毎日の短い運動」が効果的
例えば、週に1回2時間運動するよりも、毎日15分間の軽い運動を続けたほうが、より効果的です。継続することで体の基礎代謝が上がり、インスリンの感受性が向上します。
激しい運動の後の「過食」はしない
激しい運動後にお腹が空いて食べ過ぎてしまうと、消費カロリー以上に摂取カロリーが増えてしまう可能性があるので注意しましょう。
身近なことから糖尿病予防を意識してみよう
最後に、日常生活で実践しやすい糖尿病の予防方法を教えていただきました。
・食事はよく噛んでゆっくり摂る
・無糖の飲み物を選ぶ
・階段を使う
鈴木先生:食事は、ゆっくり食べることで満腹感が得られ、食べ過ぎ防止になります。ジュースや砂糖入り飲料を避け、お茶や水を選ぶことで無駄な糖質をカットできます。運動に関しては、エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使うことで、日常的に足腰の筋肉を使い、血糖値管理に役立ちますよ。
特別な大きなことをしなくても、まずは自分が継続できると思える身近なことから始めてみてはいかがでしょうか。将来の健康を守るために、今から意識してみてくださいね。
shukana/webライター