鉄筋で生み出すアート ものづくりが生きがいに 名張の相良さん
「作れるものは自分で」「思いついたらすぐ」
「作りたくなってやってみると、意外とできるもんだね」。植木鉢やプランターのサイズに合わせた置き台、可愛らしいカメレオンのオブジェなどの「鉄筋アート」を自由自在に楽しんでいる、三重県名張市桔梗が丘5番町の相良守康さん(72)。生活に必要な便利グッズや妻からの頼まれものなどをフリーハンドで作り上げている。
幼少時から興味本位でラジオなどの電気製品を分解していたといい、高校は電気科を卒業した相良さん。40年ほど前に大阪から名張へ移り住み、飲食店を経営。閉店後は昨年までガス工事の仕事に従事していた。
鉄筋は直径10ミリのものをよく使うそうで、設計図は無い。作業台に固定した金具に当てながらハンドルで力をかけて曲げ、切断や溶接、塗装などの工程を経て完成させる。「思いついたらすぐ作らないと気が済まない」性格で、仕事の傍ら、庭先に置くオブジェや植木鉢の台などを作り始め、材料や工具もホームセンターなどでそろえていった。
あふれる工具や材料
今では鉄筋だけでなく、ステンレス板や廃ホイール、木、単管パイプ、鉄の廃材などを使ったものづくりが生きがいに。自宅1階はさまざまな工具や工作材料で埋め尽くされ、「どこに何を置いたか分からない」のは悩みだが、自動で閉まるドアや園芸用に雨水を集める装置など、「作れるものは自分で作る」と目を輝かせる。
庭先を彩る花々は妻が日々、愛情を込めて育てており、鉄筋の台に鉢やプランターを載せておくことで風通しや水はけが良くなり、ハンドリフトで運びやすく虫もつきにくく好評という。相良さんは「欲しいけれど無いものは、これからも自分で作っていけたら」と語った。