「洗濯槽クリーナー」は酸素系?塩素系?2つの違いと“賢い選び方”を洗濯のプロが解説
こんにちは、洗濯研究家の平島利恵です。ドラッグストアにはたくさんの洗濯槽クリーナーが並んでいますが、「酸素系」と「塩素系」、どちらを選べば良いか迷いますよね。今回はそれぞれの違いや効果的な使い方を解説します。
酸素系クリーナーと塩素系クリーナーの違いとは?
1. 酸素系クリーナー(過炭酸ナトリウム)
<特徴>
・粉末タイプが主流で、酸素の発泡力により汚れを浮かせて剥がす。
・小さなお子様や敏感肌の方にも安心。
・汚れが目に見えるため、掃除後の達成感がある。
<向いているケース>
・定期的な洗濯槽掃除(月1回程度)。
・軽度のカビ汚れや臭いが気になる場合。
・粉末石けんや石けん洗剤を使用し、石けんカスが出やすい方。
<注意点>
・何度かすすぎを繰り返さないと黒カビが出続けることがある。
・頑固な黒カビは落とし切れない場合がある。
2. 塩素系クリーナー(次亜塩素酸ナトリウム)
<特徴>
・液体タイプが多く、強力な殺菌・漂白効果がある。
・短時間で徹底的に除去するパワフルさ。
・塩素特有の強い臭いがあるため、換気が必須。
<向いているケース>
・長期間掃除していなかった洗濯槽や、頑固な黒カビ・雑菌が気になる場合。
・洗濯槽を徹底的にリセットしたい時。
・強い臭いや黒カビが繁殖している場合にも効果的。
<注意点>
・衣類用の塩素系漂白剤ではなく、必ず洗濯槽専用クリーナーを使用。
・クエン酸や他の洗剤と絶対に混ぜない(有毒ガス発生の危険)。
・必ず換気する。
・お湯は使用せず、必ず水で使用する。
落としたい汚れ別・クリーナーの選び方
酸素系クリーナー
軽度の黒カビ・ヌメリ・臭い、石けんカスやヌメリ
塩素系クリーナー
頑固な黒カビ・強い臭い・長期間の汚れ、洗濯槽を徹底的にリセットしたい時
注意!クエン酸や重曹の使用はNG
SNSなどで「クエン酸や重曹を使った洗濯槽掃除」が紹介されることがありますが、これは洗濯機の故障を招く恐れもあり、メーカーも使用を避けるよう啓蒙しています。
・重曹は水に溶けにくく、洗濯槽や排水経路に残った粒子が固まり、故障の原因になります。
・クエン酸は酸性のため、洗濯機の金属部品やゴムパッキンを劣化・腐食させます。
・塩素系クリーナーとクエン酸が混ざると、有毒な塩素ガスが発生し、非常に危険です。
洗濯槽掃除には、必ず専用の酸素系または塩素系クリーナーを使用し、正しく安全にお手入れしましょう!
平島利恵/洗濯研究家