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世話をしていた夫婦からリスを押収した当局、安楽死処分に非難の声「なぜ罪のない動物に…」(米)

Techinsight

先月、米ニューヨーク州環境保全省に押収され、安楽死させられたリスの“ピーナッツ”(『Peanut The Squirrel Instagram「Well internet, you WON.」』より)

アメリカ在住の夫婦は、飼っていたリスを当局に押収され、そのリスが安楽死させられた。リスは7年前に瀕死の状態で夫婦に保護された後に、SNSで人気を博していたが、ネット民の通報により州当局が動いた。米ニュースメディア『New York Post』などが報じた。

7年間一緒に過ごしたリスとの思い出の日々をSNSに投稿した男性。動画はこちら

米ニューヨーク州シェマング郡パイン・シティ在住のマーク・ロンゴさん(Mark Longo、34)とダニエラさん(Daniela)夫妻が10月31日、Instagramに悲痛なメッセージを投稿し、多くのユーザーから同情と支持の声が寄せられた。投稿によると、マークさんは7年前に保護したオスのリスに“ピーナッツ(Peanut)”と名付けて可愛がってきた。

ピーナッツは母親が車に轢かれて亡くなり、放置すれば命を落とすだろうと心配したマークさんが保護した。マークさんは、ピーナッツがある程度成長した段階で野生にかえしたが、その翌日、尾の一部を失った姿で玄関前に戻ってきた。

野生では生きていけないと判断したマークさんは、ピーナッツを引き続き飼うことに決めた。マークさんはInstagramにピーナッツの動画を投稿しており、10月末時点で53万人以上のフォロワーを抱えていた。ピーナッツがマークさんの肩に飛び乗ったり、ワッフルを頬張る愛らしい姿が人気を集めていた。

しかし10月30日、ニューヨーク州環境保全省(DEC)の6人の職員がマークさんの自宅を訪れ、ピーナッツと一時保護されていたアライグマ“フレッド”を連れ去った。「DECによると、複数の匿名通報を受け、マークさんの自宅を捜索したと説明している。

マークさんは、ピーナッツのことをよく思わないネット民からの通報ではないかと考えており、投稿でこのように綴っていた。

「ネット民よ、あなたたちの身勝手な行為が、私から大切な存在を奪った。DECに通報した人たちには、それ相応の報いが待っている。10月30日の午前10時に、DECが突然やってきてピーナッツを連れて行ってしまった。ピーナッツは安楽死させられたんだ。もうショックで何も信じられず、こんなことをした連中に嫌悪感を抱いている。」

ピーナッツとフレッドがDECに押収された後、ネット上では2匹を取り戻すための署名活動が行われた。また、訴訟のための資金調達も行われ、多くの人がマークさんを支援した。しかし、残念ながら2匹は押収されてすぐに安楽死させられた。DECは今月1日、声明で次のように述べた。

「10月30日、DECは人間と一緒に生活していたリスとアライグマを押収しました。これらは人間に狂犬病を感染させるリスクがありました。また、捜索に関わった職員がリスに噛まれたため、狂犬病の検査をするために2匹の動物を安楽死させました。現在検査中であり、これらの動物と接触した人には、医師への相談を強く勧めています。」

7年間一緒に過ごしてきたピーナッツが安楽死させられたことに、マークさんとダニエラさんは深い悲しみに包まれ、今月2日に2人はInstagramに動画を投稿し、涙ながらにピーナッツに感謝の気持ちを伝えた。そしてユーザーからは、DECに対して「なぜ罪のない動物にこんなことができるのか」「無意味な行為だ。残念で嫌気がさす」といった非難の声が上がっている。

なお、ニューヨーク州法に基づき、野生動物を合法的に飼うには教育用動物として登録する必要がある。米ニュースメディア『ABC News』では、マークさんとダニエラさんはピーナッツを教育用動物として認定を受けるための申請書類を準備していたと報じている。

ちなみにマークさんとダニエラさんは、2023年4月に非営利団体「ピーナッツ・フリーダム・ファーム・アニマル・サンクチュアリ(P’Nuts Freedom Farm Animal Sanctuary)」を立ち上げ、現在は馬、ヤギ、アルパカなど多種多様な約300頭の動物を飼育している。

画像は『Peanut The Squirrel Instagram「Well internet, you WON.」「Squirrel mom take over」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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