【大相撲】歴代横綱の出身地ランキングと優勝回数 大の里は阿武松、輪島に次いで石川県3人目
石川から輪島以来52年ぶりの横綱昇進
大相撲5月場所で2場所連続優勝を果たした大の里の横綱昇進が正式に決まった。日本出身の横綱誕生は、師匠・稀勢の里(現二所ノ関親方)以来8年ぶり。所要13場所での昇進は輪島の21場所を大幅に更新する最速記録となった。
茨城県阿見町の二所ノ関部屋で臨んだ昇進伝達式で「横綱の地位を汚さぬよう稽古に精進し、唯一無二の横綱を目指します」と口上を述べた大の里。石川県出身の横綱は、前最速記録保持者の輪島が1973年に昇進して以来52年ぶりとなった。
大の里は第75代横綱。75人を出身地別にランキングにしたのが下の表だ。順に見ていこう。
最多8人の北海道に6人の青森県とモンゴルが続く
最多は8人の横綱を輩出した北海道。千代の山、吉葉山、大鵬、北の富士、北の湖、千代の富士、北勝海、大乃国とそうそうたる名横綱ばかりで、優勝回数を合計すると114回に上る。ただ、以前に比べると近年は目立っておらず、5月場所の幕内では西前頭四枚目の一山本が唯一の北海道出身となっている。
2位は青森県とモンゴルが6人で並ぶ。青森は鏡里、若乃花(初代)、栃ノ海、若乃花(二代)、隆の里、旭富士の面々。優勝回数の合計は29回だ。
モンゴルは最も古い横綱でも第68代の朝青龍。その後、第69代の白鵬から第70代日馬富士、第71代鶴竜、第73代照ノ富士、第74代豊昇龍と最近の横綱はほぼモンゴル勢となっている。優勝回数の合計も97回と北海道に迫る勢いだ。
4位は東京都、鹿児島県、茨城県、千葉県、宮城県が4人で並ぶ。東京には計27回優勝の若貴兄弟、茨城には大の里の師匠・稀勢の里の名前もあるが、比較的古い横綱が多い。
大の里を輩出した石川県は3人で3位タイ。 第6代横綱の阿武松は1828年(文政11年)3月~1835年(天保6年)10月に横綱として活躍した。輪島以来の横綱となった大の里はこれから息の長い活躍が期待される。
愛知県は大錦、前田山、玉の海の3人。大正時代に活躍した大錦は大阪相撲で6回優勝した。
栃木県は明石、綾川、栃木山の3人。初代横綱の明石は江戸時代、下野国宇都宮(現在の栃木県宇都宮市)出身とされ、江戸勧進相撲(職業相撲)の創始者とも言われている。
ハワイは曙と武蔵丸の2人
9位はハワイ、富山県、三重県、福岡県、熊本県が2人で並ぶ。 ハワイは優勝11回の曙と12回の武蔵丸。モンゴル勢が勢力を拡大する前はハワイ勢が土俵を盛り上げた。
富山県は梅ケ谷(二代)と太刀山。太刀山は年2場所しかなかった明治時代後期から大正時代にかけて9回も優勝した名横綱だった。
三重県は三重ノ海と双羽黒。双羽黒は優勝経験のないまま将来性を買われて22歳11カ月で横綱に昇進したが、トラブルで部屋を脱走し、廃業となった。
福岡県は雲龍と梅ケ谷(初代)。雲龍は筑後国山門郡大和村(現在の福岡県柳川市)出身で、「雲龍型」土俵入りの由来となった力士とされる。
熊本県は第8代横綱の不知火諾右衛門と第11代横綱の不知火光右衛門。「不知火型」土俵入りは弟子の不知火光右衛門が由来とされている。
そのほか、1人輩出の大分県(双葉山)、岡山県(常ノ花)、兵庫県(大木戸)、高知県(玉錦)、新潟県(羽黒山)、長崎県(佐田の山)、大阪府(大錦)、山形県(柏戸)、鳥取県(琴櫻)、岩手県(宮城山)、秋田県(照國)、神奈川県(武蔵山)、広島県(安藝ノ海)、滋賀県(小野川)、島根県(陣幕)、岐阜県(鬼面山)が並ぶ。
長い相撲の歴史上でも、横綱はたった75人しか誕生していない。大の里は歴史に残る名横綱となるか注目だ。
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記事:SPAIA編集部