釣りに最適な虫除けアイテム6選【アングラーが実践する害虫対策も紹介】
気温が高い季節の釣行で必須なのが害虫対策だ。アングラーが実践する対策&おすすめの虫除けグッズをまとめてみた。
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気温が高い季節の釣行で必須なのが害虫対策だ。アングラーが実践する対策&おすすめの虫除けグッズをまとめてみた。
写真と文◎編集部
釣り場で出会う厄介な害虫の種類&対策
まずは釣り場で出会う厄介な虫たちを紹介する。
蚊
多くの人を悩ませる蚊は、市街地から山中、家屋内に至るまで広く生息する。日本に約100種いるうち吸血するのは30種ほどで、特にヒトスジシマカ(ヤブ蚊)とイエカ類が代表的だ。
蚊から身を守るには、複数の対策を組み合わせることが肝心。まず、ヤブ蚊の潜伏場所である藪には、活動が活発になる夕方を中心になるべく近づかないこと。次に、蚊を誘引する汗や常在菌の匂いを抑えるため、体を清潔に保つこと。
そして、これらの対策に加え、虫除けスプレーの使用や、長袖・長ズボンで肌の露出を抑えるといった基本的な防御策も有効になる。
アブ・ブユ
蚊以上に厄介なのが吸血性のアブやブユ。ハエ類に似た外見で哺乳類に忍び寄り血を吸う。刺されると大きな炎症を起こす場合もあり対策が必要。地域によっては大量発生して数十匹の群れで襲ってくることもある。
虫よけ各種のほか、肌を露出しない、黒い服に寄って来るので明るい色のウエアを着用するなどの対策がある。また複数人で林道を歩く際は先頭の人が最も襲われるので順番をローテーションして被害を減らせる場合もある。
ヤマビル
地面から襲ってくる吸血生物がヒルだ。ヤマビルと呼ばれる陸上生活をするタイプが厄介で、歩き続けていてもいつの間にか靴に取り付き、衣類の隙間から器用に潜り込んで吸血する。
対策としてまずは肌まで入り込める隙間を作らないこと。市販の忌避剤スプレーを足にかけるのも有効。ただしウエーディングすると流されて効果が無くなるので、足もとを頻繁に確認して上ってきたのを見つけ次第直接吹きかけるのが確実だ。
マダニ
森林の草葉に潜み、動物が通りかかるのを待ち構えているのがマダニだ。動物が発する体温や振動、二酸化炭素を感知すると素早く乗り移り、吸血に適した柔らかい場所を探し始める。
特に釣り人が藪を漕いだ後などに被害に遭うケースが多く、体に付着したマダニを吸血前に発見・除去するため、こまめな確認が重要となる。
近年、このマダニがSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という危険なウイルスを媒介することが判明し、改めて注意が喚起されている。そのため、渓流釣りなどで接触機会が増える際には、長袖・長ズボンで肌の露出を避けるとともに、虫除け剤を併用するなど、確実な対策を講じることが不可欠である。
メマトイ
目の周囲を飛び回る迷惑害虫。目に入る危険もあるし、なによりストレス。ハッカ油などが有効のほか、空調ウエアの首から吹き抜ける気流で追い払えたという証言もある
釣りに役立つおすすめ虫除けアイテム
【北見ハッカ通商】ハッカ油ボトル
対象害虫:蚊・メマトイ・アブ・マダニ
蚊やメマトイなどを避けるのに有効なのがハッカ油だ。アブにも相手が少数であれば効果がある。原液で売られているものと虫よけ用にスプレーボトルで売られているものがある。原液は希釈してスプレーボトルに入れて使う。100ml作る方法は、無水エタノール10mlにハッカ油を数滴(肌に刺激があるため少量から試す)加えたものを水90mlで希釈すればOK。ハッカ油は水に溶けにくいため予めエタノールと混ぜて均質化するとともに揮発性を高める。メマトイ対策には帽子のつばにつけるとよい。
【エコ・トレード】ヒル下がりのジョニー
対象害虫:ヒル
ヒル対策スプレーとして近年人気なのが「ヒル下がりのジョニー」。アウトドアウエアの生地に悪影響がある虫よけ成分・ディートが入っていないのが特徴。利根川水系の渓流をホームとする小林和則さんはこのタイプのスプレーを愛用している。「雨上がり時にヒルの生息域を歩くとヒルが数匹上がってくるので、ウエーダーのひざ下に多めにかけます。吸われた場合はヒルに直接スプレーすれば落ちます」
【アース製薬】はだまも
対象害虫:蚊・メマトイ・アブ・ヒル・マダニ
一般的な虫よけスプレーもあるとよい。飛翔タイプの虫を寄せ付けない用途のほか、衣類についたヒルに吹きかけるとポロっと落ちてくれる。テンカラ釣りの名手の大沢健治さんはハッカ油とブレンドして使っている。「60mlボトルの市販の虫よけを半分使ったら、『シーブリーズ』などの爽快感の出る制汗剤(デオウォーター)をもう半分加えます。これは揮発性を高めるねらいです。そこにハッカ油を7~8滴混ぜて、あらゆる虫よけに使っています」
【Foxfire】SCプルオーバーフーディ
対象:蚊・アブ
防虫成分を含む生地で作られたウエアも人気。Foxfireの「着る防虫スコーロン」シリーズはアース製薬と帝人が共同開発した生地・スコーロンを採用。害虫が止まっても忌避成分で追い払える。
UVカット機能もあるので日焼け対策にもなる。肌の露出を少なくできる長袖のフーディーで、アブが寄って来にくい明るい色を選ぶとよい。それでも豪胆なアブが血を吸おうとしてきたときに、肌まで口が届かないようメッシュタイプのインナーを下に着るのもおすすめだ。
【Foxfire】SCカーゴパンツ
対象:蚊・アブ・マダニ
マダニ対策にも有効なスコーロン素材を採用したカーゴパンツ。盛夏のフィールドでも快適に着用できるよう、薄手で動きやすいストレッチ素材を使用しているのも特徴。
【センスオブグレース】インセクトシールドサファリハット
対象:蚊・アブ
こちらは米国のInsectShield社が開発した生地を採用した防虫生地のハット。キク科の植物に含まれる天然由来の成分を人工的に再現した「ペルメトリン」という虫よけ成分を繊維に固着させており、高い防虫効果を発揮する。また、紫外線カット・吸水速乾性素材を使用しており暑い夏を快適に過ごせるのも嬉しいポイントだ。
※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。