春の高校バレー県予選特集 男子(2)別府鶴見丘 ポジションを見直し、守備強化でチーム力向上 【大分県】
高校バレーボール最大の大会「春の高校バレー」の出場権を懸けた県予選が始まる。栄冠を手にするのは―。ここでは優勝候補となるシード4校を紹介する。
平成最後の春の高校バレーに出場して以降、優勝から遠ざかっている別府鶴見丘。4強入りは果たしているが、かつての王者は満足する訳にはいかない。もがき、時に苦しみながら見据えるのは優勝の二文字。県予選ではチーム一丸となって頂点を目指す。
県高校総体後、3年生1人、2年生7人、1年生10人の若いチームとなった。大分南、大分工業は不参加ではあったが9月の県高校フレッシュバレーボール優勝大会で優勝するなど仕上がりは上々だ。現在は、ただ一人残った3年生の遠々内慎をキャプテンに据え、ポジションの見直し、守備の強化でさらなるチーム力の向上を図っている。「ボールをつなぐ方法を明確にし、ミスをしないシステムを構築している。なぜミスが起きるのか、自分は何をするべきなのかを考えながらプレーできるようになることが重要」と舞裕太監督。1、2年生中心のチームのため、まだまだ発展途上であることは否めないが、選手のモチベーションは高く、日に日に一体感は増している。
役割を明確にし、迷いが消えた
チームの精神的支柱となっているのは唯一の3年生である遠々内。キャプテン、司令塔であるセッターと2役をこなしながら、周囲に気を配り、しっかりと下級生をまとめている。「全九州バレーボール総合選手権大会県予選、県高校総体と結果が出せず、ずっと悔しい思いをしてきた。優勝して監督や保護者に恩返しをしたい」と高校最後の大会となる春の高校バレーへの思いは強い。
そんな遠々内を支えようと下級生も必死だ。攻撃の軸となるミドルブロッカーの佐藤亮介(2年)は「残ってくれたキャプテンのためにもいいプレーで貢献したい」、アウトサイドヒッターの一宮斗眞(同)は「身長など不利な部分もあるが、器用なプレーをすることで勝機はある。絶対に勝つ」と優勝を見据え、ひたむきに練習に取り組んでいる。
「(県高校総体決勝の)大分南と大分工業の戦いを見て、改めて粘りの大切さを感じた。ラリーを制する者が勝つ。しつこさ、粘り強さを持てと選手たちには厳しく伝えている」と語った舞監督。高さやパワーにおいては、覇権を争う大分南や大分工業に一歩及ばないが、その分、拾い、つなぎ、粘りのプレーで勝利をつかみ取る覚悟だ。
6年ぶりの優勝を目指す
(甲斐理恵)