猫暮らしでは避けたほうがいい『NGな床』4選 トラブル回避の改善方法も
1.フローリング
住居の床として一般的なフローリングですが、猫にとっては滑りやすく安定感に乏しい床材です。特に子猫や高齢猫はバランスを崩しやすくなり、転んだりケガをしたりする可能性があります。
しっかりグリップが利くように定期的に爪を切って肉球の間の毛を刈ること、カーペットやマットなど滑りにくい素材のものを敷くことで歩いたり走ったりする時に安定して、転倒やケガのリスクを減らせます。
また、フローリングは室温の影響を受けやすい床材なので、寒さや暑さの対策も必須です。季節によって毛布や冷感マットなどを使い分けて、猫が快適に過ごせるようにしましょう。
2.畳
優れた断熱性と保温性を持ち、適度に柔らかさもある畳は猫が好きな床材です。ただし、メリットが多い一方で、爪とぎのツールにされてしまったりマーキングや嘔吐などで汚れると手入れがしづらいという難点もあります。
賃貸の部屋で畳をボロボロにされると、傷や汚れの程度によっては退去時に修繕費用の請求をされる可能性があるため注意が必要です。
また、爪とぎや経年劣化などが原因で畳がささくれている場合、猫の肉球に刺さってケガをする危険も出てきます。畳を張ってからの期間によって、裏返しや新調など適切なメンテナンスをしましょう。
高い撥水性や耐久性があるペット用の畳を張るのも良い対策になるでしょう。
3.床暖房
寒がりな猫も快適にぬくぬく過ごせる床暖房ですが、人間と同じ感覚で温度設定をしないように注意しましょう。というのも、寒い時期になると猫はあたたかい場合で長時間同じ体勢のまま動かないことが多く、低温やけどになってしまうリスクが高いからです。
猫が低温やけどになるとしきりに舐めたり脱毛が見られますが、床暖房が悪さをしているとは気づかないためその場に居続けて悪化してしまいます。
44度で約6時間以上、46では約1時間以上でやけど状態になってしまうと言われているため、猫がいる環境で床暖房を使う時は温度を30~32℃と低めに設定し、長時間使わないように気をつけましょう。床暖房の種類は熱くなりすぎない温水式がおすすめです。
4.ラグや絨毯
インテリアの一環や猫の滑り止め対策にラグや絨毯を敷くことがありますが、特に毛足が長めのラグや絨毯は猫が誤飲したりケガにつながる危険があるため、あまり使用はおすすめできません。
誤飲したラグや絨毯の一部がウンチと一緒に体外に出てくれば良いのですが、消化されないためお腹に溜まって腸閉塞を起こす可能性があります。また、爪が伸びていて引っかかってケガをしてしまうことも考えられるため、できるだけ毛足が短いものを選ぶのがポイントです。
まとめ
人間にとっては快適に過ごせる床材でも、猫にとっては滑りやすかったりケガのリスクがあったりと危険度の高いものかもしれません。しかし、適切に対策をすれば、床材の良いところや猫にとってのメリットを十分に感じつつ安全性も高めることができるでしょう。
猫は自分で危険をコントロールすることができないので、飼い主が細心の注意を払って、快適かつ安全に過ごせるようにきちんと配慮を行うことが大切です。
今一度、自宅の床に危険が潜んでいないか見直してみてはいかがでしょうか。
(獣医師監修:葛野宗)