落合中3年 川口選手がウィンブルドン制す U14シングル、日本人初
全試合ストレート
市内落合在住の川口孝大選手(14/落合中学3年)がこのほど、テニスのウィンブルドンU14シングルスに出場し、同種目で日本人初の優勝を果たした。川口選手は8月22日に市役所を訪問し、阿部裕行市長に優勝報告を行った。
イギリスロンドンにあるテニスの聖地・ウィンブルドンの14歳以下の部は2022年に創設された。これまでも日本人選手が出場していたが、川口選手は日本テニス協会の強化選手でもあり、5月に開かれた全国選抜大会で優勝したこともあって出場権を手にした。
大会は7月11日に始まり16人が出場した。4人ずつ4つのグループに分かれ総当たりのリーグ戦を戦い、川口選手は3戦全勝でリーグ戦を突破。各グループの1位になった4人で行われた決勝トーナメントに進んだ川口選手は準決勝で勝利し、決勝に進んだ。
迎えた決勝戦ではアメリカの選手と対戦、6―2、6―2のストレートで圧勝。リーグ戦から全試合ストレート勝ちをおさめ完全優勝を果たした。
阿部市長に報告
市役所を訪れた川口選手は「出場が決まりうれしくて、動画を見て研究していった。テニスの聖地ウィンブルドンで初めてプレーできて楽しかった」と振り返る。初めて天然芝でのプレーだったというが、「芝でのプレーでボールがはねなくて対応が難しかったが、練習していくうちにスライスサーブが有効的だと思った」と4日間の練習で芝への対策をとっていったという。
試合では、先輩の選手から「ボレーやネットプレーに積極的に出た方がよい」とのアドバイスを受けていたことから、ボレーによりポイントが多くとれたという。川口選手は「ウィンブルドンは観客が多く最初は緊張したが、徐々に慣れてきて楽しめながらプレーできた。日本人初ということと優勝カップをもらえてうれしかった」と喜びを表した。会場ではカルロス・アルカラス選手やジョコビッチ選手など憧れの選手とも会い、「写真を一緒に撮ってもらった」と笑顔を見せた。
阿部市長は「ウィンブルドンのコートに立つことはすごいこと。その中で日本人で初めて優勝できたことはさらにすごいこと」と賛辞を送った。
市内に横断幕
多摩市は川口選手の快挙を祝い、9月13日(金)まで市内各地に横断幕を設置する。場所は聖蹟桜ヶ丘駅ヴィータブリッジ、多摩センター駅パルテノン大通り。9月14日以降は、永山駅周辺にも掲出予定だという。
兄がテニスをしていた影響もあり、4歳から市内のスクールでテニスを始めた川口選手は現在、八王子市のテニスクラブで練習を重ねている。今後、国際大会に出場するためには外国人選手と対戦して国際ポイントを獲得していく必要があり、中学卒業後はポイント獲得に力を入れるという。
将来挑戦したいこととして川口選手は、ウィンブルドンはもちろんのこと、「クレーコートが好きなので全仏オープンに出場して優勝したい」と語った。
祝福給食も
市は、川口選手の快挙を祝い、公立小中学校の給食で「ウィンブルドン優勝おめでとう献立」を提供する。メニューは開催国イギリスの料理だ。
肉や野菜、大麦などが入ったスコットランドの代表的なスープのスコッチブロスと白身魚フライとポテトのフィッシュアンドチップスが提供される。
落合中を含むBコースは9月10日(火)、和田中などAコースは11日に提供される。市は「イギリス料理を食べながら、川口さんの優勝をお祝いしましょう」と話している。