2025年は黒潮大蛇行終了で<サンマ>の当たり年? 200円で売っていたサンマを実食レポ
秋が旬の魚といえば多くの人がサンマを思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、サンマは近年不漁が続いており、2010年から減少傾向を示しています。その後、2019年には水揚量が5万トンを下回り記録的な不漁となっていました。
そんなサンマ漁ですが、今年は昨年と比較して好調だといいます。話題のサンマを実際に味わってみました。
黒潮大蛇行が終息→サンマ漁好転?
サンマが不漁だった要因は色々と推測されていますが、そのひとつとして考えられているのが「黒潮大蛇行」。
黒潮大蛇行とは、紀伊半島沖の黒潮が岸から離れ大きく曲がってしまう現象で、1年程度で終わる場合もあれば数年にわたり続くこともあるようです。高水温の水を運搬する黒潮大蛇行の流路位置の変化は表層の魚に大きな影響を与えると考えられています。
気象庁は今年8月、「2017年8月に発生した黒潮大蛇行は7年9か月継続し、2025年4月に終息しました」と発表。過去最長の黒潮大蛇行が終わりました。
一方、今年起きたサンマ漁の好転。これらの2つの事象を結びつけて、黒潮大蛇行の終息がサンマ漁の好転に繋がったのではないかと注目を集めています。
200円のサンマを買って食べてみた
筆者が実際にスーパーの魚売り場を覗きに行ってみると、サンマが所狭しと並べられていました。
1尾ずつ売っているものを買っている人はもちろん、数えきれないほどサンマが入った鮮魚用発泡スチロール容器を抱えて、丸ごと購入しようとしている人の姿も見られるほどの大人気です。
サンマの値段を見てみると1尾およそ200円。大量に買いたくなる気持ちにも納得です。
購入した新物のサンマはふっくらした厚みがあり、口先が黄色く、目は透き通っています。調理する前から「美味しいサンマだろう」と予想ができます。
表面に切れ目を入れて下処理したら、塩を振って焼けば「サンマの塩焼き」の完成。アルミホイルをしいてグリルで焼きましたが、脂のりが良すぎて身から脂が滴っていました。
パリッとした皮と旨味たっぷりの引き締まった身が特徴のサンマは絶品。ごはんを食べる手が止まらないほど美味しくて、しっかり食べ応えがありました。
サンマは冷凍保存がお得
これだけ美味しいサンマが200円で買える今は、まさに買い時といえるでしょう。しかし、サンマをはじめとした青魚は傷みやすいことが特徴です。
そこでおすすめしたいのが冷凍保存。
サンマを冷凍保存するときは、食中毒を予防するためにも新鮮なサンマを綺麗な流水で洗い、キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取ることが大切です。その後、乾燥防止のため、1尾ずつラップなどでピッタリ包んで冷凍しましょう。
頭を落とし内臓を取り除いてから冷凍するのもおすすめ。サンマが大きい場合は、カットするのもよいでしょう。
冷凍したサンマはできるだけ早めに味わうようにし、しっかり火を通して食べるように注意してくださいね。
2025年はサンマの当たり年!
今年のサンマは旨味と脂たっぷりで、食卓の主役間違いなし!
シンプルな塩焼きでも香り高く、十分おいしく味わえた2025年はしりのサンマ。鮮魚店で見つけたら、ぜひ購入してみてくださいね。
(サカナトライター:井村詩織)
参考文献
JAFIC一般社団法人漁業情報サービスセンター:2019年以降のサンマの歴史的不漁と黒潮大蛇行に伴う黒潮続流第一の峰の北偏