藤沢市 手話AI実証実験 動作を自動で文字へ
藤沢市が21日から、AI(人工知能)を活用して手話の動作を文字にする双方向コミュニケーションシステムの実証実験を実施している。担当の市障がい者支援課では「手話が普及する一助になれば」と期待を寄せる。
実証実験のシステムは、ソフトバンク株式会社が開発した「SureTalk(シュアトーク)」。専用の端末を使用し、手話の動作をカメラで読み取ると、瞬時に文字が表示される。マイクから取り込んだ音声も文字化され、ろう者と健常者の双方がリアルタイムで意思疎通できる。同システムの神奈川県内自治体での実証実験は初。
市では、手話通訳者の派遣や手話講習会など手話を使いやすい環境づくりを進めており、今回の実証実験もこの一環。
実施場所は市役所本庁舎2階の同課窓口。同課では常に1人は手話通訳のできる職員を配置する体制を取っており、1日に3人ほど手話での来庁相談があるという。手話通訳の職員は、同システムがあることで「来庁者の相談目的が分かるだけでも、窓口対応する職員の負担が軽減されるのでは」と話す。
一方で、動作の読み込みや地名など課題も浮き彫りになってきた。
手話では「藤沢」という単語だけでも複数の動作があり、実際に手話の動作を文字化すると「藤原」と表示されることもあった。また、「分ける」と「久しぶり」など、似た動きの判別も難易度が高い。「人それぞれ手話の動作に違いがあり、難読の地名などもデータの学習と蓄積が必要になる」という。同課では手話通訳者による検証を行い、今後は来庁者の対応のほか、手話講習会での活用も予定している。実証実験は9月30日まで。
同システムは、2月19日(水)から24日(月)まで開催される「デジタル福祉フェア」での展示や体験も行われる。会場はロボテラス(辻堂神台2の2の1)で時間は午前10時から午後5時。