相模原市 子育て支援施策加速 社会全体で見守りを
相模原市は4月1日、子育て世代が安心して子どもを産み育てられる社会を実現を目的に「相模原市子育て応援条例」を施行した。社会全体で子育てを応援する意識を高めることをめざし、経済的負担の軽減、切れ目のない子育て支援、子育てにやさしいまちづくりを推進する。
相模原市は「子育てするなら相模原」をスローガンに掲げ、子育て支援施策に力点を置いた取り組みを展開しており、利便性や豊かな自然、充実の子育て支援などから子育て世代の転入増が続いている。2025年度の当初予算では、子育て・教育事業に前年度に比べて3・5倍となる61億円を計上した。
今回の条例制定の背景には、経済的な不安定さ、仕事と子育ての両立の難しさなど、子育てを取り巻く環境が厳しさを増していることなどがある。市は条例施行により、一人ひとりができることを行い、社会全体で子育て世代を支えていく像を描いており、子育て支援施策をさらに加速したい考えだ。
「誰もが一人ひとり異なる存在であり、結婚や子育てには多様な価値観があることを認め、これを尊重すること」を基本理念に、【1】経済的負担の軽減【2】切れ目のない子育て支援【3】子育てにやさしいまちづくりを推進していく。
今年度の取組は
「経済的負担軽減策」としては、小学校入学に際し一時的に経済的負担が大きくなる世帯の負担軽減を目的とした市立小学校1年生の学校給食費無償化、市立小中学校や公立保育所等の給食食材費の一部支援、不登校児童生徒の学校外での居場所・学びの場を確保するフリースクール等への通所費用の支援、家庭に持ち帰って使用する機会の少ない学用品の一部を学校の物品として購入する教材等整備事業、低所得者世帯の中学3年生らの学習塾代などを支援するスタディクーポン事業、修学旅行費の一部支援などが盛り込まれた。
「切れ目のない子育て支援」としては、医療機関などで実施する妊婦健診の費用を一部助成する事業の助成額の増額、1か月児健診への助成(最大5千円)、さがみはら休日一時保育の拡充などを実施する。
「子育てにやさしいまちづくり」としては、淵野辺公園へのふわふわドーム、相模原麻溝公園にロングすべり台の設置へ向けた設計、公共施設へのキッズコーナー整備などを進めていく予定だという。