吉川茉優[ライブレポート]表現力の豊かな歌声をたっぷり響かせたバースデーライブ
ソロアーティスト・吉川茉優が、5月25日(日)に東京・原宿RUIDOでワンマンライブ<吉川茉優27th Birthday Live>を開催した。
2022年5月にアップアップガールズ(2)を卒業し、同年6月から本格的にソロアーティストの道を歩み始めた吉川。同公演は、5月28日に27歳の誕生日を迎える彼女の3日前倒しのバースデーライブとなる。ライブにはサポートメンバーとして、作曲家でシンガーソングライターの櫻井純気(Key)、吉川の楽曲を多く手掛ける赤羽ニューロマンチカのMitsuo(G)が参加し吉川を強力バックアップ。楽曲の世界観がさらに広がる、躍動感あふれるライブがくり広げられた。ライブ中には、吉川のソロ3周年を祝うワンマンライブが、7月3日(木)に渋谷LOFT HEAVENで開催されることが発表された。
本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。
大勢の観客が詰めかけた会場に吉川がステージに登場すると、櫻井とMitsuoの演奏とともに「桜の栞」からライブをスタート。吉川は、出会いと別れの切ない想いを熱く歌い上げていく。観客の拍手が巻き起こる中、彼女はライブの勢いを上げるようにアップリフティングな「圧倒的スター」を歌唱し、会場のボルテージを一気に高めた。
MCタイムで吉川は“今日は来てくださってありがとうございます! 楽しみで仕方がないバースデーライブがついに始まっちゃったよって感じなんですけど、始まったら止まらないですからね。みなさんもうかうかしてられないですよ”とライブへのワクワク感を笑顔で語る。続けて“私は3日後がお誕生日なんですけど、バースデーライブってことで、みんなからのおめでとうもらっちゃっていいですか?”と、お客さんにお祝いをおねだり。彼女の“お誕生日!”の声に続いて観客が“おめでとう!!”を大きく叫ぶ。にこやかな吉川は“うわー幸せです、ありがとうございます! 今日は、みなさんと一緒に幸せな時間を過ごしていきたいと思います!”とライブに込める想いを語った。
ライブに戻ると、吉川は自らエレキギターを手にし、「わたしだってドリーミングガール」を披露する。恋する女の子の想いをポップに歌った彼女は、エモーショナルなロックナンバー「お前の上でダンスを踊る」で、カッコいい姿を見せる。さらに、エレクトロニックなポップダンスナンバー「ユメノツヅキ」を歌唱し、ライブのギアをどんどん上げていく。そして、地元秋田県をレペゼンするラップチューン「BABAHERA」をドロップ。吉川は、Mitsuo扮するナマハゲとともに会場を大きな縦ノリで揺らした。
MCタイムで吉川は、27歳の目標として“26歳はたくさんライブをしたいって言って、みなさんのおかげでたくさんライブができたんですよ。27歳はもっとライブの質を上げて、みなさんの満足度をもっと上げられるアーティストになりたいなと思います”とさらに向上していく想いを口にした。
吉川は、ここから会場の熱気をクールダウンするように、心地いいミッドポップナンバー「言えないリクエスト」、恋する甘い想いを描いた「甘雨」、スウィングポップの「黄色」という落ち着いた楽曲で観客を楽しませていった。続く「デイジー」は、吉川が初出演した舞台<エンターテインメント風集団秘密兵器MISSION IN POSITIVE 30th Attack「白か、黒か。」>の挿入歌として作られたスローチューン。彼女は、心の奥を歌うような深い世界観を歌に入り込んで届けていく。真剣な眼差しで繊細なメロディを歌う姿は、吉川がアーティストとしてさらに一歩前に進んだ証明と言っていい瞬間だった。
ライブは早くもラストスパートに突入すると、吉川はノリノリアップナンバー「love rescue」で会場をブチアゲる。「夏兎」は吉川が作詞&作曲を手掛けたサマーチューン。吉川と観客は一緒にタオルを回し、夏先取りモードで熱い盛り上がり。そして、ラブリーなシンセポップナンバー「愛はさ」をドロップ。笑顔いっぱいの彼女は、キャッチーなサウンドで明るい一体感を作り上げた。
ライブもラスト1曲に迫ったタイミングで、彼女はソロ3周年を記念したワンマンライブを7月3日(木)に渋谷LOFT HEAVENで開催することを発表。“この日は、アコースティックなライブにしようと思います。ゆっくりご飯を食べながら、私の歌をしっとり聴くようなイベントにしたいです”と、新たなライブスタイルにチャレンジすることを併せて語った。
そして、ラストナンバーで新曲を初披露するという。“私は13歳からアイドル活動をして、(歌手活動が)14年目になるんですけど、その中でたくさん出会いを別れをたくさん経験してきたんですよ。私は冷たい人と思われることが多いんですけど、それって、ホントにつらい別れとかをたくさん経験して変に強くなったんだろうなって思うんですね。でもソロになって、ちょっと普通の人間の感覚が戻ってきたというか(笑)。人にも「接しやすくなったね」って言われたりするんです。こうして1人で活動するになったことで、より、みんながここに来てくれることのありがたみとか、こういう活動をできることのありがたみをたくさん感じるんです。私は、ずっとこのステージに立っていたいって思うんですよ。少しでも長くこの幸せな時間が続くように、もっとみんなと一緒にいたいですって想いを込めて書いた新曲になってます”と、新曲に込めた想いをコメント。
そして吉川は、初披露の新曲「NEVER ENDING ROAD」を歌唱。彼女は英語を織り交ぜた歌詞をエモく明るく歌い、観客もコーラスで熱くサポート。ハートフルな空気でライブ本編はフィニッシュとなった。
観客からの大まーちゃんコールが鳴り響き、再び吉川、櫻井、Mitsuoの3人がステージに登場。すると観客のハッピーバースデーの大合唱が巻き起こった。吉川はリアルに驚き、喜びを露わにする。そして“今日の生誕ライブ、ソールドアウト目指してたんですけどできませんでした。ごめんなさい。でも、次は絶対にソールドアウトしたいです。27歳のまーちゃん進化して、みんなを(次の目標の)クラブチッタに連れて行けるように頑張ります!”と前向きな想いを語ると、観客も大きな拍手で彼女のバックアップを約束した。そして再び「圧倒的スター」をアンコールで披露し、会場の空気を熱々にしてライブを締め括った。
吉川はソロになってから多くの楽曲の作詞を手掛けており、ライブではソフトでありながら芯の強いボーカルを駆使して、自身の想いをよりダイレクトに伝えてくれる。今回のライブでは、さらに磨きのかかった表現力の豊かさも垣間見れ、アーティストとしてさらに前進していることを確信させた。まだまだ上を目指し頑張っていく、吉川茉優の今後の活動に期待してほしい。