新京成が京成松戸線になって7カ月 ファン感謝イベント「サンクスフェスタ」くぬぎ山車庫で盛況に開催【コラム】
2025年4月1日、親会社の京成電鉄に吸収合併され、「京成松戸線」として再スタートを切った千葉県の準大手私鉄・新京成電鉄。
駅のカラーリングは京成バージョンにモードチェンジされましたが、ジェントルピングが基調色の電車はまだまだ現役。それでも、京成レッドやインペリアルブルーの帯を巻いた〝京成カラーの新京成電車〟への乗車機会も増えてきました。
そんな京成松戸線をお披露目する機会として2025年10月25日、松戸、鎌ケ谷の両市にまたがる、くぬぎ山車庫で開かれたのが「サンクスフェスタ」です。
初回は1994年、30年を超す歴史を持つイベントは、主催が新京成から京成に変わっても人気健在。大勢のファンや家族連れが会場を訪れて写真を撮ったり、ミニトレインへの乗車を楽しみました。
6本の電車がお出迎え
京成松戸線としての一般向け催しは今回が初めて。「京成グループお客様感謝イベント2025」のタイトルが付きました。京成グループは、BMK推進運動こと「ベストマナー向上推進運動」を展開中で、サンクスフェスタも運動の一環と位置付けます。
まずはフェスタの定番、車両展示へ。8800形、3500形、8800形、8900形、N800形、80000形の6本が横並びで、来場者をお出迎えします。
写真で左端の8800形だけ停止位置がずれているのは、この車両だけが本来の展示車両ではないため。たまたま入庫していた縁で〝飛び入り出演〟と相なりました。同じ8800形でも、京成カラーと新京成カラーでは印象が大きく異なります。
左から2番目の3500形は、松戸線での運用のないゲストです。製造開始は1972年。1982年までの約10年間に24編成、96両が製作された古豪です。
3200形式デビューはこれから
京成の担当者の話では、京成カラーに変更された新京成車両はまだ10編成足らず。車両基地に入場の際にお色直しされていますが、松戸線の主役はまだまだジェントルピンクの新京成カラー。新京成ファンは当分、撮影機会がありそうです。
コアなファンはここが注目点かも。2025年2月にデビューした新鋭3200形電車です。新車としての松戸線への投入も予告されますが、今のところデビュー時期などは未定だそうです。
【参考】
京成電鉄の新型車両「3200形」報道公開 フレキシブルな仕様や車両デザイン、運用についてお伝えします(※2025年1月掲載記事)
https://tetsudo-ch.com/12995325.html
ところで、京成(新京成)ファンの皆さまからお叱りを受けるかもしれませんが、筆者は3200形と80000形、どうしても似た印象を受けてしまいます。
よくよく見れば3200形は前面が左右対称、80000形は非対称、側面も3200形は戸袋部に窓なし、80000形は先頭車両の運転席後部に戸袋窓ありと一定の違いがあるのですが……。
しかし、側面上部にインペリアルブルー、窓下に京成レッドの2本帯というカラーリングは共通。京成カラーの80000形に出会うたび、「ついに松戸線にも3200形が登場したか」と誤解してしまうのでした。
「松戸線に初乗車」(成田市のファン)
サンクスフェスタに戻って、会場に体験用車両として展示されていたのは80000形電車。前後の先頭車両が開放され、先頭車では運転台での撮影体験、後方車両では車掌放送体験と、鉄道イベントでの定番の催しが用意されました。
鉄道の実務ではドア開閉、踏切装置(遮断機と、踏切の異常を知らせる発光信号)の実演などがありました。
会場で熱心に撮影していた20歳代のファン。千葉県の成田市からやってきました。成田といえば、言わずとしれた京成のエリア。松戸線への乗車は今回が初めてで、新京成線が京成に仲間入りしたことを知って、くぬぎ山を訪れたそうです。
「沿線は自然豊かで、京成津田沼~松戸の全線でさまざまな鉄道に接続していて、アクセスも便利です。今後は1日掛けてゆっくり沿線散策したいと思います」と話してくれました。
11月8日には幕張メッセでバスイベント
会場出口の物販コーナーでは、京成電鉄本体と、駅構内でコンビニエンスストアを運営するコミュニティー京成をはじめとするグループ企業のほか、北総鉄道、関東鉄道、芝山鉄道の系列3社がブース共演しました。
京成はファンとのふれあいに熱心。直近では、京成バスなどバス会社5社の共催で2025年11月8日、千葉市の幕張メッセで「京成電鉄バスグループお客様感謝フェスティバル2025」を開催します。会場では、各社の新カラーリングバスをお披露目するそうです。
記事:上里夏生