古いと感じる企業風土は? 「前例に固執し効率が悪い」「時代遅れのルールが多い」などの反対意見
パーソルキャリア(東京都千代田区)の調査機関「Job総研」は2月25日、企業風土の実態調査の結果を発表。20歳代から50歳代の回答者のうち8割近くが、今の職場に「古い」企業風土を感じていることがわかった。
調査では、古いと感じる企業風土の定義や、変えた方がいいと感じている風土などをまとめている。
古いと感じる企業風土1位は「上司からの好感度が評価に影響」
「古い」企業風土の定義について複数回答で答えてもらったところ、トップは「上司からの好感度が評価に影響」で36.4%。「仕事と私生活の境界線がない」や「上司に逆らえない」が上位に挙がった。
今の職場において、古いと感じる風土が「ある」と感じている人の割合は、78.4%に達する。
古い企業風土の定義(N=653、複数回答可)
・上司からの好感度が評価に影響 36.4%
・仕事と私生活の境界線がない 32.8%
・上司に逆らえない 32.6%
・業務外の飲み会、行事参加の要請 30.9%
・失敗が許容されにくい 29.9%
・残業や急な出勤の要請 25.9%
・年齢、勤続年で給与、役職が決まる 25.0%
・一方的なトップダウンが多い 23.9%
「年齢、勤続年で給与、役職が決まる」風土への賛否は分かれる
古い風土の変化の必要性を聞くと、全回答者のうち約半数(50.2%)が、「変えた方がいい風土がある」と感じていることがわかった。内容を具体的に聞いたところ、最多はこちらも「上司からの好感度が評価に影響」で38.6%。次に「上司に逆らえない」で30.0%だった。
「業務外の飲み会、行事参加の要請」は、29.1%が変えた方がよいと考えており、自分に合っていると思う人は5.4%にとどまる。「年齢、勤続年で給与、役職が決まる」ことについては、自身に合っている企業風土として最も多くの人が挙げた(22.1%)一方で、変えた方がよいと考える人も26.0%いる。
古い風土がなくなった方がいいと思う人からは、その理由として「暗黙ルールが多い企業にいた際、『察して動け』といわれ戸惑った」や「年功序列の環境では、案を出しても『若いから』と軽視されモチベーションが下がった」という声が挙がった。
古い風土を持つ企業に反対7割、「古くからの規律は自らを律し成長させる」
古い風土を持つ企業には「反対」と回答した7割に、その理由を聞いたところ、「前例に固執し効率が悪い」が59.6%で最多。「時代の変化への対応力が少ない(56.1%)」、「時代遅れの制度やルールが多い(50.6%)」とともに5割を超えた。
一方、「古くからの規律やルールは自らを律し成長させる。皆で補いあい頑張る風土は残してほしい」という意見や、「過去から続く価値観があることで、社員が迷わず行動でき、組織の一体感を感じやすい」点から、古い風土を残した方がよいという人もいた。
「2025年 企業風土の実態調査」は、全国の20歳代から50歳代の男女(現在職を持つJobQ Town登録者)を対象に2月5日から2月10日の間インターネット調査で実施。有効回答数653人。発表の詳細は同社公式リリースにて確認できる。