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カリスマ的な「ジオい」山…岩と花に癒される世界でも珍しい貴重スポット【北海道・様似町~アポイ岳】

Sitakke

Sitakke

北海道生まれ北海道育ち。生粋の道産子であるHBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)が、趣味である「登山」と「山ごはん」を連載。

自分の足で歩いた先にある絶景と、おいしいごはんは、もう最高です!
文化部出身・運動神経ゼロの私でも楽しめる「コスパはなまる山」を紹介していきます~!

連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」

※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。

ユネスコ世界ジオパークのアポイ岳

日付:2025年5月27日
アポイ岳(標高810メートル)
北海道・様似町
登り3時間、下り2時間

山頂(見晴台)からの絶景度 ★★☆☆☆

登山レベル ★★★☆☆

周辺の施設充実度 ★★★★★

札幌市内からのアクセスの良さ度 ★★☆☆☆

個人的おすすめ度 ★★★★☆

ポイント

●北海道で2つしかない世界ジオパークで、珍しい固有種の宝庫
●まるで2000メートル級の高山のような景色
●麓にはキャンプ場や温泉施設、ビジターセンターまである

登山レポ

ビジターセンター前の顔はめパネル

日本百名山の一つ「幌尻岳」をはじめとした難所の多い日高山脈。

雄大な自然が広がる憧れの地ですが、実はこれまで足を踏み入れたことはありませんでした。

というのも、少しハードルが高いイメージで…
気になる存在だけど話しかけにくいから遠くから眺めている、クラスのカリスマ的な存在だったんです(笑)。

しかし、今回登った「アポイ岳」は唯一、公共交通機関で行ける場所。
札幌からは様似駅まで4時間ほどバスに揺られ、そこからもう1本バスを乗り継ぐと登山口まで行くことができます。(詳しくはアポイ岳ジオパークのHPをご覧ください!)

麓にあるビジターセンターや温泉施設、登山道の標識から町民の皆さんのアポイ愛が伝わってくる山でした!


午前5時40分 樹林帯の中をてくてく

まぶしい朝日!

札幌からアポイ岳登山口までは車で4時間以上かかるため、今回は麓のキャンプ場で前泊してから登山をしました。

しかし北海道の5月はまだまだ寒くて、夜中には気温が5度くらいまで下がり…
寒すぎて午前4時に目覚めました。

ゆっくり準備をして朝ごはんを食べて出発!

登り始めから1時間半弱、5合目避難小屋にたどり着くまでは樹林帯が続きます。
それほどキツイ傾斜はないですが、展望もないです。

のんびりおしゃべりをしながらハイキングを楽しみます。

防犯カメラがついている山を初めて見た気がします。
それだけ希少な高山植物が生えている山なのですね。

ぬかるんでいる箇所が多かったです。滑らないように注意してくださいね。

ちなみに写真には収めていませんが野生のシカにも遭遇しました。
鳥の鳴き声をBGMに、おさんぽ!
脳内で「さんぽ」が流れます。


午前7時 5合目に到着

登り始めて1時間半弱…5合目避難小屋に到着すると、急に視界が開けます。

先ほどまで展望ゼロだったのでこれはうれしい。
太平洋を眼前に望める景色に、テンションがあがります。

そしてアポイ岳は全体が「かんらん岩」で出来ています。

実は大学生のとき、地学を専攻していた私。
大学の「岩石部屋」で石の研究をしていたので、この「ジオい」山にはテンションが上がります。

もともとは地下数十キロメートルの深さにある上部マントルを構成していた岩石が、約1300万年前の大陸プレ-ト同士の衝突によって地表に姿を現したと考えられています。

かんらん岩

そんなかんらん岩…地表にある多くは変質してしまっているのですが、アポイ岳ではマントルにあったままの新鮮な状態で露出しているのです!

地球の歴史を感じることができる山…ということで、ユネスコ世界ジオパークに登録されているわけです。

(…とついアツくなってしまいます…!同期の卒業論文のテーマがこのかんらん岩だったので少しだけ知識もあります)

午前7時半 さらに登ると…こんな景色。

携帯で起床のアラームが鳴りました。
ベッドで寝ていることもある時間にこんな景色が見られているなんて…!

このお得感が登山を好きな理由の一つでもあります。

7合目まで来ると、「ご褒美」のような稜線歩きが待っています

午前8時 草花に癒されながら頂を目指す

写真中央のとんがった場所が山頂です

アポイ岳は花の宝庫でもあります。
810メートルと低山なのにここにしか咲かない高山植物も多くあり、多くの登山客が魅了される理由の一つになっています。

私はあまり花に詳しくないのですが、様似町のHPを見ながら照らし合わせてみると、私の携帯の写真フォルダにも固有種がありました!

アポイアズマギク!だと思います

そして最もポピュラー?な高山植物の「チングルマ」も!

チングルマ

風に吹かれて、揺れる草花に癒されながらなんとか登っていきます。

午前8時半 登頂〜!

ラスボス感がすごい9合目

1~5合目までの景色が噓みたいな岩場。…というかもはや崖?

軍手を付けてよじ登る場所も出てきます。

最後のガレ場を乗り越えたら、山頂~~~!!!

山ポーズ

笑顔に疲労が見えますね。
山頂は木々に囲まれて、正直そこまでの見晴らしは期待できません。

しかし山頂標識は特別ですね!

さあ、お楽しみの山ごはんの時間です。

今回は展望がいいところまで少し降りて「焼鳥缶で、山々もりもりカレー」を作りました!
後編の記事でお伝えします!

▼後編:「間違いないおいしさ!」大好きを盛りまくる 常温保存食材を活用する山盛りカレー

連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」

※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。

文:HBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)
北海道生まれ・北海道育ち。2021年入社。24年10月からHBCラジオで「言いたいことは山々ですが」(毎週金曜午後5時45分~6時半)スタート!HBCテレビでは「グッチーな!」「ジンギス談」「吉田類 北海道ぶらり街めぐり」「大江裕の北海道湯るり旅」などを担当。登山歴4年。おいしくごはんを食べるために山に登っています。登山の魅力はインスタグラムでも発信中

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は登山時(2025年5月)の情報に基づきます。

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