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福建風のこだわりスープのマーラータンが美味、船橋の「麻辣家族」

東京ディープチャイナ

福建風のこだわりスープのマーラータンが美味、船橋の「麻辣家族」

こんにちは。今回は千葉県船橋市の新しい麻辣燙店で取材です。何でも、TDCでいつも交友のある池袋の「ムーさんの蒸鍋館」のオーナー、ムーさんの友人のお店です。そこで、中村さんと、私の中国語学習仲間のJさん(女性)とKさん(男性)と一緒にお店にお邪魔しました。

開店時の写真。たくさんのお祝いのお花があります!

今や麻辣燙店は都内だけでなく今回のような都心近郊や地方大都市にも出店し始めています。お店はJRか京成線の船橋駅から南に15~20分ほど歩き、市役所を越えた住宅街にあります。

2025年6月20日にオープンしたばかりで、店名は「麻辣家族」。店長の陳さんは、麻辣燙の他にも麻辣香锅(マーラーシャングオ:汁なし麻辣味の麺)、冒菜(マオツァイ:見た目は麻辣燙に似ているが、具材だけを食べる料理)もメニューの視野に入れていて、これらは麻辣燙と似た食べ物、丸で親戚・家族、のイメージからこの店名をつけたそう。なんか楽しい名前ですね♪

店内の様子。居心地がよかったです

陳さんは福建省出身で、28年前に家族で来日。コロナ禍で世間の健康志向を受け、普通の中華料理よりヘルシーな麻辣燙を提供したいと、この店の店長として働いています。

厳選された1品メニューもあるので、少しだけ紹介します。

※今回は4名で伺ったため、1皿の分量が多くなっています。普段は写真の2/3ほどの量だそうです。

牛すじの冷菜

パクチーがいっぱいかかっていて、筋の部位によって食感が少しずつ違うのも面白いです。さっぱりしてヘルシーな冷菜です。

牛もつの炒め

この肉の部位は私は大好きです。炒めると味がよく染み込むんです。きゅうりが加熱されてしっとりしているのも中華料理ならではですね。味は山椒が効いていい感じです。

他のメニューもおいしいですが、そろそろ本題の麻辣燙に移ります。

陳さんが「お店で一番おいしいのは、麻辣燙!」と自信をもって笑顔で私たちに伝えてくださるので期待が高まります!

では具材を選びに行きましょう。

こちらが麻辣燙のメニュー表です。

基本セット380円に自分で選んだトッピング量で料金が決まる

スープと麺は別で、トッピングは320円/100gです。約50種類から選ぶことができます。

陳さんが1品ごとの写真を送ってくださったので、アルバム風にしてみました。色々な種類は見ているだけで楽しいです♪

珍しい具材があるのでいくつか紹介します。1つ目は写真の左矢印の下にある「粉耗子(フェンハオズ)」という白いお餅です。韓国語の「ブンモジャ」の方が聞いたことのある人が多いかもしれません。トッポギくらいの長さで丸い棒状になっているお店も多いです。でも、トッポギよりは弾力があります。

同じ写真の右矢印下にあるのは海老団子です。中国は練り物もポピュラーで、色々なものがあり麻辣燙店でも何種類も見かけます。ここのは大き目でボリューミーです。プリプリした食感がたまりません。

左上の長い餅が「フェンハオズ」。右の矢印の下が海老団子

海老団子の下にある、黄色と白のしましまの練り物は、下記で詳しく説明しています。ぜひご覧ください。

https://deep-china.tokyo/restaurant-info/16262/

Bさんは腐竹(乾燥ゆば)も選びました。思ったより歯ごたえがあってスープも染み込んでいておいしかったそうです。

丸いボールみたいな揚げ物は、「油面筋(ヨウメンジン)」でお麩です。これはスープにしばらく浸してから食べると柔らかくちぎれるのですが、その柔らかさというかふにゃふにゃ感は具材の中で唯一無二の存在です。

油面筋。テニスボールくらいある。中は空っぽ

今紹介した具材だけでも個性的なものばかりです。これら一同をスープに入れて口に運ぶ時、色々な食感を味わいながら飽きずに食べられるのも麻辣燙の楽しさの一つです。

具材を選んだ後は辛さと麺の種類を選びます。辛さは小・中・大辛から選びます。また、麻辣燙スープの他にトマトスープも選べます(辛さ無しのみ)。麺は春雨(細・太)、とうもろこし麺、インスタント麺から選べますが、この店ではインスタント麺の種類が豊富で迷ってしまいます…!

具材棚の向かい側に麺を選ぶ棚がある

日本で見たことのない、野菜の粉を混ぜた麺がありました。それぞれ、オレンジは人参、緑はほうれん草、紫は紫芋です。他に、そば粉の混ざった小麦粉製麺もありました。

左から人参麺、ほうれん草麺、紫芋麺。奥に蕎麦粉入りの麺

私以外の3人は麻辣燙スープにそれぞれ、人参麺、とうもろこし麺、とうもろこしと太春雨のハーフ&ハーフと、私はトマトスープと紫芋麺にしました。

いよいよお待ちかねの麻辣燙が出てきました!

小辛にとうもろこし麵と太春雨

小辛にとうもろこし麵

中辛に人参麺

みんなパクチーが大好きなので、パクチーの多さに興奮です!

小辛はスープの原型が見える肌色に、中辛はきれいなキャメル色をしています…!まずは小辛のスープを一口頂きました。

なんか…一言では言い表せない味です…。そうなんです。このスープは牛・豚・鶏の3種の骨とクコの実や当帰(とうき)、フェンネル等いくつもの薬膳を足して3時間も炊いてつくっているのだそうです。

口当たりはさらっとしているのですが、味に深みがあり、でも少しまろやかさもあります。他の店だと辛さ無しにした場合、塩味が強く出ていることもありますが(麻辣を足して丁度いい味になるようにしているのもあると思います)、このスープは辛さ無しでも骨から出る出汁がいいので飲み続けられます。3種の肉の中でも、多めに使う牛骨と麻椒(花椒の一種で青色の山椒)から、このスープの色になるそうです。

一緒に来た2人の感想です。

Jさん

濃厚さとマイルドさを併せ持った出汁のうまみが際立ったスープ。日本人にもなじみやすく受け入れられやすい味だと思う。

Kさん

濃厚で深みがある。男性にも好まれる感じのスープ。比較的日本のラーメンスープに近いとも思った。

一番驚いていたのは中村編集長です。中村さんは初めて麻辣燙を食べたのが20年前の北京だったそうです。陳さんも仰っていましたが、麻辣燙は四川省の屋台で、火鍋を1人用に出したことが始まりだそうです。

当時は火鍋のスープをそのまま提供していたので、ご存じの方はわかると思いますが、火鍋スープは油が多く、簡単に飲めるものではありません。それが、スープを飲めるように改良され、中国東北地方に広まり、あの有名麻辣燙チェーン店「杨国福(ヤングオフー)」の前身が2003年に同じ東北地方のハルビンで開業、全国に広まりました。

スープは地域によって特徴があり、東北では胡麻ベース、福建省は辛い料理をあまり食べないため、あまり辛くない味だといいます。実は先日初めて行った杨国福には、追加調味料に砂糖も置いてありました。陳さんは、「お客さんの中には甘いスープが好きな人もいるので、砂糖を入れる人もいる」とのことです。

なので、このスープを飲んだ中村さんは「これは僕の知っている麻辣燙ではない。こんなに進化したのか。中国国内各所でも違う味の麻辣燙ができ、『麻辣燙のローカライズが起こっている』と話しました。

日本のラーメンも地域や店によって味が違いますが、麻辣燙は薬膳も入れるため、よりバリエーションが増え、その味の種類は数えきれないでしょう。

どのようにこのスープが出来上がったのか、陳さんが詳しく教えてくださいました。

陳さんの兄が中国で友人や親戚のお店でスープづくりの勉強をし、陳さんは知り合いの四川料理人や(中国)東北料理人にアドバイスをもらいながら「自分たちの味」を見つけ、半年かけて完成に至ったそうです。

なるほど、聞いただけで並々ならぬ努力をしてきたことが伝わります。何種も試作しては記録し、同じ味を出せるようにしなければならないので、それも大変なはずです。陳さんはスープ文化と言われる福建省生まれなので、スープへのこだわりも人一倍強いと思います。

麻辣燙はスープが命で、継ぎ足しではなく、その都度作るものだそうです。なので陳さんは、朝に昼の分をつくり、売れ行きによって昼に夜の分を追加でつくるそうです。

スープ鍋を見せていただきました。希釈せず、そのまま出すとのことです。香りは少しシナモンのような匂いもした、よい香りです。

麺はどの麺もスープに絡みやすく、どの麺をとっても悪くないです。Jさんは、とうもろこし麺は時間が経っても伸びないのがいいと言っていました。

忘れてはならないのが味変の調味料たち。

自家製ラー油とおなじみ黒酢や香りの良い油まであります。最後に黒酢を入れると、最後さっぱりと〆ることができます。

一番左の自家製ラー油は、香りがいい。そこまで辛くないのでぜひ試してほしい

もう一つのトマトスープを飲んでみましょう。

スープの色がきれいです!

なかなか見ない組み合わせの色使いが面白い

このスープはすごくさらっと、さっぱりしていて、優しい鶏ガラを感じられる味です。これはシンプルに鶏ガラとトマトで、薬膳無しでつくっているそうです。

なぜ1種類だけ違う味を用意したか聞くと、麻辣燙と全く違うものを出したかったのと、ダイエットをしている人向けにさらにヘルシーなスープを用意したとのことです。このスープに春雨と野菜を入れて食べるなら、ダイエット中でも気軽に外食ができますよね…!

麻辣家族では、今後2F席も開放するとのことです。市役所が近いので、職員さんのランチ需要もありそうですね!

麻辣燙の具材の選び方は、中国人には量り売りが人気で、日本人には品数で選ぶ方が人気だそうです。なので陳さんは品数で注文したい人のために、テーブルでは「1品〇円」と選べるように、ハイブリッドで運営していく予定だそうです。他店にはあまりない方式は、より魅力的です。帰り道みんなで、「やっぱり麻辣燙は自分で色々トッピングするのが楽しいよね」という話になりました。

この3種の骨がじっくり炊かれたスープを味わいに、ぜひ足を延ばして食べに行ってほしいと思います。終始笑顔で迎えてくださった陳さん、ありがとうございました!

(aokinapple)

店舗情報

麻辣家族

千葉県船橋市湊町2-15-21 翁ビル
047-401-3870

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