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八代目尾上菊五郎を襲名する尾上菊之助と、六代目尾上菊之助を襲名する尾上丑之助の作品や特別番組が放送 インタビューも公開

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『八代目尾上菊五郎 六代目尾上菊之助 襲名記念特別番組』

CS放送「衛星劇場」にて、「特選歌舞伎~八代目尾上菊五郎 六代目尾上菊之助 襲名特集~」と題して、八代目尾上菊五郎を襲名する尾上菊之助と、六代目尾上菊之助を襲名する尾上丑之助の作品を5月・6月に放送することが発表された。

5月はテレビ初放送となる『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』(2023年11月・歌舞伎座)、『摂州合邦辻 合邦庵室の場』 (2024年9月・歌舞伎座)に加え、『藤娘』(2024年7月・大阪松竹座)、『雪暮夜入谷畦道 直侍』(2008年10月・歌舞伎座)の4演目を放送。

『極付印度伝 マハーバーラタ戦記 序幕』 /(C)松竹株式会社

『極付印度伝 マハーバーラタ戦記 二幕目・大詰』 /(C)松竹株式会社

『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』は、古代インドの神話的叙事詩「マハーバーラタ」の世界をおくる作品。序幕は神々が居並び世を憂う「神々の場所」から戦いの火蓋が切られる「祭りの町の別邸」まで。二幕目は婿選びの「パンチャーラ王国」から。八代目菊五郎が迦楼奈とシヴァ神、七代目菊五郎が那羅延天、六代目菊之助が我斗風鬼写とガネーシャの二役を演じたインドの世界と歌舞伎の様式美が融合した神秘的で壮大な物語。

『摂州合邦辻 合邦庵室の場』 /(C)松竹株式会社

『摂州合邦辻 合邦庵室の場』は、令和6年『秀山祭』より、玉手御前を菊之助改め八代目菊五郎が勤めた義太夫狂言の名作。

『藤娘』 /(C)松竹株式会社

『藤娘』は、藤の精が松の大木のもとでその恋心を踊る、愛らしく美しい幻想的な長唄舞踊。

『雪暮夜入谷畦道 直侍』 /(C)松竹株式会社

『雪暮夜入谷畦道 直侍』は、七代目菊五郎の直次郎に、菊之助改め 八代目 菊五郎が初役で三千歳に挑んだ舞台。

そして、2人の特別インタビューを盛り込んだ襲名記念特別番組も放送。本番組は、「襲名発表記者会見」や「お練り」「初日の賑わい」に「特別インタビュー」など、八代目尾上菊五郎六代目尾上菊之助襲名初日までを追うスペシャル番組となっている。また、今回、放送を記念して八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助にインタビューが実施された。

八代目 尾上菊五郎、六代目 尾上菊之助 インタビュー

ーー今年5月、6月の歌舞伎座で、菊之助さんが八代目尾上菊五郎を、丑之助さんが六代目尾上菊之助を襲名されます。今の率直なお気持ちをお聞かせください。

菊五郎:2年前に父(七代目尾上菊五郎)から「お前、(菊五郎を)継げよ」と言われまして、それからさまざまな準備を通して少しずつ気持ちが襲名に向かっている最中です。菊五郎という名前は、その時代ごとに名を刻んできた名優が揃っています。そんな大名跡を継ぐという緊張感もありますが、菊之助として勉強させていただいたことを大切にして、先人たちに顔向けができるように修行してまいりたいと思います。

菊之助:最近はお稽古や取材、撮影などがありまして、菊之助を襲名する心構えが少しずつ調ってきたように感じています。お稽古は型をどんどん覚えて、歌舞伎の基本的な動きを学びながら、役に気持ちを乗せることを心掛けて励んでいるところです。

ーー衛星劇場で放送される『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』の思い出や見どころを教えてください。

菊五郎:宮城聰先生の『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』を拝見して、歌舞伎でも上演させていただきたいと思ったところから始まった舞台です。インドにとって大切な物語である『マハーバーラタ』をいかに歌舞伎に落とし込むか、というところから作品作りをしていきました。注目していただきたいのは、鶴妖朶(づるようだ)王女を演じている中村芝のぶさん。魅力あふれる鶴妖朶を演じてくださって、芝のぶさんはこの役で読売演劇大賞の選考委員特別賞を受賞されました。本作は、舞台こそインドですが、その展開は日本でいうところのお家騒動ものに近いものがあり、通し狂言としてもわかりやすい物語になっています。一座で知恵を出し合って作り上げた作品です。神と人間の壮大なお話をどうぞお楽しみください。

菊之助:小さいころに『マハーバーラタ戦記』の初演時の映像を見て、特に第3幕の立ち回りのシーンにあこがれをもっていました。そんな本作に出演が叶い、とにかくうれしかった思い出があります。僕は、風韋摩王子(びーまおうじ)の息子・我斗風鬼写(がとうきちゃ)と、富と知恵、幸運の神・ガネーシャの二役を演じたのですが、印象に残っているのは、我斗風鬼写からガネーシャへの早替りです。

ーー『摂州合邦辻 合邦庵室の場』もテレビ初放送です。

菊五郎:2024年1月31日に文楽の豊竹咲太夫師匠がお亡くなりになり、この年は咲太夫師匠に教えていただいた時代物を多く上演していきたいと考えていました。そして、この『摂州合邦辻 合邦庵室の場』を2024年の秀山祭で上演させていただきました。物語の主人公は、高安家の後妻・玉手御前。継子の俊徳丸を御家騒動から救うために偽りの恋をするという異色のお話で、私が演じた玉手御前は祖父・尾上梅幸が大切にしていた役ですし、私にとっても歌舞伎座が建て替えで閉場している際に大阪で初めて團菊祭が開催されたときに挑戦した役でした。また、通し狂言で勤めさせていただいたことも強く印象に残っています。

写真:宮田浩史

ーーお互いの似ているところと似ていないところを教えてください。

菊之助:似ているところはないです!

菊五郎:即答でしたね(笑)。でも、私もそう思います。基本的には似ていないですが…まじめで突きつめるところは似ているのではないかと思います。いったんスイッチが入ると集中してとことん追求するという一面は似ていますね。

ーーお稽古に打ち込む菊之助さんに、菊五郎さんはどのような気持ちで接していらっしゃいますか?

菊五郎:稽古はどうしても厳しくなってしまうものなんです。そのかわり、稽古が終わった後の気分転換を大事にしています。ふたりで食事に行ったり、旅行に出かけたり…。今は襲名の準備に追われて、なかなか旅行に行けないのですが、落ち着いたら温泉に行きたいですね。

ーー衛星劇場をご覧の皆様にメッセージをお願いします。

菊五郎:今年5月から襲名興行が始まります。もしお近くにお住まいの方がいらっしゃいましたら、ぜひ劇場にお越しいただいて、私たち親子の襲名を見届けていただければ光栄です。同時に、テレビでもこれまでの舞台をどうぞゆっくりとお楽しみください。

菊之助:菊之助としての人生の第一歩となる襲名興行が始まります。歌舞伎座、松竹座、御園座、南座、博多座へどうぞお越しください!

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