雪の“帳尻合わせ”がコワイ…除雪との付き合い方で冬が変わる?道具・服装・コツ「ベーシック編」【冬も大好き#7】
こんにちは!札幌市を拠点に、冬の暮らし全般に関する様々な調査・発信を行っている「ウインターライフ推進協議会」です。
私たちは、北海道に住む皆さん、そして北海道を訪れる観光客の皆さんに、安全・安心・快適に冬を過ごしていただきたい…こんな思いを胸に日々活動しています!
今回は、「除雪のコツ」をテーマに、2回に分けて「ウインターライフ推進協議会」・金田安弘(ニックネーム:やすシニア)がお伝えします!
まず今回の前編は、「除雪のコツ」のベーシック編です。
除雪はタフな冬の運動です
除雪で身体を動かすことには、2つの意味があることをご存じでしょうか?
1つ目は、除雪は重労働なため身体に大きな負担がかかること。
2つ目は、除雪は冬の運動不足を解消して健康づくりにとっても役立つこと。
この2つ、真逆ですよね。
まず1つ目について説明しましょう。
スコップを使った雪かきの平均的な運動強度は安静時の約6倍、普通に歩く時の約2倍のエネルギーを使います。
これはバレーボールとほぼ同じ。
スコップを一生懸命使った場合の運動強度はさらに大きく、テニスの運動強度と同じになります。
そう、除雪は全身の筋力を使うきつ~い運動なのです。
毎年、除雪中に腰痛や心臓疾患などを発症する方が沢山います。
時には除雪が原因で亡くなる方も…。
こわい!と思われるかもしれませんが、そんな除雪も「無理せず」やれば大丈夫!
安心してください!
2つ目は除雪のいい話。
冬ってついつい家にこもりっきりで、運動不足になりがちですよね。
運動器の機能が衰えて動くことが困難になる症状をロコモティブ・シンドロームと呼びますが、聞いたことはありますか?
「ロコモ」が進行すると、介護が必要になったり寝たきりになったりするリスクが高まります。
これを防ぐには、一定以上の強度の運動が必要とされています。
そこで登場するのが除雪。除雪は恰好の運動になるのです。
普通の雪かきを毎週30分やるだけで、最低必要な運動をほぼ満たすことができるのです。
除雪をすることで、雪が片付いて健康になれる、一石二鳥ですね!
雪かきにはコツがあります
屋根の雪下ろしにからむ事故を除くと、除雪でケガした原因で一番多いのは、「屋根から落ちてきた雪や氷に当たった」、2番目は「除雪中の転倒」、3番目が「発症」によるものです。
雪かきは重労働です。暖かい部屋から寒い外に出て、いきなりトップギアに入れたら身体も悲鳴を上げます。
防寒対策を万全にして、十分準備をしてから始めましょう。
「雪かきでぎっくり腰になった」なんて方はいませんか?
ついつい一生懸命になってしまうのが雪かきです。
スコップで雪投げをする際は、急に体をひねったり、腕だけを動かすのではなく、体全体を使うようにしましょう。
短時間で雪かきを済ませてしまおうとせず(気持ちはよくわかりますけどね)、雪かきは休みながら余裕をもってやりましょう。
なんか体が変だなあと思ったら、それはケガの前兆。無理をせず休むことも大切です。
そうそう、転倒にも気をつけましょう。
▼冬道で滑らないための3つのコツとは?今日から実践できる歩き方【冬の暮らしも大好き#5】
除雪に夢中になってつい足元がおろそかになり、転んでケガをするケースが毎年たくさんあります。
上(屋根から落ちている雪)にも注意、下(足元)にも注意です。
なにか変調があった時のために、なるべく2人以上で作業することをお勧めします。
雪かきのコツを知って、安全で健康な冬を過ごしましょう。"
たくさんある除雪用具を使いこなそう!
一言で除雪と言っても、作業内容には色々ありますよね。
屋根の雪下ろし、スコップでの雪投げ、スノーダンプで雪運び、春の氷割り、・・・・
除雪をする雪も降ったばかりのふわふわの雪から、時間が経って固くずっしり重い雪、春先の固く凍った氷まで様々。
除雪作業の種類や雪の状態に応じて、色々な除雪道具があります。
かなり固く締まった雪は、「剣先スコップ」じゃないと雪にスコップを突き刺すことができません。
無理をすると道具を壊すはめに…。
比較的柔らかい雪であれば、アルミやプラスチックでできた「スノースコップ」が便利です。
降ったばかりのふわふわの新雪には「雪はね」が最適。
最近は、雪を押して運ぶ道具(昔はなかった雪かき道具なので、呼び方も様々)も大人気です。
除雪する雪と作業に合った道具を選ぶことで、除雪の大変さがまるで違います。
除雪道具も形状や素材など、使いやすいように進化しているものもあります。
ホームセンターの除雪道具コーナーをのぞいてみると、結構わくわく、楽しいですよ!
除雪はみんなで助け合い ~豪雪時こそ発揮される雪国人間力~
2022年の冬、札幌など道央圏が豪雪に見舞われたのは記憶に新しいですよね。
あの雪の多さがまだ頭にこびりついている人も多いのではないでしょうか。
私の住んでいる地域では、道路の除雪が間に合わなくて、家の周りは車もなかなか走れない状況。
車があっちでスタック、こっちでもスタック。丸2日間バスが運休しました。
家から外に出るのも一苦労…。
当時はひたすら除雪に明け暮れました。
「除雪が冬の運動になる」と言っても、あんな豪雪時にはそんなことは言っていられません。
特に、身体が不自由な方や高齢の方にとっては本当に大変です。
こういうときの除雪はどうすればいいのか…。
答えは「みんなでやるしかない!」だと思います。
今は元気で除雪が苦にならない人も、いつかは除雪が身体に堪えるときが必ずきます。
除雪はしてあげたり、してもらったり。みんなで助け合う。
そんな「雪国人間力」を発揮して、もしもの大雪にも備えていきましょうね!
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連載「冬の安全・安心・快適なくらしをお届け!だって冬がすきなんだもん♡」
文・「ウインターライフ推進協議会」・金田安弘(ニックネーム:やすシニア)
編集:Sitakke編集部あい