レジェンド級アイドルといえば岡田奈々!デビュー50周年で “青春のアルバム” が感動復刻
「ひとりごと」でデビューから50周年を迎える岡田奈々
生まれ故郷だった岐阜の繁華街、柳ヶ瀬でスカウトされて上京、オーディション番組『あなたをスターに!』の第2回チャンピオンとなって歌手デビューした岡田奈々。まだ16歳だった1975年5月、NAVレコードから最初のシングル「ひとりごと」を出してから今年で50周年を迎える。
芸能活動としては歌手デビューよりもコマーシャル出演が一歩先んじたという。たしかに『グリコ アーモンドチョコレート』や『エメロン シャンプー』など、CMで見た記憶が強い。中3トリオや新御三家をはじめとするアイドルが活躍し、翌1976年にはピンク・レディー旋風も訪れる中、岡田奈々は少し大人の雰囲気を備えたアイドルだった印象がある。大学生を中心に人気を得ていたキャンディーズとファン層が重なっていたのではないだろうか。デビュー当時まだ小学生だった自分にはちょっと手が届きづらい感じがしたが、それでも気になる存在だった。
歌手としてはもちろんのこと、女優としても圧倒的な輝きを放っていた。なんといっても『俺たちの旅』で田中健が演じた “オメダ” の妹役。“カースケ” こと中村雅俊に恋心を抱く高校生だった。筆者の世代にとっては、その後やはり中村雅俊が『ゆうひが丘の総理大臣』で演じた “ソーリ” の下宿先 “キッチンかおる” の看板娘役がより親しみ深い。母親役の樹木希林との丁々発止が楽しかった。いずれにせよ青春シリーズで女優・岡田奈々に魅了されてしまった向きは多いのではないだろうか。
70年代アイドル史に残る名曲「青春の坂道」
歌手としての代表作は、『俺たちの旅』出演中に発売され、ドラマにも使われた「青春の坂道」ということになる。岡田は、最近のインタビューでも “ほかのヒット曲と比べたらそれほど売れてなかったです” などと謙遜しているが、70年代アイドル史に残る名曲である。歌詞に出てくる「♪坂道の古本屋」のモデルはどこなのか、真剣に探しに行ったこともある。もちろんイメージ上の情景であることは承知の上で。知らず知らずのうちに松本隆の詞世界に惹き込まれていたのだ。
「青春の坂道」については昔から疑問に思っていたことがある。それはレコードジャケットで着ているセーターに “6” の数字が付いていること。ここは普通、名前を表す “7” じゃないのかと。その謎もインタビューであっさり解けた。当時、日立のパディスコというラジカセのコマーシャルに出演されていて、その商品名についていたナンバーの衣装だったそうだ。CM女王だった彼女らしいエピソードである。ちなみにこの曲は雑誌『明星』の募集歌(歌詞募集企画)でもあった。
シングル曲では、「らぶ・すてっぷ・じゃんぷ」や「求愛専科」などもアイドルポップスの魅力に溢れている。この2曲はいずれも「青春の坂道」の森田公一の作曲であり、作詞は伊東ゆかり「小指の想い出」や南沙織「17才」などをヒットさせた有馬三恵子。その後の竜真知子、三浦徳子らも然り、女流作詞家ならではの心理描写が、どこか愁いを帯びた岡田の歌声に絶妙にマッチしていた。アルバム曲にも、もしもシングルリリースされたらヒットしていたのではないかと思われるようなキャッチーなメロディーが少なくない。錚々たる作家陣による優れた楽曲が目白押しなのだ。
初商品化となる音源も収録された50周年記念CD-BOX
岡田奈々の歌手活動は1980年まで(1986年に1枚だけドラマ挿入歌のシングルをリリースしている)。その後はそれまで並行していた女優業へと完全にシフトして活躍を続けてきたわけだが、2019年には45周年を記念して33年ぶりの新曲「坂の途中で」をレコーディング。そして50周年を迎えたこの度、記念のCD-BOX『青春のアルバム 復刻CDボックス』が出されることとなった。
なんと、ライブ盤を含めたオリジナルアルバム8タイトルが、7インチシングルレコードサイズの紙ジャケット仕様で復刻される。さらには、オリジナルLPレコードの歌詞カードや封入特典の大型ポスター、帯なども縮小復刻して各ジャケットに収納、それぞれの盤に収録されたシングル曲のオリジナルジャケットの復刻も各アルバムに封入されるという行き届きぶりに感動させられてしまう!
また、初商品化となる音源も6曲ある。代表作「青春の坂道」の映画とテレビドラマで使用された4つの音源が初収録されるのが目玉になるだろう。松竹で主演した映画『青春の構図』で録音された別アレンジの3バージョンと、ドラマ『俺たちの旅』の映像音声から、歌詞が異なるバージョンが聴ける。馴染み深いレコード音源とはまた違った魅力に溢れていて新鮮だ。さらにはカセットテープで本人が保管していたというシングル「湘南海岸通り」と、アルバム曲「不意打ち」の別アレンジ音源も必聴である。
岡田奈々の楽曲をデビュー50周年の今改めて聴くチャンスが訪れた
デビューアルバムは、山口百恵の初期の一連の作品をはじめ、大ヒットを連発していた都倉俊一が全曲の監修と作曲を手がけているほか、松本隆がデビューから3枚目までのアルバム全曲と4枚目のA面全曲、さらにシングルも加えると合計43曲の作詞を担当。初期の岡田奈々の歌の世界観を作り上げている。
昨今のシティポップ人気の影響もあり、4枚目のアルバム『’77 新しい日記貼』の「プリーズ・プリーズ」や、7枚目のアルバム『Mr.アレンジャー』なども人気を博しているらしい。中古レコード市場で高値を呼んでいる、キャニオンでのラストシングル「静舞(クワイエットダンス)」も、もちろんこの復刻CDボックスで聴ける。従来のファンのみならず、若い世代の音楽ファンにも認知が拡がってきている岡田奈々の輝かしい楽曲たちを、昭和100年、デビュー50周年の今改めて聴くチャンスが訪れたことに感謝せずにはいられない。
岡田奈々「青春のアルバム 復刻CDボックス」限定生産商品
▶ 発売:2025年2月5日(水)
▶ 内容:7インチシングルサイズでのアルバム紙ジャケ復刻&初商品化音源。ドラマ「俺たちの旅」、映画「青春の構図」で録音された音源や、未発表だったアレンジ違い楽曲なども収録した豪華パッケージ!
▶ 価格:29,700円(消費税込み)
ドラマ「俺たちの旅」放送50年を記念して中村雅俊、秋野太作、田中健、岡田奈々が22年ぶりに再集結!
▶ 公演名:The 50th Anniversary 俺たちの旅 スペシャルコンサート
▶ 出演:中村雅俊、秋野太作、田中健、岡田奈々
▶ 公演日程:
・2025年 9月16日(火)大阪 オリックス劇場
・2025年 9月18日(木)福岡 福岡市民ホール
・2025年 9月24日(水)東京 昭和女子大学 人見記念講堂
・2025年 9月27日(土)東京 武蔵野市民文化会館
・2025年 9月30日(火)宮城 仙台サンプラザホール
▶ 詳細:
2025年3月中までに公式HPにて発表予定