中国の日本人学校の警備強化に4300万円 事件が起こった二つの要因
9月24日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、上川陽子外務大臣が外務省予算から4300万円を拠出し中国・深圳市の日本人学校の警備強化に充てたことについて意見を交わした。
短期的・長期的な中国側の自己都合によって事件が起きた
中国南部・広東省深圳市の日本人学校に登校中の児童が襲われ死亡した事件を受け、上川陽子外務大臣は今年度の外務省予算から4300万円を拠出し、中国国内の日本人学校の警備態勢の強化に充てると発表した。
上川外務大臣はニューヨークでの国連総会への出席にあわせ、日本時間の9月24日にも中国の王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相と会談することも明らかにした。
会談では「事件の事実関係の解明と説明については、一日も早く結果を出してほしいと強く申し入れたい」とした。中国国内の日本人児童の安全確保を改めて求める考えも示した。
中国のSNS上では「日本人学校でスパイを養成している」などの投稿が事件前に相次ぎ、事件を誘発する土壌となっているという指摘もある。
(寺島アナ)「日本人学校の警備強化ですけど、これは田中さん、どうご覧になりますか?」
(田中氏)「先行して早めにやるべきだったと思います。日本人に対する殺傷事件だけじゃなくて、アメリカ人に対する事件もすでに先行して起こっていましたからね。そう考えると今の習近平体制は、アメリカや日本への敵対的な意識を国民に盛り上げることによって二つの効果を狙っていると思います」
田中氏は、習近平体制による二つの狙いがあると指摘。
(田中氏)「一つは今の中国経済の苦境の犯人捜しを海外に向けている。“今の中国経済が悪いのはアメリカやヨーロッパや日本のせい”と誘導しているのは、中国メディアを見ていると一目瞭然ですよね。二つ目は、従来から続いている反日教育を一貫して続けざるを得ないわけです。変更すると自分たちの誤りを認めてしまいますからね。短期的・長期的な中国側の自己都合によってこういった事件が起こっているんですね」
中国外務省はSNSでの反日投稿について、「中国にはいわゆる反日教育は無い」などとして、多くの市民が献花に訪れ暴力に反対していると反論した。
(田中氏)「“中国にいわゆる反日教育は無い”ってどの口が言っているんだと思いますけどね」
〈出典〉
中国の日本人学校警備に4300万円 日中外相会談で対応協議 | 朝日新聞(https://www.asahi.com/articles/ASS9R112NS9RUTFK006M.html)