横浜アリーナで羽賀朱音&横山玲奈が卒業スペシャル!モーニング娘。’25「Movin’ Forward with Hope」完走
モーニング娘。’25 が、12 月 5 日に神奈川・横浜アリーナで秋ツアーのファイナル公演「モーニング娘。'25 コンサートツアー秋~Movin' Forward with Hope~羽賀朱音・横山玲奈卒業スペシャル」を開催した。※現在、活動休止中の北川莉央は本公演を欠席。
本公演をもって 2014 年 9 月に 12 期メンバーとして加入した羽賀朱音と、2016 年 12 月に 13 期メンバーとして加入した横山玲奈が、グループ及びハロー!プロジェクトを卒業。1 年ぶりの単独での横浜アリーナ、そしてグループとしては約 13 年振りとなるメンバー2 人同時の卒業ライブ(2012 年 5 月の新垣里沙と光井愛佳)となった同公演は、Hulu で独占ライブ配信が行われたほか、全国 47 都道府県(全 76 館)と台北の映画館にてライブビューイングも実施。全国 15 会場・33 公演を回ったツアーのラスト、そしてグループを卒業する羽賀と横山の花道を飾るのに相応しいフィナーレとなった。
羽賀と横山は、卒業後はハロー!プロジェクトだけでなく、芸能活動を終了することを発表している。
メンバー10 人は約 1 万 1000 人のファンが見守る会場で、メドレー曲含む全 35 曲を披露。冒頭の登場シーンで、卒業する 2 人の名前がスクリーンに映し出されると、会場から大きな歓声が巻き起こる。10 人は羽賀と横山のメンバーカラーのリストバンドを付けて白黒ドレスで登場し、本編は『ラヴ&ピィ~ス!HERO がやって来たっ。』でスタートする。
冒頭の MC でメンバー全員が元気いっぱいに挨拶したのち、12 月 3 日に発売したばかりの通算 76 枚目となる最新シングルで、オリコンデイリーシングルランキング初登場 1 位を獲得した『てか HAPPY の HAPPY!』をパフォーマンス。同曲はユニークなサビのダンスが特徴的で、ツアー初日から披露していることもあり会場で一緒になって踊るファンの姿が多く見られたのも印象的だ。作詞・作曲を手がけたつんく
が、ライナーノーツで「ライブでの一体となる空間をイメージし、全員で HAPPY を目指したい」と語っていた HAPPY な空間が早くも築かれていく。
その後の『セクシーキャットの演説』では羽賀と横山と小田さくらがネコの役を務め、かわいくも妖艶なダンスを魅せたかと思えば、『HEAVY GATE』『What is LOVE?』などといったライブ映えするアップチューンなナンバーを次々と披露。会場を盛り上げていく。
【写真】「モーニング娘。'25 コンサートツアー秋~Movin' Forward with Hope~羽賀朱音・横山玲奈卒業スペシャル」を開催したモーニング娘。’25(全11枚)
この後の幕間では、スクリーンに羽賀が撮り溜めてきたメンバーの写真が映し出されるFinal Masterpiece~ねちんふぃるむ~がスタート。自身が撮影したメンバーの写真をまとめた写真集『#ねちんふぃるむ』を発売するなど、ファンだけでなくメンバーからも信頼の厚いグループ専属のカメラマン(!?)として認知されている羽賀。そんな彼女が切り取ったメンバーの素顔が次々と映し出され、会場からは暖かい拍手が送られていく。また、この
シーンの BGM にはツアー中はグループの楽曲である『Loving you forever』のピアノ演奏を使用していたが、今回の公演のみ羽賀の提案でメンバーが歌唱しているバージョンに変更されたという。これは後の MC で公表され、ファンは羽賀に「ありがとう!」と感謝を口にし、羽賀も「幸せ!」と笑みを見せていた。
再びライブに戻ると、メンバーをシャッフルしたライブならではのターンへ。羽賀は同期である野中美希と牧野真莉愛と一緒に『大きい瞳』を披露。自分たち 12 期の強みを喋らなくても分かり合えているところと語っていたことがあるように、随所で 3 人の呼吸が合い、メンバー自身も同期だけの最後のパフォーマンスを楽しんでいるような表情をみせていく。
なにより、ファンもここぞとばかりに 3 人だけのパフォーマンスを目に焼き付けていた。
横山は後輩である櫻井梨央、弓桁朱琴と一緒に、『Rock の定義』をクールにパフォーマンス。ほかのメンバーもそれぞれの楽曲で自身の魅力を発揮していき、最後はメンバー全員が再びステージに揃い、本公演で追加された楽曲『LOVE マシーン(updated 23Ver.)』をはじめ、『インスピレーション!』『Go Girl ~恋のヴィクトリー~』『What's Up?愛はどうなのよ~』など、新旧の楽曲でファンを魅了していく。
その勢いのまま、もう一曲の新曲『私のラミンタッチオーネ(Lamentazione)』を披露。ラミンタッチオーネには音楽用語的(イタリア語)に哀歌や悲歌というようなニュアンスが含まれており、羽賀や横山が卒業する寂しさを表現するかのようにメンバーたちは歌い上げていく光景が印象的だった。
ここからモーニング娘。のライブの定番となっている、ノンストップのメドレーコーナーへ。『笑顔 YES ヌード』から始まり『女と男のララバイゲーム』『気まぐれプリンセス(23 Ver.)』『恋愛ハンター(updated)』『自由な国だから』『Teenage Solution』『I surrender 愛されど愛』と、今回は人気のナンバーをたっぷりと詰め込んだ贅沢な楽曲構成で、メンバーの歌声と観客の声援もさらなる熱気を帯びていく。
興奮冷めやらぬままラストスパートに突入。『気になるその気の歌』『One ・Two ・Three(23 Ver.)』『君さえ居れば何も要らない』とたたみかけ、最後は『わがまま気のまま愛のジョーク』。ファンからの「愛されたい!」の特大のコールも相まって、会場のボルテージは最高潮のまま本編は終了となった。
客席で繰り返される「あかね!」「れいな!」の声援を受けて、アンコールへ。まずは横山が一人でステージに登場し、本人が「これまであまり着てこなかった色に挑戦してみました」とライブ前に語ってくれたように、ピンク色のプリンセスラインの愛らしく華やかなドレス
でファンを魅了。横山は 9 月にメニエール病と診断され、11 月 8 日以降は治療のためイベントやライブを欠席し、本公演で約 1 か月ぶりに復帰。ライブで久しぶりにファンの前に元気な姿を見せてくれた横山は「9 年間、たくさんの愛をありがとうございました!」とファンに向けてメッセージを送る。
そして、2007 年 7 月にリリースされたシングル『女に幸あれ』カップリング曲である『Prease!自由の扉』をソロで披露。横山が「卒業にぴったりな歌詞だなとも思いますし、自分にもすごく合っているなとずっと思っていたので、今回歌うことが出来てとても嬉しいです」と、同曲を選んだ理由を公演前に語ってくれたように、歌詞にあるような素敵な笑顔をみせながらも、次のステージへの羽ばたく決意を感じさせるかのように力強く歌い上げていた。
そして、羽賀を除くメンバー8 人がステージに登場し、9 人で『シャボン玉』をパフォーマンス。冒頭のファンとのコール&レスポンスのパートでは、ファンから「(愛する人は玲奈だけ!)と大声援が起き、横山も満面の笑みを見せていた。
9 人がステージから退場すると、小さな頃から大好きな色だったという水色のドレスを着た羽賀が 1 人でステージに登場。公演前に「自分の卒業コンサートのイメージをした時に、この曲を歌っている自分がいちばん想像できたので選びました」と話してくれた、『ゼロから始まる青春』(2012 年 9 月にリリースされたアルバム「⑬カラフルキャラクター」収録曲)
をソロでパフォーマンス。一つ一つの歌詞を大切に紡いで歌い上げ、羽賀のメンバーカラーであるオレンジ色に染まった光景も相まって、あたたかい雰囲気に会場が包まれる。
パフォーマンス後、羽賀は卒業への思いをつづった手紙を読み上げる。「アイドルになりたかったわけではなく、モーニング娘。になりかった。小さい時からモーニング娘。が歌う童謡を聴いて育ったから、気づいた時にはもう、モーニング娘。が大好きで、常に私の人生の隣にいてくれる存在でした。モーニング娘。になってからも、その大好きな気持ちが薄れたことは一度もありません!モーニング娘。は私の人生そのものです」と、時折り言葉をつまらせながら、メンバーへの感謝も交えてグループ愛を吐露していく。
続けて「私の見解としては、私は人前に立つことが向いていないんじゃないかなと思っていました。でもあなたが信じてくださったから、私の好きな私を見つけることができました。あなたの優しが、私をここまで連れてきてくれました。心からありがとうございます」と、ファンに向けて感謝の言葉を口にしていく。
最後に「私は明日から、また皆さまと同じオタクに戻ります。客席でモーニング娘。を見る
のが一番の楽しみです。この景色も、この気持ちも来世まで忘れません。今日まで 11 年間ありがとうございました」と手紙を締めくくった。
ラストはメンバー10 人がステージに登場。最後は代表メンバーが感謝の言葉と、羽賀と横山への思いを語っていく。卒業する 2 人のメンバーカラーのリボンをブレスレットにつけてライブに臨んだという弓桁は、羽賀と横山に向けて「これからは羽賀さんや横山さんみたいに、モーニング娘。を照らす太陽のような存在になれるよう頑張るので見ていて欲しい」と決意し、続く井上春華は「お二人がとてもキレイで、後輩として側で見送れることが本当に誇らしい」とコメント。
山﨑愛生は「本当に皆さんの笑顔が大好き。これからも皆さんの笑顔を見るため、私もニコニコいっぱいを届けていこうと思います!」と、ファンに向けて感謝の言葉を口にする。
ワクワクした気持ちと、2 人も卒業してしまうという危機感も持ってツアーに臨んだという岡村ほまれ。「個人的な目標で、今回のツアーを通じて、ほまれやるじゃん!って思ってもらえるように頑張ってきました」と、涙を浮かべながらツアーを回顧。会場からは大きな拍手が起こり、卒業する 2 人からも「最高!カッコよかったよ!」とエールが。
最後はリーダーとして初めてのツアーを完走した野中。「決して平坦な道じゃなかった。リーダーになって人には言えない悩みができたり、想定外のこともたくさん起きた」と吐露し、そんなときはメンバー、OG、スタッフ、ファンが応援してくれて、支えてくれたと感謝の気持ちを伝える。卒業する 2 人に向けては「キレイですねぇ」とため息混じりに語り、「本当に大変なこともあったし、全部が楽なことじゃなかった。だからこそ、胸を張って言いたいことがあります。モーニング娘。は、これからさらに進化を遂げて成長します!皆さんと一緒にファンの皆さんと一緒に飛躍していきたいです」と力強く宣言し、コメントを締めた。
アンコールの最後は 10 人で『涙ッチ』を熱唱。楽しさと、寂しさ、そして卒業するメンバーが作り上げた温かさが感じられるライブは大団円を迎えた。
今回の公演をもってグループの中核を担い、歌や MC などで存在感を発揮していた羽賀と横山が卒業。また、この一年で生田衣梨奈や石田亜佑美といった長年グループを牽引してきたメンバーが続けて卒業し、来年には現メンバーの中で最も長い在籍日数を誇り、グループの歌唱部分を引っ張ってきた小田も卒業を控えている(時期は未定)。
変化の時を迎えているモーニング娘。だが、メンバーは何人も卒業してきた。しかし、そのたびに今までに見られなかったようなメンバーの成長などをファンは目の当たりにしてき
ている。そんな歴史の積み重ねが、結成から 28 年経った今でも多くのファンから愛されている理由の一つだろう。
今回のツアーファイナルのタイトルにはwith Hopeというワードが追記されている。これは羽賀と横山が話し合い、柔らかく暖かい雰囲気があり、モーニング娘。の明るい未来も連想できるからという想いから付けられているという。この 2 人からのメッセージに応えるべく、メンバーは新しい自分たちのモーニング娘。像を作るべく、全員で力を合わせてMovin’ Forward with Hope(=希望を持って前へ進む)していくことだろう。最後の MC で岡村や野中が語っていたように、進化を止めない。今の時代がモーニング娘。が一番でありたい。そんな強い思いを胸に。