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京都市立芸術大学で芸大祭「イドバタ大会議」が開催

キョウトピ

京都市立芸術大学で芸大祭「イドバタ大会議」が開催

各大学で大学祭が催されるこの時期、芸術系大学では日本最古の歴史を持つ「京都市立芸術大学」でも芸大祭が開催されました。2024年度のテーマは「イドバタ大会議」。新たな井戸端的コミュニティになって欲しいという学生たちの想いがふんだんに込められていましたので、その様子をご報告します。

京都市立芸術大学の大学祭

令和5年(2023年)に、京都洛西・沓掛から京都駅エリアに全面移転した京都芸術大学。
移転2年目の本年、第2回となる大学祭「芸大祭・イドバタ大会議」が開催されました。

本年のテーマは「イドバタ大会議」。
芸大祭を、ゆるやかな対話の場、井戸端的な新たなコミュニティになって欲しいという学生さんたちの想いが込められています。

伝統に裏打ちされた新たな創作と表現

京都芸大では伝統を継承しつつ、新たな創作と表現を日々探求しています。

大学祭ではたくさんの作品が展示、発表されていますが、学生さんたちの作品は、いずれも若い感性に満ち溢れていながら、それらが伝統技術の土台の上に立っているので、一過性の流行り廃りで流されない確かな芸術性が感じられるものばかりでした。

学生独自のテーマが光る展示アート

芸大祭の作品展示は、学生たちが自分たちでテーマを決めて、作品を展示しています。

授業の成果を発表する「作品展」もさることながら、芸大祭はより学生さんたちの個性が際立つ展示ばかりでした。

フラット展

フラット展は様々な作家の「平面作品」を集めた展示です。

敢えて作品の幅を平面に限定することで、平面での表現ギリギリを攻める際立った作品に出合える展示でした。

「わたしといぬ展」&有志展

「わたしといぬ展」&有志展は、ピクセルアートを通して「わたしといぬ」の記憶を辿る展示でした。

併せて同スペースで有志の展示も行われていました。
現代風の作品の随所に伝統工芸の技術がふんだんに使われているので奥の深い展示でした。

COCO展

COCO展では、同期の学生たち8人が作品を持ち寄り、展示を行っていました。

油画、日本画、漆工、彫刻など専攻もさまざまで、変化に富んだ展示でした。
総じて完成度が高く、この展示室を通ることが一番時間を要した方は多かったと思います。

書道部展

「書道部による展示」。それだけ聞くと「書初め」の展示かと思いましたが、まったく違いました。

書道部員が墨と向き合い、墨を使ったアート作品に挑戦した展示でした。

いずれも「墨」さらには「書道」の可能性を考えさせられる作品でした。

物販ブースも充実

物販ブースでは、学生さんたちが自らの作品を思いのまま販売していました。

ワークショップも盛んで、体験型のブースはどこも大盛況でした。

手作り市の会場のような物販スペースは、非常に賑わっていました。

いずれも個性豊かな一点物ばかりで目移りしてしまいます。

キリバコーヒーとは?「純喫茶タネ」

飲食店ブースも充実していて、食欲をそそるイイ匂いがあちこちから漂ってきます。
そんな中、特に話題だったのが「純喫茶タネ」の「キリバコーヒー」でした。

キリバコーヒーとは?
聞きなれない名前ですが「キリバ」という豆の種類でしょうか?

カウンターに見本がありましたが、その正体は謎のままです。

購入してみると、見本の通りの品が出てきました。

一体どんなコーヒーか恐る恐る飲んでみると、一口飲んで、その正体に気付きました。

蓋を開けて中を覗くと、その正体が明らかに。

「美味しいですし、驚きますよ」と言われた意味が良くわかりました。

キリバコーヒーとは「桐箱コーヒー」ということだったようです。

正体を知ってしまうと「な~んだ~!」ですが、これで終わらないのが「純喫茶タネ」のキリバコーヒーです。
まず木箱はコーヒーを飲み終わった後も使用が可能で、また350mlの缶コーヒーを納めれば何度でもキリバコーヒーを楽しめます。

さらに木箱の蓋に空いているストローの穴は、なんと注文を受けてから店主が自らドリルで開けるというこだわりよう。

無理を承知でカウンター裏の作業場を見せてもらいましたが、プロ仕様の本格的なドリルがあらわれました。
まさに牛刀割鶏。
このドリルも、まさか自分がストローの穴を空ける用途で使用されるとは思っていなかったのではないでしょうか?

芸大Kabuki / 常磐津部

「常磐津(ときわず)」とは、三味線の伴奏とともに物語を節で語る「浄瑠璃」の流れをくむ「語り物」です。

京芸常磐津部は世界唯一の常磐津部で2015年に発足し、以後、精力的に活動をしています。

伝統的な常磐津に、学生オリジナルの衣装を纏った「太夫(たゆう)」が舞台を所狭しと駆け回ります。

時にペンライトを振ってサンバを踊ったりと、伝統に軸足を置きながらも新しい常磐津にも挑戦しています。

とても大学祭の出し物とは思えない完成度で、舞台が終わった後の万雷の拍手はなかなか鳴りやみませんでした。

地域に開放された必要不可欠な芸術大学

京都市立芸術大学は大学併設の資料館が一般の方でも入館可能など、地域に開かれた大学です。
地域の発展に必要不可欠な大学であり続けようとしている京都市立芸術大学。
そんな同大学の大学祭のテーマが「イドバタ大会議」というのはとても頷けました。

京都市立芸術大学では大学祭の他に、春先には作品展なども開催されます。
イベント盛りだくさんの大学ですので、ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか?

基本情報

<京都市立芸術大学 芸大祭2024「イドバタ大会議」>
 ◇開催日時
  2024年11月1日(金)~3日(日)(※本イベントは終了しました)
  各日10時~19時
  ※最終日のみ、作品展示・模擬店は17時まで
 ◇会場
  京都市立芸術大学(A~D棟)
 ◇入場料
  無料

アクセス

 ◇所在地
  〒600-8601
   京都市下京区下之町57-1
   京都市立芸術大学
 ◇電車
  ・JR/地下鉄烏丸線/近鉄京都線:京都駅より徒歩5分
  ・京阪:七条駅より徒歩10分
 ◇バス
  ・市バス:塩小路高倉・京都市立芸術大学前より下車すぐ
 ◇車
  ・ナシ

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