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「処分の必要ある?」、「教育の信頼失う?」 女性養護教諭の懲戒処分に疑問と同情

Shizuoka

静岡市教育委員会が入っている清水庁舎

■乗用車運転中に事故 原付バイク運転手に全治8週間のけが

静岡市教育委員会は3月14日、市内の小学校に勤務する養護教諭を減給10分の1、1か月の懲戒処分にしたと発表した。交通事故を起こして全治8週間のけがをさせたことが処分の理由だが、インターネット上では「処分する必要はあるのか?」、「教育長のコメントに違和感がある」など懲戒処分に対する疑問や同情の声が多い。

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静岡市教育委員会によると、市内の小学校で養護教諭を務める50代女性は2021年5月27日午後8時半頃、乗用車で交差点を右折した際、反対車線を通過した車の後方を走っていた原付バイクに気付かず衝突した。原付バイクの運転手は骨盤を骨折するなど全治8週間のけがをした。

女性教諭は免許停止30日間の行政処分と罰金20万円の刑事処分を受けたという。事故について「子どもたちの安全を守る立場として重く受け止めています」と反省しているという。

女性教諭と被害者の間で示談が成立したことから、市教委は懲戒処分を決めた。赤堀文宣教育長は次のようにコメントしている。

「今回の交通事犯の発生は、市民の皆様の行政・学校教育に対する信頼を失うものであり、市民の皆様に深くお詫び申し上げます。市教育委員会といたしましては、このことを大変重く受け止め、職員としての自覚をなお一層喚起し、綱紀の粛正、厳正な服務規律の確保に一段と努めるとともに、これまでの取組みを再確認し、信用失墜行為や交通事犯等の根絶について、所属職員への指導を指示したところです。今後は、再発防止に向け、指導を徹底し信頼回復に努めてまいります」

今回の懲戒処分に対し、女性教諭に同情したり、市教委の決定に疑問を投げかけたりする声は多い。インターネット上では「行政処分と刑事処分を受けて示談も成立しているのに懲戒処分までする必要があるのだろうか。交通事故は誰でも起こしてしまう可能性がある」、「飲酒やスピード超過、ひき逃げなど運転手側に重大な問題があれば別だが、市教委の発表内容だけで懲戒処分を受けるのは女性教諭が気の毒」などの意見がある。

また、教育長のコメントについても「定型の謝罪文を発表しているだけなんだろうが、交通事故が学校教育への信頼を失うとは思えない。教師は運転のプロではない」、「懲戒処分の理由や組織トップのコメントを見たら、教師になりたい人は、さらに減るのではないか」といった声もあった。

(SHIZUOKA Life編集部)

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