【チェーンのチャーハン行脚】第19回:元祖泡系「博多一幸舎」のチャーハンは、意外な具の存在感が際立っていた
どこかに行ったらチャーハンを食べないと気が済まない。私の中でのチャーハンは、神社やお寺の参拝時における「御朱印」のようなものである。
当然、福岡に行ってもチャーハンだ。いたるところに「とんこつ」という4文字が踊っているが、私の眼球は「チャーハン」の5文字しか認識できないようになっている。
ということで福岡チャーハン行脚の1軒目に選んだのは、“元祖泡系” とも言われる熟成追い炊き製法の博多とんこつラーメンが有名な『博多一幸舎』だ。
【画像】ちなみにチャーハンがあるのは店舗による。気をつけよう!
とりあえず行列がエグい。
しかし、1人であることが幸いしてか、チャーハンの食券(760円)を買って列に並び始めてから11分後にはカウンターに通されて、
しばしの間、目を瞑る。
そして、厨房の「音」に集中する。
これが瞑想ならぬ「瞑炒(メイチャー)」であり、心の目(心眼)で厨房の様子を伺うのだ。
しばしの間は、無音だった。薄目で覗くと、厨房の中の人たちはせっせとラーメンを作っている。そりゃそうだろう、とんこつラーメンが有名な店なのだから。
しかし!
した!
「カンカン!」と! かなり派手に! 叩きつけるような! それはもう工事現場のような! パワフル&スマッシュ系……!
すごい……。これまで中華鍋とお玉と五徳が織りなす打音を「カンカン」と表現していたが、博多一幸舎のそれは「ガンガン」である。
ガードレールをハンマーで叩いているのでは……というくらいの荒々しいガンガン音であり、合いの手的に「シャッ、シャッ!」との丁寧な「炒音」もする。
間違いなくこれはチャーハン。野菜炒め等の音ではなく、このサウンドは絶対にチャーハン。見えていないが、心で見える。今、お皿に盛っている(音で判断)。
そして着席から9分後……
きたばい!!!!!!
スープは無し。具は、たまご、チャーシュー、ネギかしら……と思いながら口に含んだら、
!!!!!!!!
たまねぎ!
しかも!
「食感のこし系たまねぎ」!!!!
ニクイほどに玉ねぎがシャクシャクしているのだ。これは予想外かつ、気持ちの良いシャクシャク。もしもこのチャーハンが48人くらいいるアイドルグループであれば、センターは間違いなくタマネギである。
ここまでタマネギに全服の信頼を置いたチャーハンがあっただろうか。いや、ない。いや、あるかもしれないが、私は初体験である。もう「タマネギ系」と言っても良いくらいの衝撃だ。
ちなみにチャーハン自体はしっとり系。普通にうまいチャーハンなのだが、なんといっても記憶に残るのはタマネギのソロ。こういうやりかたもあるのか……と私は唸った。次はラーメンも食べようと思う。
参考リンク:博多一幸舎
執筆:チャーハン研究家・GO羽鳥
イラスト:マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24