約3人に1人は朝礼を「ムダ」「負担に感じる」 短時間化や頻度減少など見直しを求める声も
人材事業やシステム開発を手掛けるセルバ(東京都中央区)は6月3日、職場の朝礼やスピーチ事情についての調査結果を発表。ビジネスワーカーの朝礼に対する本音を明らかにした。
約3人に1人は朝礼を「ムダ」「負担に感じる」と思っている
調査によると、朝礼を実施している企業に勤める人300人のうち、「毎日」朝礼を実施している企業の割合は過半数に達する(56.3%)ことがわかった。週に1回(17%)、週に数回(11.3%)を合わせると、朝礼を実施している企業の8割以上が毎週、朝礼を行っていることがわかった。
朝礼についての本音を聞いたところ、トップは「無駄」の38%。次に「負担に感じる」で35%、「仕事の時間に充てたい」が29%で続き、ネガティブな意見が上位に並んだ。
朝礼、正直どう思う?(複数選択可)
1位 無駄 38%
2位 負担に感じる 35%
3位 仕事の時間に充てたい 29%
4位 業務に役立つ 28%
5位 時代遅れ 28%
6位 会話が活発になる 22%
朝礼の存続・廃止は意見が二分、短時間化や頻度減少など見直しを求める声
今後も朝礼を続けるべきかについては、意見が分かれた。「続けるべき」が37.7%、「廃止すべき」が34.3%と拮抗している。
自由回答では、それぞれ次のような意見が寄せられた。
続けるべき
・簡単な業務連絡だけなので時間的な負荷はないし、朝1度メンバーと顔を合わせることはメリハリがついてよいと思うから。(40歳代男性、メーカー・製造業、朝礼の頻度「毎日」)
・福祉の現場では毎日状況が変わるため、毎日しっかりと朝礼で共有していく必要があると感じるから。(30歳代女性、その他、朝礼の頻度「毎日」)
廃止すべき
・営業なので毎回目標値の話をするのがストレス。月に2回ほどでいいと思う。(20歳代男性、IT・通信、朝礼の頻度「毎日」)
・時間がない中で、効率的でないものは廃止するべきだと思います。(30歳代男性、公的機関、朝礼の頻度「週に数回」)
「形式を見直すべき」と答えた人からは、「その日にやる仕事の共有は必要だと思う」「朝礼は最低限の連絡事項や報告の場に留めた方が効率や無駄がなく、朝礼から負担になることはないと感じる」といった声が挙がっている。
調査では、朝礼は社員同士が顔を合わせる場として一定の効果が期待できる、とした上で、頻度や実施内容の見直しを検討する必要性を指摘する。
スピーチ強制が社員の負担になっている可能性も
朝礼に取り入れるとよい工夫として、「短時間化」や「頻度を減らす」といった意見とともに、「スピーチを強制しない」も上位に挙がった。
約80%の人が朝礼で話すネタに困った経験があるという調査結果も出ており、朝礼のスピーチを当番制にしている場合、社員がそれを負担に感じている可能性もある。
「社員が自身の仕事での成功経験を語っていたが、あまりにも自分語りに酔っていて途中で聞くのがつまらなくなってしまった」といった厳しい意見も寄せられている。調査では、朝礼で好評だったスピーチの内容についても紹介されている。
識学(東京都品川区)の調査では、朝礼や夕礼は17.3%が「必要のない会議」と回答している。営業ハックは、都合に合わせて参加できるよう柔軟性を持たせるため、毎朝のチーム朝礼に加えて昼礼制度を導入した。
調査は2月7日から2月21日の間、現在企業に勤める20歳~50歳代を対象に、300人から回答を得た。調査の詳細は同社の運営メディアにて確認できる。