物語をまとめ上げる、読者の期待を裏切って驚かせる「確信」の使い方【プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑】
NO.15 確信【かくしん】[英:Certainty]
【意味】
固く信じて疑わないこと
【類語】
信念 所信 信奉 確証 断定 信用 信頼 過信 トラストなど
体(フィジカル)の反応
しっかりとアイコンタクトを取る目が合ったらほほ笑む目がキラキラと輝く大きくうなずく胸を張り堂々と歩くゆったりと話すどっしりと椅子に座る自信に満ちたすがすがしい表情冷静な態度で接する鼻歌を歌う、口笛を吹く否定的な意見をすぐにしりぞける自分の意見を貫こうと躍起になる目力が強くなる面持ちが上がる声色が太くなる言動に余裕が生まれる
心(メンタル)の反応
晴れ晴れとした気持ち集中力が高まる視界が開ける感覚自分は抜きん出た人だと感じるやる気がみなぎる胸が高鳴るまわりの人と積極的に関わろうとする否定的な立場の人を排除したい気持ち成功した姿を想像する自分の意見以外すべて間違っていると感じる都合のいいこと以外目に入らなくなる誰にも負けないと思える
読者の期待を裏切って驚かせる「確信」を用意しよう
「確信」とは、〝固く信じて疑わないこと〟。強い意味を持つ語彙です。
物語の展開において「確信」は決め手となる重要なセンテンスを担います。たとえば以下の通りです。
『少年は確信に満ちた足取りで進んでいく』
『真犯人が誰なのかはすでに確信していた』
このように、起承転結の結へと向かう道筋をつくる、決定的な何かを導きます。そのうえで行為を後押しする裏づけとなるわけですから、ある意味で読者の期待を裏切って驚かせる「確信」を書き手は用意しなければなりません。
大切なのは意外性に加え、なぜ「確信」できるのかという謎解きを明確にすること。説得力なくして「確信」は成立しません。
さらに「確信」の乱発はご法度です。注意しましょう。物語が右往左往して、収拾がつかなくなります。
なるほど! と思わせる「確信」は喜ばれる
【出典】『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑』著:秀島迅